2012年3月15日(木)午前11時31分 青森県青森市・青森駅東口
青森の魅力はまだあるのだが…。
ももか「時間ないならいいけどさ、今度いつになるかわかんなくてもいいよ別に。でも今度はしっかり時間とって、下調べもしてからお願いね。」
なぎさ「いや…、今回私も知らないって。」
最後にもう一度、青森ベイブリッジと『ねぶたの家 ワ・ラッセ』を押さえておこう。
32.青森11:59発→大館13:34着 普通654M/大館行き クモハ701-11
昼の出発となる今日の1本目は、昨日から7連続となるピンクの701系。考えればこの列車は秋田から来たもので、昨日秋田まで乗ったのも奥羽本線院内始発。さらには羽越線もこの列車だというからいかに広範囲をカバーしているかがわかる。オールロング3両のくせになまいきだ。
隣の新青森までは乗車券だけで特急に乗ることができる。それは新幹線との接続のためなのだが『あくまでメインは従来の青森駅』のようで、駅の周りを見る限り住宅街で見所はなさそうだ。
701系は今日も飛ばす。昨晩見れなかった景色は、雪深いもの。
さくら「眠くない?」
弘前で停車時間があるので…。
めぐみ「この時間大事だったよね?」
なぎさ「あんまり中ばっかりじゃアレだしな…。」
さくら「お約束の光景で何より。」
大鰐温泉を過ぎ、あとは大館まで昨日と同じ。
青森から95分で大館に到着。この列車も昨日のと同じくそのまま秋田へ向かうが、旅行班は花輪線に乗り換える。
ももか「荷物ちゃんとあるね?持ったよね?」
めぐみ「あるけど…」
ももか「昨日と同じことしないか気になるのこっちは。」
なぎさ「大丈夫だろ…、そこまでバカじゃないんだし。」
さくら「バカって…。」
めぐみ「はい。」
33.大館13:47発 普通1932D/盛岡行き キハ112-120
ここからは非電化なので701系祭りはひとまずおしまい。
めぐみ「…あれ?」
なぎさ「どうした?」
さくら「窓が違う?」
2日目にいわきから乗った車両の『窓キセ』は金属そのものだったが、この車両のそれはプラスチック系。
ももか「それどういうこと?」
さくら「たぶんだけど…、いわきから乗ったのは古いのだと思うんだよ。」
なぎさ「あれ…、書いたろ。見せてみろ。」
いわき13:13発→郡山14:48着 普通737D/郡山行き キハ111-106
さくら「ほら…、6番目でしょ?これ20番だもん。」
ももか「120番よ、これ?」
念のため言うがキハ111とキハ112は2つセットとなっており、ここまでの2本はどちらも100番台。それはさておき、結局乗客はさほどいないようだ。さっきの701系に乗っていたカップルも駅弁を買って乗り込み、発車。さあ駅弁に対してこっちは?
ももか「青森で買ったアレ。」
さくら「昼の分も朝詰め込んだんじゃなくて?」
ももか「それとこれとは別よ。」
なぎさ「…待て。」
ももか「何よ?みんなで食べるんじゃなかったの?」
満を持して『気になるリンゴ』をスタンバイ。普通のアップルパイとは全く違いパイ生地の中に入っているりんごはコンポートでもなく、りんご1個丸ごと生のままシロップ漬にしたものだ。箱の状態で結構重いのだが…。
さくら「なぎ姉、たぶんこれやめたほうが良かったんじゃないかなって思うんだけど…。」
ももか「そりゃダメよ決めたんだから。」
(現)気になるリンゴ(ラグノオ) 680円
ではまず代表してリーダーが食すことに。
めぐみ「あ…、りんご硬い。」
さくら「甘さはどう?」
めぐみ「これ結構きついね。」
なんなら『あの番組』よろしく…。
ももか「私に勝てる?」
さくら「なぎ姉…。」
なぎさ「…やってやるよ。」
ももか「わかった。じゃあハンデでさっきまでの分はあげる。いいね?」
対決スタート!
ももか「どうしたの?食べないの?」
さくら「後にとっておこうかなって。」
なぎさ「お前じゃないって…」
勝負あり。『りんご1個丸ごと生のままシロップ漬』とパイ生地は結構パンチが強かった。
ももか「はい!」
さくら「姫の勝ち…。」
めぐみ「これ…、私だってきついもん。」
これでようやく落ち着いて、雪深い山間の車窓を眺められる。
十和田南で進行方向が変わるため小停止。駅名標に示される隣の駅名は、片側のみ表記されている。
駅名標を反対側から見ると、やはり隣の駅名が片側のみ。末広は1つ手前の駅、柴平は次に停車する駅だ。
スイッチバック式の駅でも姨捨や二本木と異なり、単純な折り返し式となる。駅名標が示すとおり、行先によって線路は決められているタイプ。
十和田南がこのような構造となっているのは、かつて小坂への路線計画があった名残らしい。
ももか「わかってる。外の空気でしょ。」
さくら「勝ち誇ったようにしても変わらない姫。」
それにしても雪原はいい。晴れた中で雪も多く、雲もところどころ厚みあって怪しげ。コントラストがなかなかだ。
33.大館13:47発→好摩16:14着 普通1932D/盛岡行き キハ112-120
休憩終了、進行方向を変え再出発。
なぎさ「花粉症は?」
めぐみ「あれ…?」
なぎさ「ティッシュとか…」
めぐみ「大きいのは持ってないよ。」
静かな雪原の中を、エンジン音を響かせて列車は走る。窓が開かないので直接冷えることはないが、窓そのものは冷たい。ついでにそのせいで空気の入れ替えもない。乗客は全く多くなく、落ち着いている。
日本海側から太平洋側へと隔てるように、雪深い山を越えていく。こんな風景に派手な曲は似合わない。
めぐみ「今、いつものiPadなんだけど。」
ももか「ああ、いつもの?」
めぐみ「それで、今ちょうどいい感じの。」
雪が音を吸い取るかのように、辺りはしんしんと静寂に包まれる。車内は乗客もあまりおらず静まっており、聞こえるのはほぼディーゼルの音だけ。
山の天気は変わりやすいとはよく言われるもの。十和田南で見られた晴れ間は、もはや面影もない。
気付けば秋田県から岩手県へ入っている。国道282号と並行する花輪線、盛岡はまだまだ遠い…。
安比高原で多国籍な方々が登場。乗車したが見たところ皆スキー装備だ。
さくら「スキー場って…」
めぐみ「さあ?」
ももか「外国の方がそうなら有名なんじゃない?」
(つづく)