2016年1月11日(月)午前9時36分 北海道勇払郡占冠村・トマム駅
32.南千歳8:30発→帯広10:45着 特急スーパーとかち1号/帯広行き キハ261-1206
反対側には多くの乗車客が待っている。相対式ホームと待合所程度しかない無人駅ながら、通過するのは札幌行きスーパーおおぞら4号だけ。
さく「絶対これさ、テレビとかでもやってるもん。」
もも「そうそう、アンタらが手なんか出さなそうな…。」
めぐ「出さないより出せないっていうか…、な?」
左側を見ると、ここからリゾートへ向かうバスが待機中。『星野リゾートトマム』が中国企業に買収されるとなったのは、2015年の話。現状、運営体系は変化ないとか…。
なぎ「相変わらず中国人が多いのか…。」
さく「大抵、お金持ってる人。」
串内信号場で停止し、反対を行く特急を待つ。
もも「さっきの人たちが乗るわけね…。」
なぎ「そりゃ…、あの中で長くは待てないからな。」
新得まで20kmを切る。雪山の画を収めておこう…。
めぐ「…あれ?」
なぎ「どうした?」
めぐ「これどうかな?」
なぎ「どうかって…。」
さく「左景色いいじゃん。」
もも「遅い遅い。」
進行方向左側は平原が広がっていながら、右側をもう1回。
めぐ「…どうも合わないのよ。」
さく「それ、個性ってことでそのまま…。」
めぐ「するよ?」
なぎ「…左はいいのか?」
青空と雪山の景色を、3回目にして捉えられたか。
めぐ「今度こそいいぐらい?」
もも「いいならいいで、…左はダメよ?アンタ右選んだんだもん。」
新得まであと10km。線路は回り込むように勾配を下っており、右側からも平原の景色を眺められる。
さく「そういえば合流点ってどこだっけ?」
めぐ「…どこだったかな?」
もも「山狙ってるうちに通り過ぎたんじゃなくって?」
再度回り込んで山側へ。建物らしい建物は、牧場らしきそれが少々あるくらい。基本的に日光がかかる右側へ座ったため、日差しが当たって暑い。
もうすぐ新得。今日は3連休の3日目となり、スキー場も賑わっている。ついでに後から調べたところ"分岐・合流点"はトンネル内にあり、車内からはどちらにせよ見られなかったとしておく。
もも「どうせアンタらスキーとかやらないくせに。」
めぐ「なんか…、ね?来るだけで満足って言うのか…。」
さく「それにさ?スキーって結構お金かかるもん。」
新得からは根室本線となり、普通や快速の運行がある。昨日富良野から乗車し、根室本線のみを進む快速『狩勝』とすれ違う形となり発車。晴れ渡った青空に、雪で白くなった山々が美しい。
なぎ「ここはちょっと街っぽいよな…。」
酪農の盛んな十勝地方では農地などが多数を占め、街らしい風景はごく少数。新得と十勝清水は隣り合っており、石勝線と比べて駅間隔が短くさほど時間もかからない。
めぐ「十勝清水はもう高速あったのよ。」
さく「十勝なら…、山少なくって平坦だから造りやすいよね。」
次は芽室。シラカバが群生しているようなところを進み、周辺に建物らしい建物は見当たらない。
めぐ「こういう何もないとこもいいかも。」
さく「そのほうがいいよ。下手に何か建物あるよりは、…なくたって。」
なぎ「お前、どうした?」
さく「いや、別に?」
御影で反対列車を待つため停止。停車駅となる芽室の1駅手前でありながら、ここから10kmほど離れている。
さく「…眠くならない?」
なぎ「いや…、特には。」
芽室に停車し、次に停車するのは終点の帯広となる。特急『スーパーとかち』の停車駅は急行列車並みとなっており、昨日(富良野から滝川まで)乗車した快速『狩勝』と同等だ。
穏やかな農地と降り積もった雪を、日光に当てて撮影すると露出オーバーと出た。
めぐ「…次あるなら夏だよ。」
もも「だと思った。」
この高架道路は帯広広尾自動車道で、厳密にいうと高速道路ではなく無料で通行できる自動車専用道路。
めぐ「…あ。」
なぎ「どうした?」
めぐ「これ、サイズ3Mのままにしてた。」
なぎ「大きいままなのか?」
めぐ「大きいものって、プレミアムなものって決めてたんだけど。」
もも「アンタ、あの時計台で元に戻してなかったでしょ。」
ということでここまでの間、デジカメの写真は3Mサイズで撮影。後にサイズを縮小していた。ここからは一部を除き、通常サイズで撮影している。
線路が高架に上がると街らしい風景を見下ろす形となり、やがて帯広に到着となる。乗車時間は思いのほか長く、南千歳から2時間15分であった。
晴れたとはいえ、外はやはり寒い。ここまで乗ってきたキハ261系は車内清掃の後、そのまま札幌へ折り返す。この新車は自由席でも指定席用グレードアップ車両であったため、乗る客は得をする形となりそう。
もも「…終わった?」
めぐ「終わった。」
さく「じゃあ中入ってさ、寒いとこで立ってないで。」
帯広は自動改札があるものの形態がやや変わっており、ホームだけでなく改札の位置も分離している。それはさておき、改札を出たところには土産物屋や飲食店が入っている。もちろん、名物となる豚丼の店もある。
さく「まあ、外出るのも面倒臭いからさ。ここでいいでしょ。」
もも「またまた…、そうやって見て回らないで済ませようったって…。」
振り向いたところには『帯広市民ギャラリー』なるものがあり、こちらも自動ドアで仕切られている。入口には、今日の展覧会がないと表示されていた。
なぎ「…外出ようか?」
さく「…怒ってないよね?」
(つづく)