(Weblio 日本語表現辞典より)

 珍道中とはめずらしい旅。旅の途中で珍奇な出来事にまま遭遇するような旅のこと。
「旅にハプニングはつきものとは、よく言われる話。今回はハプニングというよりは、…何でしょうか?」

2014年8月30日(土)午後8時51分 山梨県富士吉田市・下吉田駅(標高753m)
9.寿20:47発→河口湖21:05着 直通列車2815M/河口湖行き モハE233-614
 下吉田の構内踏切からは鐘の音だけでなく、もう1つ違和感あるものがある。
めぐ「…普通の踏切のじゃなかったよね。」

 同じく、富士山駅で進行方向が変わる。世界遺産登録を機に、富士吉田から改称された富士山駅。最寄駅の扱いながら、英語表記が"Mt.Fuji"なのはどうだろうか?


 18分の乗車で河口湖駅に到着。近郊型との境目もほとんどなくなり、オールロングシートでトイレがないながらも快適なE233系。東京から中央特快で乗り入れてくるには悪くない車両だと考えていいのかもしれない。ついでに、平日は通勤快速だとか。
なぎ「それで朝東京に戻っていくと…。」

 河口湖駅は売店も閉まっており、すっかり静まり返っていた。
さく「…何かない?」


10.河口湖21:19発→田野倉22:11着 普通※上大月通過/大月行き クモハ6501
 …何もないので電車で寝るしかない。始発駅で停車駅が全て流れるということが、上大月を通過するこの普通で意味を見出している。

 実はこの日、山中湖でライブイベントが行われていた。そのためかバスの着く富士山駅から多くの客が乗車。大月行きの混雑はこれが要因だろう。
もも「壁際で寝てりゃいいんだもの…。」

 正直、従来型で座りも劣る205系。寝ておきたいとはいうものの、壁際で寝るというのは大体30分ぐらいがいつものこと。それでも壁際には機械類による突起があるので、肘の置き場には困らない。目覚めると外は雨…?

 田野倉で降りよう。雨は降っていなかった。
めぐ「…時間間違ったかも。」
もも「…こんなところで?」


 1時間早ければ、もう1本あるJRとの直通列車に乗ることができたはず。どうりで反対列車が来ないわけである。ということで、有人駅でありながらこれまた何もない田野倉で何をするわけでもなく列車を待つ…。


11.田野倉22:39発→大月22:45着 普通※東桂まで臨時/大月行き モハ6103
 結局、後続の列車で大月へ。ライブイベント向けに東桂始発だった普通を、臨時で河口湖始発の速達列車に仕立て上げられたはず。中央本線の最終列車と接続を図りながら乗客が少ないというのはこれいかに?

12.大月23:10発→富士山23:56着 普通/河口湖行き モハ6103
 富士山、そして河口湖へ向かう列車の最終になってしまった。折り返しは乗ってきた列車がそのまま用いられる。要するに、車内で寝る時間は増えることに…。


 ここまで無駄に多く乗っているこの車両。実は改造の際、昨年の『九州リベンジ』でも多く乗車した車両と同じく水戸岡鋭治氏がデザインを手掛けている。床面にも木材が使われ、感覚としては体育館のそれを思わせる。貫通路の暖簾も特徴の一つ。木製の吊り輪は手触りがいい。

 大月から46分で富士山駅に到着。この日はここで打ち止め…。

 富士山駅に隣接する居酒屋にして、金曜と土曜は朝5時まで営業しているが…?
めぐ「…あれ、人いっぱい。」
もも「…何したってのよ?」


 深夜営業を行う居酒屋『魚民』富士山駅前店。そのためか山中湖で行われたライブから帰れなかった客で混み合い、この日は2時間の入れ替え制になっている。その結果、深夜滞在の手段が絶たれることとなってしまった。
さく「…まあまず食べて考えましょ。」
めぐ「夜食テロコースで…。」
なぎ「勝手に決めるな。」

 座席は掘りごたつ。注文は1回目だけ店員に頼み、2回目からはタッチパネル式の端末を用いることになる。
もも「…どうすんのよ?」
めぐ「どうしようね…?」
なぎ「…この辺とか、夜何もないだろ?」
さく「だから考えるんじゃん。」
もも「…まあいいけど。こうなった以上お酒はダメね。」
さく「はいはい。」
なぎ「…大事なことだからもう1回言ったんだ。」


(現)お通し(魚民) 281円
(現)黒烏龍茶(魚民) 322円
 よく見かける、"トクホの黒烏龍茶"かどうかは不明。スッキリした程よい苦味が魅力。お通しはカットできないなら食べる他ない。
めぐ「せっかくだし、ちょっと飲んでみようかなって…。」


(現)ポテトフライ(魚民) 322円
 この頃は『ポテトグランプリ』というものを勝手に執り行っており、フライドポテトを注文してはそれぞれ評価していた。さすがに揚げたてなので食感も上々。全体的に皮付きタイプは苦戦傾向にある中、ここでは善戦している方。
もも「…『ポテトグランプリ』?」
めぐ「そうなんだけど。多分ここのメインはこっちじゃないと思うよ。」


(現)スパイシーポテト(魚民) 376円
 こちらはカットからして、中太タイプとなっており別物だ。ポテトそのものが既に味付け状態にある。食べて見ると、両者には大きく差が生じていた。衣の付いているような、唐揚げみたいなものといったところか。
もも「でもなんでポテトだけ2つもあるのよ?」
めぐ「…まあ2つあって選べるなら選びたいじゃん?」
もも「それもだけど、…2つあるからって2つとも頼まなくたってね?しかも1人で…。」
めぐ「食べたかったら食べていいよ。」
なぎ「いいのか?もらうぞ?」


 夜食テロの合間に企画会議を進めておこう。
なぎ「…歩くか。」
めぐ「…歩くのはいいけど。」
もも「河口湖の駅までならね…。」
さく「…じゃあ河口湖の駅まで歩きましょうよ。」

(つづく)