「今回からは豊橋へ行った話を、4人用の"アドバンス仕様"で流していきないなと思います。今回は車内の会話シーンを省略しましたけど、本当に誰も話してなかったんです。意識はしっかりしてるんでしょうね…。ガイドライン策定を望んでいます。」


2021年7月3日(土)午後3時27分 愛知県豊橋市・豊橋駅

 共和から42分、快速は遅れることなく豊橋の5番線に到着。接続する浜松行きは8番線。、折り返しは米原行きの快速となり、7番線に来る普通からの接続を待つ。これら全て階段を介して乗り換えなければならない。
さく「まあ、今日は豊橋が目的でよかったよ。」
もも「そうよ、ここから浜松とかだったらまた…。」
なぎ「それがまた、いつになるかってな。」


 豊橋の"エキナカ"も随分とオシャレになっている。以前は古典的な立ち食い店がたたずんでおり、他客の少ない夜間帯に入ったこともあったもの。立ち食い店は現在も位置を変えて営業しており、テレビ番組で取り上げられたことも。
さく「チャーシュー丼だっけ?」
もも「まーたそんな昔のこと…、ほとんど忘れてるってのに。」
なぎ「いや、忘れちゃダメだろ。」


 飯田線は大雨で運休となっている。豊橋から新城までは19:00頃を目安に運転再開予定という…。
もも「だーれも…、いたし。」
さく「今、休憩時間なんだよ。誰も来ないから、こういう時期だし?特に。」


 来た以上は駅の写真を収めるのがお約束。1970年に豊橋ステーションビルとして開業し、改築や増床を経て2020年に50周年を迎えた駅ビル『カルミア』。奥に建つのはホテルアソシア豊橋だ。
めぐ「前にやったかもだけど、一応ね。」
もも「あのいい加減さ、そういう…。あやふやな記憶だけ頼るのやめない?」


 ではペデストリアンデッキを下りて、市内電車乗り場へ向かおう。いたのは元岐阜市内線~揖斐線の車両で、過去に乗車したことのあるタイプ。
さく「連接が来ないのはわかってたんだよ、運動公園前の。」
なぎ「カーブな。」



3.駅前15:45発→運動公園前(16:09)着 運動公園前行き 787
 目的地となる運動公園前行きだったため、そのまま乗り込むとしよう。運賃は180円でICカードに対応し、全区間均一料金であることから前払い式となる。モケットは過去に名鉄と同じものだったところ、新しく緑色系のモノへ交換された。
さく「…また喋んないし。」


 下りる際は降車ボタンで知らせる方式。乗り降りのない停留所ではドアが開かず、バスと同様に通過することとなる。駅前大通から複線で進み、国道259号へ。国道1・23(現道)・247号と交差し、国道1号に向けて進路を変える。


 東八町からは県道4号へ。前畑から東田坂上にかけては、名称のとおりに坂を上がっていく。競輪場前で運転士が交代し、駅前から続いてきた複線区間もここまで。


 井原から分岐するカーブが"曰く付き"で、半径11mと日本の鉄道路線で最も急なもの。このため運用車両には制約が生じるのだ。そしてここから分岐した1区間だけ、未制覇のまま愛知県内に残っている。


 駅前から概ね25分乗車し、運動公園前を制覇。これにて愛知県内の鉄道路線は全て乗車済みとなった。
さく「考えたらあっという間だったかもよ。」
もも「いやいや、当事者がどう言うかよ。ね?」
めぐ「どうだろう…?最後探したら、残ってたみたいな?」


 …写真を収めるのがお約束。単線にホームとなる安全地帯は1面だけで、単純な折り返しに徹している。調べれば臨時便の増発が可能らしく、3両分の長さを有しているという。もっとも井原のカーブがあるため、入線可能な車両は全て単行だ。
なぎ「…ダメだろ。線路1本だけじゃ、プロとかだと1万ぐらい。」
さく「まあ、そういうときに便利なのをね?原付っていう。」
めぐ「まだ来れるかわかんないし。」


 運動公園前の"運動公園"こそ、岩田運動公園である。球技場やテニスコートを有するほか、遠目に照明塔がそびえたつ。それこそ、今回せっかくならばと行きたかった場所だったりする。
もも「ああ、もう言わなくていい。絶対野球のだし、さっきの臨時。」
さく「自分でバラしてるし…。」


 中日ドラゴンズが毎年1試合、主催試合を組んでいた豊橋市民球場。2020年も当初組まれており、東京ドームでの埼玉西武主催試合と同じ4月21日。両者とも第1次日程変更後は開幕戦となるはずだったが、再延期で共に"消失"。2021年も共々組まれていない。
めぐ「今思ったけど、そこからまた北海道ってやっぱりバカだったと。」
もも「本当に身の程知らずね…、去年?一昨年のプレミア12よ。」
なぎ「プレミアは違う。東京ドームとか、ユニフォーム欲しいってパターン。」

 もっとも第1次日程変更以後、地方開催は相次いで本拠地へと変更。時期が遅れたところで、自ずとナゴヤドーム(バンテリンドームナゴヤ)へ切り替えられたのだろう。2021年に豊橋で組まれなかったのも、同様に…。
さく「どこ座ったかとか、地方だと指定できないとか。外野も芝生だし。」
めぐ「そうなんだよね…。もうちょっと見てこうよ。」


 外野へ回って、スタンドの"切れ間"からグラウンドを覗き見た。内野は土、外野は天然芝という典型的な地方球場だ。スコアボードはやや右寄りに配されている。両翼93mに中堅115mと狭く、全体的に7m後退させれば理想的。問題は外野の芝生席で、そもそも奥行きがないことか。
めぐ「外野のラバー低いのって、あんまり好きじゃないんだよね。」
もも「ってか、はは。こんなとこで開幕戦…!」


 場内に常設売店はなく、プロ野球では正面広場にテントなりキッチンカーなり出店となるのがセオリーだろう。この日は高校野球の試合が中止され、公園内で市民らが各々過ごしていた。時間もないので、トイレに入ってから後にしよう。
なぎ「じゃあ、帰るか。」
めぐ「そうなのよ。さっき見えたのが、次来るからね。」


 停留所に戻れば、待望の"ヌシ"が佇んでいた。

(つづく)