2021年11月21日(日)午後2時8分 福島県南相馬市・原ノ町駅を出発
19.原ノ町14:08発→いわき15:29着 普通678M/水戸行き モハE531-6
原ノ町までは左側だったところ、右側のボックスを確保する。比較的車内に空きが多いまま、南相馬の民謡に乗せて発車。
小高までが仙台近郊区間となる。かつてテレビ番組でも紹介されたようだが…、ここには何があったのか。
桃内は常磐線で唯一、どちらの大都市近郊区間にも属さない駅。したがってICカードが直接使用できない唯一の駅ともなる。復旧に当たっては使用しない区画を柵で囲い、継続使用する区画のみを改良させている。
このあたりからは原子力発電事故も絡んでくる。左を見れば学校らしき建物があり、グラウンド部分は手入れがなされていないように見受けられた。駅にも放射線量を示すモノが設置されていた。
浪江からは東京近郊区間へ。気付けば沿線の道路で通る車も見られなくなり、一部では放射線量が下がらず『帰還困難区域』として封鎖されたままのところも見られる。
双葉は復旧に当たって単線化。調べるとかつては複線だったところ、非常時の避難経路を確保するとのこと。駅の周辺は再整備される途上らしい。
大野も同様に単線化された。駅から外れると走る車を見かけなくなり、見慣れない光景が続く。ところで特急はかつてどのように停車し、運転再開後もどのように停車しているのか…?
特急の停車するイメージのなかった夜ノ森は、従前からの交換設備が残っている。これが結局よくわからない。
やがて車が少しずつ見られるようになってきた。このあたりは住民も戻ってきているらしい。
浪江から富岡までが2020年3月、最後に運転を再開した区間となる。せっかくなので停車した際、ドアの開いた左側からホームを収めてみた。この駅も津波被害の大きかった駅だ。
竜田はホームの仕切られ方がおかしい。停車したいわき方向の普通は待避線へ入る格好を見せ、本線にあたる線路はホームが柵で塞がれているように見受けられる。
あの日以来、海岸線へトラウマを抱えた人も多いのだろう。比較的海から離れていた常磐線も、海の見られる位置を時折通っている。
数ある中でも最大級に曰く付きな新駅。2019年に臨時駅として開業したJヴィレッジは、日本サッカー界の拠点となる『Jヴィレッジ』への最寄り駅。原子力発電事故においては対応拠点として用いられ、スポーツ施設としての利用再開を経て"復興拠点"となる。
広野の次、末続は"すえつぐ"ではなく"すえつぎ"と読む。改良された相対式ホームと、昔ながらの木造駅舎が共存する無人駅。
四ツ倉,久ノ浜,広野,竜田,富岡と、かなり段階を踏んで復旧させた印象のある常磐線。一歩ずつ進むように運転再開へと至ったのが、なんとも"らしい"といえようか。
そんな四ツ倉からは複線となる。そこですれ違った特急列車こそ前年に無謀な計画の一翼を担うべく、品川から直通乗車するように組んでいたひたち13号だ。
さあ、もうすぐいわき。E531系のうち5両編成の1本が、この度国鉄交直流車両を連想させる帯色となった。
(つづく)