2012年3月14日(水)午後6時46分 青森県南津軽郡大鰐町・鰐の湯
めぐみ「本当はここでゆっくり…、なんて言うのかな?」
ももか「いいじゃないのよ。気分もよく青森にさ。」
ともあれ時間内に出て駅に戻る。
さくら「巻き作戦成功と…。」
31.大鰐温泉19:00発→青森19:58着 普通679M/青森行き クモハ701-2
めぐみ「…あれ?」
法則は崩れた。この編成は0番台ながら更新がなされていない。
ももか「寝ればいいじゃない、景色も見れないんだし。」
そして緊張の糸は切れてしまった―
寝ようとすると寝れないもの。弘前に到着。
なぎさ「これって…。」
発車のアレも津軽三味線。
さくら「青森なんだよね…。」
大鰐温泉から青森までは58分で到着する。東京から最速3時間29分のところを、34時間多くかけてたどり着いたのだ。
さくら「ついに青森…」
めぐみ「長かった、…かな?」
ももか「旅ってのはこうじゃなきゃ。」
なぎさ「お前が言うなよ。」
ももか「何を、私だって…。」
なぎさ「そういえば荷物は?」
めぐみ「あ…。」
あれ…?
なぎさ「…荷物は?」
めぐみ「…?」
荷物がない!!
ももか「昨日バス降りてからずっと持ってたじゃない。」
さくら「もうドア閉まっちゃったよ。」
どこ!?
ももか「大鰐乗るときにはあったよね…?」
めぐみ「あったはずだけど…」
なぎさ「はずだけどって…、まさか大鰐とか?」
置いたまま?
めぐみ「いや…、駅までは持っていたの。降りたらなくて…」
ももか「降りたらって…、じゃあ駅か、あの中かってこと?」
めぐみ「たぶん…。」
列車は引き上げてしまった。
めぐみ「……。」
ももか「何よ黙って?」
めぐみ「…まあ貴重品とかはこっちだし、いいかな…?」
ももか「よくないわよ!何荷物なくしといて勝手なこと考えてんのよ!?」
さくら「貴重品がこっちでまだよかったじゃん。あっちだったら帰れないよ?」
ももか「アンタは黙ってて。」
とりあえず…。
さくら「窓口に聞いてみたら?」
窓口に申し出てみよう。何かしてくれるはずだ。
めぐみ「あの…、大鰐温泉で…」
すると係員は裏に入って…。
窓口係「こちらですか?」
めぐみ「はい…。」
荷物があった。
めぐみ「ああ…。」
さくら「よかったじゃん。」
ももか「本当…、この人何か変なことしないと気がすまないんだもん。」
めぐみ「はは…。」
なぎさ「笑ってごまかすな。」
ももか「悪びれもしないんだもん…。」
東口こそ『青森』の玄関と言えようか。
めぐみ「というわけで無事に着きまして…。」
さくら「何事も無かったかのようにしようと必死に…」
ともあれ、8時に青森に着くことができた。『青森味噌カレー牛乳ラーメン普及会』のサイトでは会員店は5軒ある。そのうち駅前にあるのが2軒で、どちらも『味の札幌』を名乗っている。
さくら「とりあえず見てく?」
とりあえず駅前の『商店街』を歩こう。すると左に『味の札幌 分店』とある看板が。
めぐみ「…ここでいい?」
ももか「いいんじゃない?」
注文したのはもちろん…。
(現)味噌カレー牛乳ラーメン(味の札幌 浅利) 750円
近年その名が知れ渡るようになったB級グルメだ。そしてここにも有名人のサインが…。
変な言い方をすると、味噌味のカレーを食べたことがないのになぜか気になる存在で、たぶん合うはずだと。コクのある味噌と辛いカレー、そこに加える牛乳でまろやかに。"その3つ"を加えたスープは?
なぎさ「これはありだな…。3つ違うはずなのに…」
さくら「どっかの仲良しバカ3人組みたいに?」
なぎさ「誰がだよ、お前もだろ。」
(現)半ライス(味の札幌 浅利) 50円
追加。
ももか「勝手に…」
めぐみ「だってスープ余ったもん…、最後まで味わわなきゃ。」
最後までおいしかったです。ご馳走様でした。さあホテルの予約は一応11時と遅くしてあり、まだ早いのでコンビニ『サンクス』で晩酌用のでも買っておこう。
さくら「やっぱアイス買うんだ。」
なぎさ「悪いか?」
ももか「悪いも何も…。だったらみんなそれにするっての。」
なぎさ「…酒あんま買うなよ。」
『白くまパフェ』と缶チューハイ、水を買う。
さくら「ホテルに入りますか…。」
道はこっちで合ってるはず…。
こっちでいいはず…。
めぐみ「…あれ、どこ?」
なぎさ「どこって…、調べてないとかはないよな?」
めぐみ「調べて…、近くのはずなんだけど…。」
ももか「携帯の使ったら?」
EZナビウォーク!
めぐみ「えっと…、サンクス…?」
通り過ぎた!?
ももか「さっきのとこじゃないのよ。」
めぐみ「…そんなに遠くまで来て?」
なぎさ「戻るか…。」
さくら「戻るしかないよ。」
仕方ないので来た道をほとんどそのまま戻る。途中には雪が残っていて危なっかしいところもあり、せっかく越えた意味がない。
さくら「看板あったのに…」
ももか「よく見なさいよね。」
どうにか、前半戦のゴールである『Art HOTEL COLOR AOMORI』(旧:青森プラザホテル)に到着した。これでも1時間巻いている。チェックインを済ませ、6階の部屋に入ろう。鍵はオートロックだ。
テレビは液晶だがアナログのままで、チューナーを介して見ることが出来る。宿にたどり着けない間にもまた、千葉県東方沖で震度5強の地震があったという。
なぎさ「BSないのか…」
めぐみ「録画しといてよかった。」
(東北旅行日記2012 つづく)
ということで2012年3月、ダイヤ改正直前の旅行も青森まで到達。改正後の時刻表を持参しており、実際はやや異なるものになったかと。
ひな「なんか盛岡の新幹線だけど、『はやぶさ』4号のために『はやて』12号が盛岡始発だって…。」
むつ「そりゃ、『はやぶさ』でしょうよ。優先順位とかスピードも。」
盛岡での新幹線切り離しについて。後でネット動画を見たところ、切り離しが発車時点で行われていたという。秋田へ向かうのならば前方であるため、見れないのも当然だ。
フローラ「じゃあ、先に青森。」
ユン「そういう話じゃない。秋田回る話。」
横手焼きそばが"水っぽかった"のは、ソースに各店舗独自のだし汁が入っていたためらしい。食べてからは秋田、青森と向かった旅行班。日本海側の山沿いで雪が多い景色だ。観光したところで新たな発見があろうとも、どうしても駅の近くで終わってしまうのがお約束。
むつ「それじゃいけないってのがね…、これから。」
フローラ「そこから変わったって。」
改めて今回は震災から1年後、2012年3月の旅行記。脚色こそしたものの、実際の出来事である。1年を経ての地震も、南海トラフが他人事でないのに対処できないのが現実だ。このまま連動して地震があったら、死ぬしかないのか…。
ユン「いやいや、そこは工夫して乗り切りましょうよ。」
ひな「案外、死なないんだよね。そこから起こったのが荷物置き忘れって、それもセンパイらしくって。」
本当に慣れない大荷物では、何が起こるかわからない。1時間でも荷物を見放すと大変なので気をつけよう。ともあれ、これにて前半が終了。後半もまだまだ見所はたくさんあるので、お楽しみに。
フローラ「今日はここまでだね。」
むつ「じゃあ、また続きは明日…?」
(つづく)
※青森駅の新駅舎が完成し、3月27日から供用を開始しています。