2016年1月10日(日)午後9時7分 札幌市厚別区・新札幌駅
29.新札幌(21:01)21:07発→札幌(21:12)21:18着 快速エアポート205号/札幌行き モハ733-3201
入ってきたのは733系で、いかにも強そうな面構え。オールロングシートの車内と共に、731系から引き継がれてきた。専用の6両編成は3000番台と区分され、721系の快速用編成と同じく指定席の連結がある。自由席は空席が程よくあった。
もも「…これなら勝手に座ろうったって文句は言わないわよ。」
さく「でもちょっと乗るだけなら、適当でいいでしょ。」
外の景色も見られず、オールロングシートなこともあって11分の間にすることは一切ない。とりあえず窓枠が735系のアルミでなく、白っぽいことからFRPと思しきこと。新車らしく車内照明にLEDが採用されたというのは分かった。そして貫通扉は古風な形状ながらも、735系は取っ手をひねる必要がないもの。733系は見た目どおりであった。
さて、遅れの要因は車両不具合によるものだったとか。この日も滝川から岩見沢にかけ、吹雪いて視界が悪いからと減速運転。スーパーカムイ20号はその遅れを新千歳空港まで引きずり、結果千歳線どころか函館まで遅れが響く可能性があった。
なぎ「色々…。」
さく「いいから早く荷物だしてさ。」
改札を出てコインロッカーから荷物を取り出し、もう一度戻ったら再び待つだけ。
めぐ「これだけど…。」
もも「何、まだ何かあるわけ?」
めぐ「これから乗るんだけど、折り返しが快速エアポートみたいなのよね。」
もも「…だからそれで?」
めぐ「タダで指定席乗れちゃうのよ。」
30.札幌21:38発→新千歳空港22:27着 普通846M/新千歳空港行き サハ721-5201
快速エアポートで使われる6両編成。快速エアポートでは指定席となる『uシート』でも、普通では自由席とされて料金不要で乗車できる。座席は789系の自由席に用いられるようなもの。荷物は最背面部に入れ込むことができた。
もも「荷物置き場あるんだし使えばいいのに…。」
程よく座席が埋まったところで発車。空港へ向かう普通は数が少なく、通過駅が一切ないともなれば珍しい。電球色の照明が眠気を誘う。
さく「…おやすみ。」
もも「…じゃあおやすみ。」
新札幌までは先ほどの道のりを戻るように、そこからも各駅に停車していく快速用車両。夜10時になり、乗客は降りる一方…。
千歳で他に誰もいなくなった。後期型は最初から指定席車両として増備され、自由席と同じ片側3ドアながらデッキも特急車両らしい造り。雰囲気として、九州の783系ハイパーサルーンに近いものか。
なぎ「…あれ?」
もも「どうせこの時間、誰も空港なんか行かないでしょ。」
南千歳で"本線"と分かれてからは地下に入ったようで、程なく終点の新千歳空港となる。
さく「さあ、ここからどうやって行けばいいかな…?」
めぐ「…わかんないんだけどね?」
折り返しは快速となり、このエアポート225号の『uシート』はもちろん指定席。次の227号が、新千歳空港を発車する最終となる。乗り込む客もそこそこ。ついでに2021年現在は『エアポート』の指定席料金が通年で520円。さらに2022年3月からは840円に値上げされる。
もも「いいけど、時間大丈夫なの?」
空港利用客向けとして、改札機の横に物置き場が設けられている。"かえり券"を通したところで、4日目は区切りとなる。あとは温泉の場所を見つけたいところ…。
めぐ「ホテル…、なのかな?」
さく「じゃあ、そっち見てこうよ。」
とりあえず案内に沿って進んでみる。案内所もすでに店じまいの様相なので、勘を頼りにせざるを得ない。
なぎ「…場所調べてなかったとか?」
めぐ「ないけど…。」
とにかく道が合ってようと間違ってようと、先に進むしかない。
さく「早いとこ休んで、寝て起きて…。」
もも「その前に温泉よね?」
地上フロアへ上がるため、エスカレーターを乗り継いでいく。この日だけで幾度となく繰り返してきたこと…。
到着口に出てきた。すでに到着便もなく、静まり返っている空港内。
さく「…大丈夫じゃないよね?」
もも「本当、誰が温泉入りたいとか言ってたろうけどさ。温泉だったら別に他もあるんだし。」
さく「どうする?まだ最終あるけど…。」
巡回する警備員の視線を気にしつつ、とりあえず地図だけでも見て確認したい。
もも「…ホテルとか全然違うじゃないの。」
めぐ「間違っちゃった…、ね。」
なぎ「行くなら調べろよ。」
もうすぐ夜11時となり、ターミナルビルは閉鎖される。温泉に行くか、引き返して最終に乗るのか…?
めぐ「…せっかくだし行きたいかな?」
決めたからには行くしかないと旅行班。到着フロアは1階にあり、温泉は4階。ついでに駅は地下にある。
さく「…結構遠いよ?」
なぎ「本当に行くのか?」
もも「帰ったほうがいいんじゃなくって?」
さく「駅も結構遠かったからどっちにしたって急がなきゃ。」
とりあえず2階の出発口へ上がる。商業施設もこの時間は営業しておらず、客はまったくといっていいほどいない。いるのは警備員だけ。
めぐ「…あそこ上がれるかな?」
なぎ「…上がってみるか?」
エレベーターでは3階までしか上がれない。その上へ続くエスカレーターがあったので向かう途中、警備員に呼び止められたので『温泉』と答えた。すると上へあがるようにとのこと。
めぐ「もう大丈夫。」
もも「アンタはよそのグループじゃ不安。」
こうして新千歳空港で迷いつつもタイムリミットに間に合い、4階にある温泉にたどり着くことができたのだった。
(アラウンド・ザ・北海道2016 つづく)
舞「2016年北海道旅行の実質3日目が終わりました。結局はこの行程で当初そのままだったならば、釧路から急行そのままだった快速に乗ることなく。変更したがために、富良野から新得まで鉄道利用がかなわなくなりました。まあ…、去る者追わずというスタンスかはわかりませんけど。それではまた。」