2015年8月8日(土)午前9時44分 石川県金沢市・湯涌温泉へ向かう車中
13.金沢駅9:10発→湯涌温泉9:57着 路線バス12/湯涌温泉行き 北陸鉄道バス26-665
気づけば県道10号に戻り、車窓はすっかり山間の風景。残り5kmを切り、フリー乗降区間での乗り降りはない。車内は数えられるほどの客がいるだけ。
もも「創作の森までは来たことあるってなら…、温泉だって行けたことない?」
めぐ「ちょっとまた歩かなきゃいけないし。お風呂上がりでまた汗とかかくの嫌じゃない?」
創作の森を通過すると、目的地までもう少し。金沢駅から40分以上かけ、湯涌温泉に到着。運賃600円は現金で支払おう。
さく「とりあえず位置は確認しといてと。」
めぐ「それ大事。」
終点とあって、バスは転回場を回って反対側へ。乗ってきた客の数とは対照的に、金沢駅へ向かう客は多いようだ。
もも「チェックアウトってそんなもんじゃない?」
予算とともに予約の手間を避け続け、これまで温泉旅館というものに縁のない旅行班。そんな温泉旅館を主な舞台としたアニメ作品が、2011年に放映された。
なぎ「早速あったな…。」
もも「…またまたアンタらの好きな。」
『白鷺の湯』まで歩くとしよう。冬は雪が多く降る地域とあって、路上には消雪用パイプが通っている。
なぎ「今日も暑くなるな。」
さく「…暑いときに暑いって言っちゃダメだと思うんだけど。」
もも「そんなわかってることを。」
めぐ「…あ。」
キャラクターのパネルがまたあった。前に車が止まっているので、正面から収めることができない。
もも「帰りまた撮っときゃいいでしょうに。」
なぎ「それかあきらめてこれでまとめとくとか。」
このパネルはどうも宝探しゲームのヒントらしい。
めぐ「なんだかんだで"なこち"が1番好きなのかも。」
もも「…ってか、三のヒント1?」
なぎ「じゃあ、もう1つあるな。」
さく「もう1人いたから、そうじゃない?」
ということで、4人目はライバル旅館の孫娘。劇場版では、主人公の温泉旅館で修行したそうな…。
めぐ「…まあ劇場版見てないんだけどね。」
ぼんぼりの並ぶ階段と、中腹にある足湯。『ぼんぼり祭り』は作中に登場するだけの祭りだったが、放送終了後の2011年秋に第1回が執り行われることとなった。
もも「…何よ?」
めぐ「いや…。」
なぎ「これから全身浴なんだからいいだろ。」
(現)総湯 白鷺の湯 380円
入浴料からしてタオル、シャンプー類は持参したほうがいいと踏んでいた旅行班。やはり読みはあたっており、備え付けは浴場にある椅子と洗面器だけ。とりあえず、入浴前に全身を洗っておこう。(※最新の営業情報は要確認のこと。)
かけ湯は源泉をそのまま用いている。浴槽は1つだけというシンプルな造り。露天風呂ではないものの大きな窓から庭を眺められ、開放感がある。
めぐ「…なんだろうね?」
もも「何って…、温泉じゃなくって?」
めぐ「夏とかだといつもシャワーで終わっちゃうし。」
さく「やっぱり?」
めぐ「あ、結構そう?」
今回は暑さの中で汗が多くなると考え、温泉などへの入浴回数を従来より増やしている。考えていたのはそれだけではない。
めぐ「夏って、プールとか海とかってのあるじゃん?」
さく「あるけど…。」
めぐ「それで、結局水の中に入るわけだからお風呂でも変わんないんじゃないかなって。」
もも「いやいや違うでしょう。」
さく「案外いいかもよ。プールとかだと上がって結局、シャワー浴び直すし。」
もも「そういえばそうね…。」
さく「別に泳ぐわけじゃないんだし。」
もも「まあ泳ぐならプール行くわよ。」
唯一の違いは、温泉から上がった後はシャワーを浴び直さないほうがいいということか。
めぐ「…歩いて足痛くなってない?」
さく「まあ…、ちょっときてるかも。」
もも「私はいいけど…。それより意外とアンタ足も大きかったって。」
めぐ「あ…。」
さく「みんな形も違って。…なぎ姉は?」
なぎ「…いきなりか!?」
もも「やっぱり大きい。…なのにすっごくきれいで。」
なぎ「ちょっと、やめ…。」
さく「めぐっちの足も、なんかぷにぷにしててかわいい…。」
足の話はこのぐらいにして、風呂から上がったら畳敷きのスペースで休憩。ここまで見た限り、主な入浴客は地元の方だろうか…。
もも「そうなんじゃないの?」
めぐ「…どうかな?」
なぎ「アレだろ?最初見た…、バス乗って帰る人。」
さく「それだともう終わっちゃう時間だよね。」
めぐ「でも車とかだったら…。」
もも「車はあるわね。」
さく「…何か飲まない?」
なぎ「じゃあ…、何かあるか?」
自動販売機まで装飾が施されている。でもせっかくならば、値段が少々高くともその土地ならではのものを選びたいところ…。
(現)金沢湯涌サイダー柚子乙女 220円
アニメのパッケージをまとった、340ml瓶入りの地サイダー。柚子果汁が3%入っており、さわやかな風味が感じられる。甘さがさほど感じられないのもいい。
なぎ「おいしいな。」
もも「で…、何か散らばったけど。」
めぐ「これ?塩分補給のタブレットだけど、よかったらあげる。」
さく「いいの?」
出発を12:05発のバスとし、白鷺の湯を後にする。バス停に戻ろうか。
さく「…まあ戻ってさ。」
もも「暑いなんて言ったら負けって、覚えてるわよ。」
(つづく)