2015年8月8日(土)午後4時 石川県金沢市・兼六園下
前年利用した『世界遺産・富士山フリー乗車券』と大きく違うのは、フリー範囲内で一般の路線バスにも乗車できるということか。とりあえず、金沢駅へ戻るとしよう。到着するバスは金沢駅西口を経由するものであり、フリー乗車券の範囲に収まっている。このような決定はこの日3回目…。
17.兼六園下・金沢城1のりば(15:57)16:02発→金沢駅西口(16:17)16:33着 路線バス70/内灘行き 北陸鉄道バス31-923
顔つきなどからしておそらく三菱ふそう製の車両。車内は結構な混雑ぶりなので、適当に位置を確保。夕方4時を回り、国道157号の一部区間が封鎖されたため一般路線も迂回を強いられる。
もも「…座ってばっかじゃかえってあれでしょ。」
さく「そう言わずに…、席空くの待ってるんじゃなくって?」
迂回する車は多く、バスがなかなか進まない。
さく「…去年もこういうことなかったことない?」
もも「結局去年の反省生かされてなかったじゃないのよ。」
迂回したため、武蔵ヶ辻・近江町市場は臨時の停留所に停車。他、一部停留所は経由しない。
もも「…そういや歩行者天国って。」
めぐ「栄のは行ったことあるけど。」
もも「アンタも何かやってきたわけ?」
めぐ「何かってよりは…、入り込んだりとか。松坂屋の北海道物産展がメインになっちゃったような感じかな?」
以上、名古屋市内で行われる歩行者天国の話。
なぎ「…何の話だったんだ?」
30分ほど乗車し、金沢駅西口に到着。始発と終点がフリー乗車券の範囲から外れており、フリー乗車券を見せるだけでなく整理券も運賃箱に入れなければならない。同じ金沢駅でも、東口とは雰囲気が違うもの。
ホテルが駅舎にあるような西口。ロータリーにあるモニュメントも気になるところ…。
めぐ「どうもまだ乗り足りないのよね…。」
さく「やっぱり周遊バス、乗っておくってのは?」
もも「せっかくならもう1か所回ったりとかない?それこそ、ひがし茶屋街とか…。」
というわけで、次は周遊バスでひがし茶屋街へ向かうことに決定。結果的に片町の商店街などは回れなくなった。
18.金沢駅(16:30)16:40発→橋場町3のりば(16:56)17:13着 周遊バスLL/城下まち金沢周遊左回りルート 北陸鉄道バス24-251
本来の目的であるはずだった周遊バスは、日野製の大型路線車両。一般車両と異なり床が木目調となっており、通常運賃は200円均一であるため整理券発行機もない。液晶画面式の案内は後方にもある。
もも「これでひとまずはよかったってことにしときましょうよ。」
なぎ「無類のバス好きだもんな。」
めぐ「はい、バス大好きでーす。」
発車すると、片町までは迂回運行となるため通過扱いとなる。香林坊へ向かうには片町から歩くことになる。
さく「…なんだかんだで先にカレーってのは正しかったんだよね。」
もも「正しいも何も、食べたかったんじゃなくって?」
なぎ「そりゃ、朝アレだけじゃ足りないからな。」
寺町寺院群からは下り坂となっており、左側は眺めがいい。
めぐ「右じゃダメだったみたい。」
桜橋を渡ると、文字通り桜橋の停留所。
本多町は目の前に北陸放送の社屋があり、停留所にも記されている。
広坂・21世紀美術館では多くの客が乗り込む。続く兼六園下・金沢城も同様であり、バスは満員に。橋場町は停留所が2箇所あり、ひがし茶屋街の最寄りは2箇所目。
さく「…降りれないってことないよね?」
着いたところで、すでに多くの客が並んでいる。
めぐ「…これさっさと回って早く並んじゃおうよ。」
もも「…なにを?」
加賀百万石の城下町として栄えた金沢。加賀の小京都といわれたように、趣きある建物が目立つ。ただ京都は公家文化であり、武家文化だった金沢とは相成れなかったとか。そのためか、金沢はいつしか"小京都"ではなくなっていたらしい。あくまで諸説あるものとして、理由等の1つと推測するにとどめておく。
さく「ああ、そう?」
めぐ「…わかんないけど。」
信号待ちの間、先ほどまで乗車したバスが横切っていく。見る限りでは引き続きの満員御礼状態。夕方になってもまだまだ暑い、加賀百万石の城下町。
左右は昔ながらの建物が並び、路面の舗装と共にいい雰囲気。
もも「…アンタはいい加減言葉を学びなさい。」
いよいよひがし茶屋街へ入る。
なぎ「…正直もう歩きたくないんだろ。」
もも「わかってる。最初に暑いって言ったら負けって言ったの忘れてないよね?」
金沢を代表する観光名所。かつては一見さんお断りの店も多かったという。観光地と化した現在、店も入りやすくなっている。
さく「ま、どうせ関係ないけどね。」
もも「アンタらが低予算と言い続ける限りはね。」
さく「さすがリッチピープル。」
もも「違います。」
夕方5時半前、日が傾いてくる8月の前半。冬場であればすっかり日は沈み、街灯や店の明かりがやさしく照らしてくれるに違いない。
突き当りを右に見る。狭い路地のようなところが、なんか好き。
もも「もうちょっと遅くでもよかったんじゃない?」
なぎ「それだと帰りどうするんだ?」
もも「…最終までいいんじゃなくって?」
続いて左…。
めぐ「…おしまい。」
もも「もう!?まだこれからなのに?」
何だかんだで時間に追われ、観光までせわしなくなってしまう現代社会。名古屋から加古川と福知山を回って、金沢までやってきた今回も例外にあらず。2日目の中で富山へ向かい、更には新潟県上越妙高というバカな行為だ。
(つづく)