2021年9月19日(日)午後5時18分 愛知県海部郡蟹江町・蟹江駅
JR蟹江駅の橋上駅舎は2021年2月に完成していた。比較的近い位置だからと視察する機会を先延ばし、気付けば諸々あって9月も後半。ようやく視察するに至る。かつての駅舎があった南口は、現状まだ整備が完了していないようだ。
自由通路として供することにより、南北の移動が可能となった。天井はテントの膜が用いられており、換気も常時自然になされる構造だ。ベンチには丸太が用いられており、旧駅舎の梁から転用したらしい。
新駅舎となって以降は駅業務が簡素化されたようで、サポート付きの指定席券売機が新たに導入された。隣には従来の近距離用券売機を設置。窓口が完全に閉鎖されたわけでなく、主に周辺駅への補助役を担っているという。
自動改札はIC専用が2通路。磁気券が通過可能なのは2通路あり、幅広の躯体が1通路。そして窓口に面した有人改札が1通路となる。発車案内は液晶画面式で導入されるも、名古屋駅のような新レイアウトとはならず。旧来のLED式に準じた表示となったままだ。
自由通路から三重県方向を望めば、名古屋行きの快速が3両で通過していく。桑名も新しく駅舎が完成しており、いずれ視察してみたいもの。
北口は橋上駅舎と自由通路を見越して、後になって開発されたほう。ロータリーはその際に造成が一旦なされており、橋上駅の完成によって再度整備されたもの。周辺の住宅地も新しい雰囲気が漂っている。
こじんまりしたトイレも新しく設けられたもの。必要最小限の設備らしく、洋式便器には温水洗浄機能付き便座などない。手洗い場も石鹸などは置かれておらず、そもそもトイレの天井が低かったりするのだ。
この新しい蟹江駅の自由通路は、須成祭をイメージしてデザインされたものという。北口には大型商業施設も構えていることから、今後はこちら側が"メイン"とされる方針らしい。もっとも、中心地は変わらず南口に向いている。
改札から中に入り、名古屋方向を望む。やや遠目に見える集合住宅群は、名古屋市に位置するもの。名古屋駅からも3駅しか離れていない。
改札の中にもトイレが設けられていた。こちらは手洗い場に自動式の泡石鹸が設けられており、緑色のなかなかクリーミーな泡をしていた。大便器については調べるべきだったところ、確認せずして後にしている。
三重県方向のホームから新しい橋上駅を見上げたい。旧駅舎はこちらに面しており、幅が広くなったところに面影を感じられるとか感じられないとか。名古屋方向のホームとは、階段の向きが異なっている。
特に名古屋方向のホームは古い跨線橋が撤去されたこともあり、ホーム屋根の構造も新旧が入り混じっている印象。上下移動は階段のほか、エレベーターが新しく設けられている。ドアが両方向に設けられた機種で、車いすを進行方向そのままに移動できるタイプだ。
亀山行きの普通が2両で入ってきた。神領所属のB400編成は少数派で、ワンマン準備設計で導入されている。関西本線は日中にワンマン運転を行うので、ワンマン対応のB500編成が多数を占めるのだ。
続いて入ってきた名古屋行きの普通は4両だった。この普通が入ったことで、亀山行きの普通が発車。さらのこの普通は反対方向の通過を待つため、蟹江で5分停車する。
通過するのは伊勢市行きの快速『みえ』で、4両のうち先頭の1両が指定席となる。3両ある自由席と同じ座席ならば、わざわざ追加料金を支払ってまで選ぶ必要性も薄れてしまうものだ。この日は自動案内放送で、運転停車するパターンの内容を聞くことはできずに終わった。
改札を出た正面には案内用の液晶画面と、趣ある装飾が目に入ることだろう。蟹江町は須成祭のほか、尾張温泉も有名なまち。特に尾張温泉東海センターは温度の異なる源泉を交えることで、国内有数の"源泉100%かけ流し"を実現させている。
改札外のエレベーターは自転車の持ち込みが可能となる。内部はさほど広くなく、1台入れば十分なほど。窓からは外の景色が見られるので、しばらくは南口の開発される様子を観察できそうか。今回はここまで。
(おわり)