お待たせしました。
ひな「今回からいよいよあの場所を訪れます。最初に"冷やかしにしかならない"と言ってたらしいのですけど、果たしてどうだったのでしょうか?」
むつ「…それだけ?」
唐突ながら本編へ…。
2012年3月16日(金)午前4時35分 仙台市青葉区中央
盛岡市内で利用した『快活CLUB』は会員制で、8時間1000円のほか初回のに手数料が350円かかった。対して『アルファ仙台』は5時間1100円で、会員になる必要はない。単純比較は出来ないとして、ハードルは『アルファ仙台』のほうが低い。
ももか「で…、今日ちょっと欲張りすぎじゃない?」
めぐみ「そうかな?」
ももか「そうでしょうよ。今から石巻で、仙台戻って。それで今日中に東京なんて…。」
ついでにここで読んだのは『君に届け』と『Another』のそれぞれ1巻。ここからの予定がどうなるかは後々…。
さくら「まあ、まず冷やかしにでも。」
ももか「そうね、アンタたちじゃ特に期待もできないですし…。」
スタート前の時刻は朝5時前。改札はまだ開かない。時間をどう潰すか。
めぐみ「あ…」
なぎさ「どうした?」
路線図を見ると、常磐線、気仙沼線、大船渡線のそれぞれ一部が"いない者"扱いされている。常磐線はともかく、後者2路線は代行バスがJRでないためだろう。
ももか「JRもアレよね…?見限るの早いんじゃない?」
改札が開いたところで改めて、5日目スタート!
42.あおば通5:02発→松島海岸5:41着 普通521S/高城町行き モハ205-3112
…しかし列車は直前まで来なかった。期待もなく青帯のオールロング。例によって端のポジションを確保し、景色も見えないうちに寝ておこう。
さくら「またいつものとこで?」
めぐみ「そうね…。」
地上に上がるまでは例によって景色が見えない。地上に顔を出してからも、外の景色がはっきり見えるとまではいえない。
さくら「おはようございます。」
ももか「あれ…?」
さくら「まだだけど。」
めぐみ「寝れた?」
なぎさ「私は大丈夫。」
松島海岸までは海沿いを走る。少し明るくなった車窓からはあまり被害が無かった印象を感じた。ただあくまで、乗車実績のある松島海岸まで…。
39分で到着。ホームに降り立った時点で、空気が澄んだ美しい朝の光景が広がる。
ももか「…ここからで十分だとか思ってない?」
めぐみ「思ってないよ。」
さくら「いい景色じゃん。」
なぎさ「…私も好きだなこういうの。」
5年半ぶりの、日本三景の一つ松島。朝6時前に観光客なんかいない。
ももか「しかしまあよく懲りずに、夜も明けない朝っぱらから観光だなんて…。ああ、言わなくていいから。今日中に東京でしょ?」
めぐみ「それで…。」
ももか「何、まだ言い訳?」
めぐみ「昔の…、前行ったときの写真なくなっちゃって…。」
なぎさ「撮り直すんだな…?」
他にほとんど誰もいない早朝6時前に5年半前の焼き直し。ここは津波の被害も少ないようで何よりだ。この看板は、今後の教訓の意味もあるのだろうか?
ももか「…わかった?」
なぎさ「避難しろって?」
誰もいないので落ち着いて"観光"できる。そういえば3年前の宮島も春先の冷えた、澄み切った朝の空気と共に見て回っていた。
さくら「…不満?」
ももか「不満なんかないって。」
なぎさ「本当か?」
さくら「不満だったとしても気のせいじゃない?朝ばっかりじゃないよ?」
めぐみ「あ、そうだっけ?」
なぎさ「本人が忘れるなよ。」
こうして、東北の夜明けを告げるかのような日の出とともに、5日目が始まる…。
ももか「…何してんのよ?」
めぐみ「ちょっと、さっきね…。」
通りすがりの方から、太陽を入れるとうまく写らないとの指摘があったので。(間違っていましたらごめんなさい。)
ローアングルからもう1枚。
早朝の静かな松島海岸。海風が心地よい。
ももか「だからって何も無理に太陽外さなくたっていいのに…。」
さくら「シルエットみたいで悪くなかったよ。」
めぐみ「そう?」
逆光を利用して、シルエットのように映し出す。
なぎさ「で…、何だ、朝から観光の話じゃなかったのか。」
ももか「ああ、そうだったね。朝ばっかりじゃないってことね。」
さくら「前来たときは朝出てちょうど午前中だったけど…、他にどう?」
ももか「どうって…、観光自体あんましないじゃないのよ。」
この時間、さすがに案内所もまだ開いていない。
めぐみ「さっき通ったの見たけど、これからバス乗るじゃん。」
ももか「乗るけどそれで?また?」
めぐみ「…観光バスなの。」
2本目のバスは7時出発なので、もう少し周辺を見てみよう。
『松島城』なる建物があるようだ。入場料1人300円以前に、この時間ではまだ開いていない。
ももか「そりゃ…、ね?こんな時間だもの。開いてるわけないじゃないの。」
なぎさ「それならだけど…、階段上がるだけぐらいな…」
ももか「それよりこの300円ってお城入るためのよね?」
なぎさ「城はいいんだって。」
さくら「本当にいいの?」
段々と明るくなってきた。海岸を散策する観光客はまだ誰もいない。
五大堂の方へ…。
ももか「入ってよかったの?」
めぐみ「どうかな…?」
橋の名前からわかるように、真下が見えるようだ。
さくら「何、怖い?」
なぎさ「こ…、怖くなんか…」
では駅に戻ろう。通るのは車ばかり。
ももか「人っこ一人いないでしょ?」
さくら「好きに見れていいじゃん。」
ももか「店も開いてないのに…」
(つづく)