2017年1月9日(月)午後2時43分 宮城県気仙沼市

23.柳津13:40発→気仙沼15:36着 普通BRT43/気仙沼行き Y537-13508
 引き続き、片側1車線対面通行の国道45号。そのまま気仙沼市に入ったところで海を見ると、どうも荒れている様子。
さく「荒れてるね…。」
もも「あんなとこ突き落とされたらたまったもんじゃないわよ。」


 陸前小泉で1人乗る。高架構造の道路が工事中らしく、これが三陸自動車道であれば…?
なぎ「だから、まとまるまでは言うな。」
めぐ「…ちょっとね、このバスなる前に快速通ってたじゃん。」
なぎ「快速がどうかしたか?」


 鉄道として運行していた気仙沼線も、津波被害が大きかった区間で残るのは高架橋の構造だけ。震災前は仙台から気仙沼を結ぶ快速『南三陸』が運行されていた。
めぐ「…これ直行のバスにつなげたら面白そう。」
なぎ「バスつなげてどうすんだ?」
めぐ「途中まで高速使って、そこから気仙沼線みたいな?」


 国道45号を外れるバス。本吉駅に向かう途中、小さなセルフ式スタンドを発見。
めぐ「…どれぐらいがいいんだろうね?」
なぎ「…知らない。」


 本吉からは盛岡支社の範囲らしく、ここで運転手が交代する。発車するとそのまま専用区間となる。駅舎は待合室としてそのまま残っている。
もも「まーた嬉しそうなっちゃって。」
めぐ「そうかな?」


 タイミング悪く、撮影を試みるも壁に遮られる。
さく「…ちょっとぐらい右側いいんじゃない?」


 狭い道との交差箇所には標識類しかなく、警報機のない第4種踏切と同様になる。そのままトンネルへ入っていくBRT。これでまた1つ、疑問が解決した。


 またも長く続かなかった専用区間。"アプローチ"を隔てて、やはり国道45号を進んでいく。どうも傾向として、海に近く低いところは使われないようだ。小金沢で1人乗る。
もも「アンタもテンションの上げ下げ抑えなさいよいい加減。」
めぐ「…そうかな?」


 大谷海岸はかつて道の駅と鉄道駅が同居しており、海水浴場にも近い駅とされた。そんな建物は大地震と津波で被害を受け、線路共々使用不可能に。鉄道"駅"は国道のバス停となり、道の駅は建て替えられた。今日は乗り降りがなく、そのまま通過する。
さく「これも有名だよね。」
なぎ「テレビとかか?」


 また専用区間へ進み、陸前階上で1人乗車。ここはそのまま残ったホームと跨線橋が名物となってるとか、なっていないとか。現状、立ち入りはできない"震災遺構"。
もも「ほら、アンタの好きなとこでしょ。」
めぐ「そうなんだけどさ…。」


 第4種踏切相当であろう、"在所道"との信号のない交差箇所。手前に待避所も控えている。


 道路規模に応じてか、信号機のある交差箇所も現れる。遮断機があるので第1種踏切に相当するのだろうが、専用区間に設けられるという逆の構造となっているのが面白い。
さく「アメリカだったっけ?」
なぎ「何が?野球の話なんかしてないけどな。」
さく「じゃなくって、線路のほうにも柵とかあって。来るときに開けたりとか。」


 最知では5人が乗ってきた。待避所では単線と同じようにすれ違うため、信号が欲しいものだ。


 この専用区間は結構長く続いた。そしてその向こうも工事が進められており、さらに"長続き"することは間違いなさそう。鉄道としての復旧を断念した気仙沼線、将来はどのような姿を見せてくれるだろうか?
もも「…完全に2回目乗る気なっちゃってんだもん。」
めぐ「いつかはね…。」


 松岩で1人降り、片側1車線の一般道路(国道45号からは外れていた)を少し走ったところで一気に視界が開けてきた。周囲を見渡すと市街地のような雰囲気になり、気仙沼市の中心部らしいことが伺える。さらには前が詰まってきた。
なぎ「もうそろそろ近いな…、コレ。」


 南気仙沼では5人降りて3人乗る。BRTとして運行されるにあたり『市立病院入口』と副駅名が付けられており、病院の最寄りと一応なっている。『市立病院入口』というのは、同じ位置にある他路線のバス停だろうか。
さく「いや、書いてあることそのまま言われてもね?」
もも「それこそ後で調べればって文句入れときゃ済む話でしょうに。」


 不動の沢で2人降り、次は気仙沼。ここからは最後の専用区間となる。
さく「最後の最後で見せ場あったじゃん。」
めぐ「えー、そうかな?」
もも「もう、わざとらしい風に言わない。」


 第1種踏切に相当するとした信号交差点も、警報機はないのが鉄道でなくなったことを示すのか。さらには電気車両とすれ違う。直後に交差点で車が入り込み、危うく事故となりかける。
なぎ「危な…!」
もも「…やめてよね?」
めぐ「まあ…。」
もも「アンタもよ、原付乗って止まれってあったら止まるの。」


 やがて一ノ関からの線路と並走し、気仙沼に到着。柳津から2時間弱かかっており、路線バス車両の座席では少々頼りないものかと…。
さく「はい、バカ言わないでさ。」


 頭端式ホームを持つ鉄道と、相対式ホームらしい形状のバスが隣合っている気仙沼駅。改札内でそれらが一体化しており、ホーム番号も通しで付けられる。一ノ関から盛を結ぶ大船渡線の途中駅ながら、実質的には終着駅として機能。


 段差がなくなるよう、バス用の"線路"は道床が上げられている。バス専用道路を横断して改札口に向かう様は、まさしく構内踏切。左右を確認してから渡ろう。
さく「アレって次乗るヤツ?」
めぐ「とりあえずそうっぽいよ。」

(つづく)