2017年1月10日(火)午前7時22分 仙台市宮城野区・仙台駅東口バスターミナル
朝食後。バスターミナルから先に出るのは、会津若松を経て新潟へ向かうJRバス東北。
もも「…バス好きだもん。」
さく「…他することある?」
他にすることはないので待合室に入ろう。壁にある発車案内は、どう見ても鉄道のそれと同じ3色LED式。乗り場番号のスペースが広く取られており、ややバランス感に欠けるのが惜しい。
さく「でも本当、よくできてるよコレ。」
めぐ「なんかこれもバスだけじゃないみたい。」
(前)仙台・新宿2号(JRバス東北) 3000円※早売3
これから乗るのはJRバス東北の4列シート車両。他の便は3列シート車両であるため、ハズレとみなされるのも無理はない。それでも選んだ理由、それは…?
なぎ「景色だろ。」
めぐ「…景色って言うか、ルートとか。」
もも「…いいから花に水やりなさいよ。」
来た車両を見ると、昨年乗った新幹線E5系と同じ色を纏っている。そして、昨年(※当時)入った"新車"らしい。
32.仙台駅東口7:45発→バスタ新宿(13:38)着 高速仙台・新宿2号/バスタ新宿行き H657-16408
ワイドシートの形状ではないものの、ヘッドレストが備わった新しいタイプ。この座席はこれまで乗らなかったので、当たりといえば当たりかもしれない。全体的に茶色が目立つ配色が落ち着きを与え、コンセントも1席ずつ利用可能。
なぎ「…結構いいかもな、これ。」
さく「実際さ、左側のほうが間隔とか広いらしいよ。」
なぎ「ああ、そうかい?」
他に9人が乗車し、仙台駅を発車する。
さく「…やっぱりハズレじゃん。」
めぐ「…まだわかんないよ?」
朝8時前の仙台市中心市街地、混雑する中を進んでいく"E5系カラー"。途中休憩場所は国見SAと那須高原SA、羽生PAの3箇所と判明した。これは所要時間共々、ほぼ同じ距離の『新東名スーパーライナー』より多い。
流れが悪いまま広瀬橋を渡るバス。逆光ながら、JRの高架橋が隣り合うように通っているとわかる。キロポスト表示があったのは、かつての国道4号だからだろうか?
もも「そういうのばっかりだもん…、調べれば早いのに。」
そのまま長町の駅前広場へ入っていく。ここからも乗車可能ではあったが、誰も乗らず後にする。これで乗車人数が確定した。
仙台市中心部から少し離れた、太白区長町。大規模な高層マンションが構え、現在も建設が続けられている。
めぐ「…地下鉄とJRどっちがいいかな?」
もも「さあ、アンタの好きでいいんじゃない?」
片側3車線の国道286号へ進むJRバス東北。すっかり郊外らしい雰囲気になってきた。
めぐ「これは普通ぐらいのセルフなのかな…?」
もも「アンタの言う普通がどれだけかわかんないけど。」
仙台駅を出て40分。仙台南インターまで2kmとなり、水田風景とロードサイド店舗が入り混じってきた。市街地で流れが悪かったため、時間がかかっている。
なぎ「そろそろか…。」
さく「…なんで落ち着かないのさ?」
なぎ「いや、…何するか気になるし。」
32-1.仙台駅東口7:45発→国見SA休憩 高速仙台・新宿2号/バスタ新宿行き H657-16408
午前8時29分、仙台南から高速道路走行を開始。周辺を見ると、すっかり山めいた道になってきている。
この東北自動車道、白石まではカーブが多いため最高速度80km/hとなっている。川口まではここから320km以上離れているが、これでも全長の半分を切っている。それはそうと、今日は風が強い。
めぐ「遅いし怖いし揺れるし…。」
もも「そりゃ、高いもん。うちにもいるわよ。」
なぎ「…だーれーだー?」
めぐ「いや…、別に。」
菅生はガソリンスタンドがあるなど、パーキングエリアとして規模も大きく充実している。距離間隔としてもサービスエリアがなく、パーキングエリア扱いなのが不思議である。
なぎ「…やっぱり高いとこだし、揺れるよな。」
めぐ「まあ何て言うかな…?原付でも風あったらちょっと危なかったし。」
村田ジャンクションにて山形自動車道が分岐。高速道路にも"路線番号"が導入されることとなり、実は山形自動車道の"E48"が仙台南部道路と同じである(要は続いている)。ついでに山形から先、高速道路として分断された箇所もある。
福島まで55km、正面から右に望む雪山が美しい。
さく「…それで?」
なぎ「…景色ぐらい黙って見させろ。」
蔵王は川口まで最後であろう、無人パーキングと考えられる。通常はここから最高速度100km/hとなるが、風が強いので引き続き80km/hに規制される。
もも「揺れるわね…。」
めぐ「揺れるよ、ウラカンじゃないんだし。」
川口まで300km。日差しは強いながらも強風でペースが上がらず、白石で郡山行きペースカーに抜かされる新宿行き。
さく「…逆光なっちゃってる。」
北緯38度、白石とアテネは同じ緯度とある。ペースカーはさらにJRバス東北を引き離す。
もも「これじゃよくわかんないわよ、また逆光だし。変なラジオじゃないけどさ?」
めぐ「別にラジオもないし、音楽あるけど。」
午前9時。最初の休憩箇所となる国見サービスエリアまで2kmとなった。
なぎ「…寝るまでもなかったな。」
さく「…景色がっつり見ちゃった。」
(つづく)