2014年8月30日(土)午後6時14分 山梨県南都留郡富士河口湖町・河口湖駅

6.河口湖18:27発→葭池温泉前18:42着 普通/大月行き モハ6601
 乗る普通列車に用いられるのは、元JRの205系。この時期でもそれほど暑くないのだから、冬は相当寒いはず。そのため半自動ドアボタンが装備されており、自分でドアを開けて車内へ。
めぐ「…温泉前?」
もも「…何が?」

 新たに設けられた車内のLED案内装置はJRのそれとほとんど同じものであり、始発駅では普通列車ながらすべての停車駅が流れる。途中に『葭池温泉前』があり、もちろん特急は停車しない。
もも「調べたら?せっかくスマートなのあるんでしょ?」

 手持ちの携帯を"スマートなブツ"に替えたかいがあった。調べると、駅からさほど離れていないところに『葭之池温泉』があるとのこと。
めぐ「…そこにしようかな。」
もも「…三つ峠じゃなくっていいの?」
めぐ「アレだけど、駅からちょっと歩くのよ。もう暗くなっちゃったら…。」

 自動放送もJRと同じ。途中駅ではドアが自動で開く。特徴もない景色とともに、富士山駅に着き"コンプリート達成"。向きを変えてさらに下る。すっかり日が暮れ、往路でも見た景色は味わえない。下吉田で違和感を感じつつ、15分で葭池温泉前に到着。標高は739mとのこと。


 ホーム1本だけの無人駅だった。辺りは住宅がそこそこ見られる程度でしかない。
さく「…歩くんじゃん。」
めぐ「…ちょっと歩くよ。」


 灯りも少ないところを歩く。幸いにも『葭之池温泉』への案内はあるので迷わないはず…。
もも「本当、こんなところにあるの?」
めぐ「…わかんない。」
もも「いや、わかんないんならそれこそ下調べとか…」
めぐ「ほとんど見落としてたようなもんだし。」


 舗装もないような山の道に入ってしまった。灯りとともに駐車場があるのだが、足元には気を付けたい…。
めぐ「あ…、っと。」
なぎ「大丈夫か?」
めぐ「大丈夫大丈夫…。」
もも「…大体ね、下調べとか有名どころばっかりじゃないのよ。」


 進んで行くと、明かりが灯る家に着く。
めぐ「ここかな…?」

 看板にあるようにここが『葭之池温泉』だ。
めぐ「…入っていいみたいよ。」


(現)葭之池温泉 1人600円
 1回につき2時間までの利用となる。
さく「…あれ?」
めぐ「ちょっとトイレいい?」

 トイレを済ませ、改めて浴室へ。脱衣所と浴室との間に仕切り扉がない。
もも「本当、大丈夫なの?」

 洗い場も2人分しかなく、シャワーもない。備え付けられているのは固形石鹸ぐらい。
もも「…アンタもシャンプーぐらい持ってきてもいいんじゃない?」
めぐ「…もう遅いの。」
もも「…貸してあげるわよ。」

 浴槽は決して大きいとまではいえないのが1つ。露天風呂など夢のまた夢。それでも楽な姿勢をとれ、ここまでの疲れを癒すのには十分である…。



(現)コーヒー牛乳 130円
 休憩スペースは昔ながらの家みたいな感じ。やはり風呂上がりの定番は瓶入りだろう。
さく「いい湯だった~。」
もも「でも本当、風呂入ってさ…。あとは時間まで適当にしてりゃいいんだもの。」
なぎ「別にそれでいいだろうよ。」
もも「緊張感がいるときといらない時の…、あれ?」

 ではここからどうするか…?
もも「居酒屋なんて…。」
めぐ「夜長居できそうなのってここしかなくって。」
もも「…この前の二の舞じゃなくって?」
めぐ「…わかんないけど。」

 そしてもうひとつ。
めぐ「せっかくだし、JRから来るのにもどうかなって…。」
もも「…乗りたけりゃ乗りたいでいいじゃない。」
なぎ「…投げやりになってないか?」


 ありがとうございました。
さく「もうすっかり真っ暗だもん。」

 ではここからは、JRからの直通列車を軸としつつ時間までひたすら乗っておこう。
めぐ「…ごめん。」
もも「…何よ?」
めぐ「…普通の水買ったつもりが炭酸だった。」


7.葭池温泉前20:31発→下吉田20:32着 普通/河口湖行き モハ6601
 とりあえず、先ほどと同じく元205系に乗る。
めぐ「…あれ、逆?」

 JRから乗り入れるのはこの次の列車だった。


8.下吉田20:32発→寿20:36着 普通/大月行き モハ6101
 幸か不幸か次の駅で折り返しができるので、"感じた違和感"とともに反対方向の列車へ。車内は混雑しており、座れない。


 2駅戻って降りる。ここもホーム1本と待合所しかない無人駅で、辺りは何もない。
もも「…時間ばっかり余るんだもの。」
めぐ「…それでさっきだけど。鐘っぽかったよね。」
さく「鐘って…、踏切にあるの?」
めぐ「そういう音したのよさっき。今ほとんどなくなっちゃった鐘の。」
もも「…まああんまり聞いたことない音だったけど、それで終わり?」


9.寿20:47発→河口湖21:05着 直通列車2815M/河口湖行き モハE233-614
 すっかり乗りなれたE233系で、ほとんど誰も乗っていない。座った感じが改めて弾力のあるものだと気づかされる。自動放送はもちろんJRのもの。ドア上の案内装置も液晶画面であり、しっかりと対応している。
めぐ「やっぱりこっちのが好きかも。」
もも「まあそうかな…。」

 そしてここにきてまた少女漫画の中吊り。JRから乗り入れているのだから仕方ないものだとはいえ…?
もも「BSでもやってんだからいいんじゃない?」
さく「いや、そうじゃなくって。こんなところにルミネはないってこと。」

 他、JRから乗り入れてくる定期列車は高尾発着の115系があった。2021年現在は211系が用いられている。

(つづく)