リタだよ!
リタ「今日はなんかまた昔の話みたい。富士山は上って…、ないのかな?」
今回の鉄旅リターンズプラスは2014年、当時券売機で前日までに購入可能だった『世界遺産・富士山フリー乗車券』のお話。元々は8月に"東京夏の陣2014"として、前編3日間と後編4日間。さらに後編も概ね3部構成となり、その"第2部"となる。
第1部は横浜散策と野球観戦、東京タワーからの景色を目的とした。第3部は房総半島を回ってからアクアライン(路線バス利用)で横浜へ渡り、江ノ島電鉄に乗車して帰還している。後編の全行程4日中、青春18きっぷは初日と最終日のみ使用。
今回は標高も表記することとして…、富士山の山梨側を見ていこうか。
2014年8月30日(土)午後11時55分 東京都新宿区・新宿駅(標高37m)
(前)世界遺産・富士山フリー乗車券:東京都区内発着(JR東日本) 4630円※当日の販売なし
前日までに購入しなければならなかった『世界遺産・富士山フリー乗車券』。特急への乗車に制限は設けられていないため、特急券を別に購入すれば問題ない。
もも「別に乗りたいんなら乗ればいいじゃないのよ。」
結局は、資金の節約を理由にパス。いつもらしく快速電車で高尾まで向かい、乗り継ぐことに…。
もも「でも先に行くんならね…。」
さく「押してるんだし急がなきゃ。」
なぎ「…ノープランじゃなかったのか?」
めぐ「まだこれから考えるとこ。」
1.新宿12:05発→高尾12:50着 中央特快1175T/高尾行き モハE233-229
高尾へ先に着く中央特快を選択。
さく「壁際ってことは寝るんだね?」
思えば、E233系が最初に入ったのが中央線快速電車。大月まで平気で乗り入れるのもあるだけに、より近郊タイプ化したE233系が投入されたのは大変喜ばしいことであった。あくまで通勤タイプとしてトイレこそないが、座りもE231系と比べて改善されている。
寝つつも考えてみよう。山岳用の近郊タイプがあったらどんなのだろうか?6両と4両で、グリーン車は不要。片側4ドアになるので、全車両ボックスシートでも東京乗り入れにそこまでの問題は出ないのかもしれない。ダイヤ乱れの場合は複雑になるものの、0番台と連結可能であれば何より多彩な運用が見られてしまう。…あれ?(※グリーン車計画が公表されたのは2015年。)
なぎ「まだ食べなくていいか?」
めぐ「…もうちょっと大丈夫そう。」
八王子を過ぎるとさすがに空いてきた。外は晴れている。中吊りを見るとまた、少女漫画とコラボした駅ビルの広告が目に入る。
高尾での乗り継ぎ時間は13分。
めぐ「…意外と待ってる。」
なぎ「じゃあ、昼はまだだな。」
高尾からはこれまで115系の独壇場であった。中でもここから甲府までは、松本から長野に移った6両編成が幅を利かせていたもの。そこに211系への置き換えとなり、これまた6両編成が幅を利かせることに。元東海道線の編成を改造した6両編成は、幸い今のところボックスシートがメイン。
さく「せっかくだもんね。」
もも「…乗りたいの乗れるんならそれでいいんでしょ。」
2.高尾13:03発→大月13:45着 普通543M/甲府行き モハ114-335
予想が外れ、豊田の115系が来た。山スカと呼ばれるこのタイプは、中央東線の中では比較的数が少ない。座席がリニューアルされた編成も多く、この編成もそう。
もも「…どうなの?」
めぐ「…どっちでもあるのよ。」
高尾を出ると景色は一変し、山めいた風景が広がる。相模湖までの1駅が長い。
もも「こういうとこでオールロングなんかダメよ。ボックス入れなきゃ。」
なぎ「まあ、今日ないけど弁当とか食べにくいしな。」
相模湖で空いた。
めぐ「あれ…?」
ともあれ、今日は出発が遅かった。今回はほぼ無計画であり、ここからの予定をここで考える必要がある。
めぐ「…賭けに出ようかな?」
もも「何賭けんのよ?まだ食べてない昼?温泉?」
めぐ「時刻表あるけど、そこ。トーマスランド号ってあるじゃん。」
トーマスランド号は、富士急行オリジナルの車両である5000型に装飾を施したもの。ボックスシートのこの車両、2両編成が1本しかない。普通列車として運行される。
めぐ「せっかくなら色々なの乗りたいじゃん。」
もも「そりゃそうかもしれないけどさ…。そんなのは昨日だっていつでも…、あったじゃん。」
なぎ「だって、…いなかったし。」
看板列車ともいえるフジサン特急は2種類。元小田急の20000型を改造した8000系と、元JRの165系『パノラマエクスプレスアルプス』を改造した2000型が1本(もう1本は引退)ずつ。他に富士登山電車もある。
もも「…アンタが大阪行かなきゃよかったのよ。」
なぎ「別に1回ぐらいは好きでいいってなってんだって。」
もも「だからって誰にも相談なしで行くことなんじゃない?」
なぎ「前持ちかけたろ?それでボツなったってこと。」
普通列車は京王から譲り受けた車両が多数を占め、富士登山電車もそれを改造したもの。そんな中、JRの205系を4本新たに導入したそうな…。
さく「はいはい終わったことは置いといて。」
もも「置いといてじゃないわよ。大体よ?大阪行かないって…」
めぐ「富士山行きたくなったからブログの…、まとまんなくなっちゃうのよ。」
もも「…じゃあアンタだけ大阪行かないで、1人で品川来てもらって。」
めぐ「…それはそれでいいけど、そうなっちゃったら大阪のどうするの?」
もも「…ま、まあ終わったことなんだしいいわよ。」
なぎ「で…、何だ?」
もも「そうだった。ルートよルート、今日の。」
即席で立てた計画は、大月14:06発のトーマスランド号で富士山駅。15:05頃に着いてから昼食を経て、15:50発の富士登山バスで一気に五合目まで駆け上がるというもの。
めぐ「晴れてるうちに行けるとこまで行こうかなって。」
もも「…まあいいんじゃない?」
なぎ「…いいのか?」
さく「ダメだったらダメだったで後で考え直せばいいんだし。」
乗りなれた車両が唸らす国鉄型モーターの音に落ち着かせつつ、新宿から100分で大月に到着。中央東線における115系の運用は、豊田の"山スカ"が2015年初頭。長野の車両も2015年秋までに全て終了。後継となる211系は、一部を除いてオールロングシートのまま運用される。
そして、気づいてしまった…。
さく「…あれ!?」
(つづく)