2014年8月31日(日)午後2時35分 山梨県南都留郡富士河口湖町・西湖いやしの里根場バス停(標高918m?)
バスが富岳風穴やコウモリ穴を回って、戻ってくるはずの時間。
なぎ「…来ないじゃんか。」
めぐ「あれ…?」
10分後、まだ来ない。
さく「…遅くない?」
もも「…やらかしたとか?」
めぐ「やめてよ。」
そして、またタイプの違うバスがようやく来た。
18.西湖いやしの里根場(14:35)14:49発 西湖周遊バス F5969
ボンネットを模造してあるのだけは"往路"で乗った車両と同じ。ベース車両からして全く異なり、中型の中古車両と思われる。座席はベース車両とあまり変わらず、木目を張り付けただけのようだ。
座席はそこそこ埋まり、行きと同じ側の座席をとりあえず確保できたといったところ。この時点で14分遅れている。
さく「…間に合う?」
めぐ「…わかんないけど。」
西湖に別れを告げ、バスは再び河口湖へ。
めぐ「ここまで来るとあんまり変なところで止まらないでほしいよ。」
なぎ「…それどっちだ?風呂?バス?」
さく「一緒じゃん。日本語と英語。」
めぐ「乗るほうのバス。」
景色を味わいつつも、時間に気を取られてしまった。河口湖駅に着くと、すでに『ふじやま温泉』に行くバスの姿はあらず…。
なぎ「間に合わなかったか…。」
ここでもう1度時刻表を見ると、これまた目をつけていた16:00発『ホリデー快速富士山2号』と時間が合ってしまった。
さく「…帰っちゃう?」
めぐ「…そうしようか。」
もも「…でもアンタらある意味すごいわね。何連鎖よ?」
発車30分前にしてすでに結構並んでいる。
もも「…別に嫌なら代わってあげてもいいけど?」
さく「…土産欲しいなら行けばいいじゃん。」
もも「…わかったから。そのかわりいっくら欲しいって言ってもソフトクリームはもうダメよ。」
なぎ「ソフトクリームはもういい…。」
もも「…本当は欲しいくせに。」
さく「…いいの?」
もも「ダメ。」
なぎ「あんまり遅くなるなよ。」
めぐ「…そういえばだけど、関西人って行列嫌いなのかな?」
なぎ「いきなり何だよ?」
めぐ「だって…、並びたくなかったけど並んじゃったし。」
そんな中、指定席が満席という話が聞こえてきた。ホリデー快速富士山は6両で、指定席は6号車。既に国鉄特急色の車両が見えている。
なぎ「おかえり。」
もも「…ソフトクリームなんかないわよ。」
さく「1人で食べたんじゃなくて?」
もも「食べてません!」
さく「そう言って…。」
もも「クリームも何もついてないでしょ!?」
発車20分前、河口湖駅の改札が開く。ホリデー快速の自由席は乗車券だけで乗車できる。この手の列車では基本的に、入口に近いところから人が埋まることが多い。
さく「後ろだよ後ろ。」
厳密にいうと、5号車は富士山駅まで前方にあたる車両。
座席は『妙高』のモケット違いであり、ちゃんとしたリクライニングシートとなっている。
なぎ「空きまくり…、だな。」
隣に『富士登山電車』が入ると、程なく出発となる。『富士登山電車』のベースとなった車両は元京王の車両。再改造に当たっては元JR205系に先駆けて、水戸岡鋭治氏がデザインを手掛けている。乗車には1人200円の着席券が必要となり、特急券とは別物である。
もも「また来ればいいじゃない。」
めぐ「そうなんだけど…。」
19.河口湖16:00発→新宿17:59着 ホリデー快速富士山2号/新宿行き モハ188-41
結局、5号車に空席が多いまま発車。次の富士急ハイランドでは並ばず乗れるとあってか、そこそこ乗車。富士山駅ではホーム有効長とスイッチバック形状の関係から、4号車と5号車へ乗ることになる。河口湖駅から乗る客が集中した1号車から3号車はドアが開かないので、ある程度分離を図った形になる。
富士山駅ではやはり4号車と5号車へ多くの客が乗車し、ライブ帰りの客も相当いると思われる。その結果、5号車は10席ほどの空席を残すのみとなった。見えたのは169系らしき車両と共に、屋根上にあったであろうクーラーだけがなぜか重ねられている姿。
めぐ「こんな風に置くなんてね…?」
通過する下吉田の、歩行者用信号とアナログな警報音も最後。ホリデー快速はアニメで出てきた三つ峠に停車。後ろの3両はホームにかからないため、ドアが開かない。
三つ峠にもパネルがある。実はホリデー快速もアニメに出てきており、登場したのは、武蔵野線を経由して小山まで行く"4号"。惜しいことに"4号"は運行を取りやめてしまった。
往路で特急が停車した都留文科大学前、かつて特急が停車した都留市と停車。これで座席は埋まったようだ。
なぎ「…寝ようか?」
めぐ「…そのつもりだったんだけど。」
大月へは渡り線を通ってJRのホームに入る。フリー乗車はここまで。生憎模様で富士山の姿を拝むことのできなかった旅行班は、遠方から来たが故に日を改められないという弱みを抱えていた。しかし同時に山中湖でのライブイベントに興味を持たず、無計画故に自由な立場でいられるという強みもあった。
大月からは『ビューやまなし』と同じく四方津,上野原,相模湖,高尾に停車。もう何度も通っている区間。寝てしまっていても特に問題はないはず…。
西八王子を通過し、『むさしの号』を横目に八王子に停車。"2号"はこのまま中央本線で新宿へ向かう。ここからは郊外の住宅地といった風景に様変わり。快速電車の本数が多くなる中でも快調な走りを見せてくれる。
『ビューやまなし』と同じく、次に停車したのは立川。気づけばデッキはおろか、通路まで立ち客がいる状態。それもそのはず、料金不要のホリデー快速は本数の多い快速電車をぬかしまくるのだ。
三鷹に停車し、あとは新宿までもう一息。ここからさらに各駅停車も並走する。
もも「…あれ?」
さく「…よく寝てたね。」
休日に一般の快速が通過する3駅は、ホームに明かりが灯ってなく暗い。それにしてもここまで詰まることもなく、快調な走りを見せてくれた。中野を通過すると、あと2駅は緩行線の駅。新宿のビル群も見えている。
河口湖駅から119分で新宿に到着。乗車した編成はこの年11月末、『グレードアップあずさ色』に塗り替えられた。その後はE257系500番台への車両変更を経て、現在はE353系『富士回遊』として定期特急となっている。、当該色のホリデー快速は運行されたのだろうか?
さく「お疲れ…。」
もも「…お疲れだけど。」
2日間、概ね30時間にわたって続いた富士山フリーの旅。正直なところ"初日"深夜、ネットカフェのある八王子まで戻らなくてよかったと思う。富士山の旅が終わり、標高の表記を記載するのも今回まで。翌日に房総半島を回った話は、またいずれ…。
(世界遺産・富士山と周遊キャンプ おわり)
リタ「で、富士山のフリー切符だっけ。普通のバスは乗れないって言ったんだけど、あれから乗れるようなものになったっぽいよ。今…、売ってない?ああ、売ってないの…。」
…また次回!