東名高速ルート列伝~2015年9月~ 第3夜

2015年9月4日(金)午後1時52分 静岡県御殿場市・エクスパーサ足柄上りを出発

1-3.足柄SA13:52発→東京駅日本橋口着 直行新東名スーパーライナー10号・東京駅行き 744-10992
 2度目も遅れることはなかった。時刻表上はここから霞が関まで直行。実際は時刻表にない用賀での降車扱いがあるため、その案内がある。ここで降車ボタンが必要となってくる。

 東名足柄橋を渡ってからは上下線の位置が離れており、カーブの多い区間へ。しばらく走ると神奈川県に入る。その後も山岳区間を下るように抜け、上下線が合流して大井松田。この間下り線は左右に分かれており、右ルートはかつての上り線であった。気づけば海老名SAまで25km。路面もガタついている。

 新東名高速との再交差予定箇所を過ぎていた。厚木と海老名JCTはほぼ一体化しており、圏央道へは集散路を通らなくてはならない。新東名は圏央道から都心方向への建設予定がないという。海老名SAは上下線とも、駐車スペースもろとも最大級の規模を誇る。

 周辺は住宅が多くなってきた。何かと渋滞の温床となる大和トンネルは上下線の間に壁がない。横浜町田はその近く。東京都心まで40kmを切った。さらに10分ほど走ると東名江田の停留所となり、新東名スーパーライナーは通過。東名高速もあと10km。

 東名川崎を過ぎて少し進んだところにある東京料金所も川崎市にあり、これまた大規模な料金所である。路線用エアロキングは大型車として扱われ、東海JCTからのETC料金は割引なしの11700円。ここまで待ちわび、楽しんできた3列"デラックス"シートもあと30分程で終わりか…。

 多摩川を渡り、いよいよ東京都に入る。雲はかなり怪しげな感じとなり、東名高速の終点となる。用賀で降車を希望する客がいなかったことから、そのまま通過して首都高速3号渋谷線へ。霞が関では降りる客がいるようで、座席背面の降車ボタンが赤く光る。

 首都高速は幅の狭い片側2車線で、最高速度は60km/h。両側に建物が迫っているためか、名古屋高速以上に狭い印象。アップダウンも激しく、路面は相変わらずガタついたもの。加えて高架橋のジョイントがある。

 大橋JCTを前にしてスローダウン。中央環状線との交差箇所であり、狭い敷地内で地下区間との往来を可能とするため、非常に複雑な構造となっている。新東名スーパーライナーには新宿経由の便もあり、そのルートも気になるところ。
なぎ「着いて…、ないよな。」
さく「もうちょっとぐらい?」

 渋谷に来ると路面など濡れている。いつか"雨のカーテン"なるものを夢で見たことがあり、実際あれば見てみたい気がしなくもない。そして谷町の分岐を前にして完全に雨模様と化す。ここは左に進み、都心環状線右回りへ。

 トンネル内で霞が関の出口へ進み、5時間近い高速道路走行が終了。高速バスの霞が関は、都営バスの経済産業省前にある。ここで数人が下車。雨にぬれながら急いで横断歩道を渡る人は、官公庁に勤めるエリートだろうか?

 あとは皇居を左に見つつ、ビル街をゆっくり進むだけ。長距離昼行高速バス、しかも夜行用の3列席で落ち着けず。名古屋駅を出て5時間18分、予定よりやや早く東京駅に到着した。


 ここまで乗ってきたエアロキングともお別れ。王者は背中で語るというのはこういうことか。
もも「もう、これで満足でしょ。」
めぐ「満足って言うか…、やっぱり4列でもう1回乗ってからかな?」
さく「4列とか、もう乗れなくない?」
なぎ「それを今言ったんだろ。」
もも「…それで?」
さく「あれなら夜でも十分いけそうな気がするよ。」
なぎ「夜な…。昼なら、まあ4列と乗り比べてからだな。」
めぐ「そうそう、4列でもワイドのとかじゃなきゃダメだよ。」

 JRバス関東、日野製セレガを用いた房総なのはな号も到着。気づけば雨もやみ、すっかり晴れてきている。
もも「で…、なんだっけ?」
めぐ「ずんだシェイク。」
なぎ「ずんだは仙台だろ?」
めぐ「それがね…、東京で買えるのよ。」

 某番組でデラックスな方が大絶賛した、『ずんだ茶寮』の『ずんだシェイク』。仙台で買って飲むことができるのだが、大丸東京店の1階にある店舗でも購入できるのだ。そして大丸東京店はというと、日本橋口にも近い八重洲口にあるのだ。

 東京駅の歩き方をよく知らない旅行班。10分の余裕が生きて、大丸東京店まで迷うことができたといったところか。
もも「…それで?」
めぐ「…どこ?」

 


(現)ずんだシェイク(ずんだ茶寮) 288円
 フロアマップを持っておこう。ずんだ茶寮へは少々迷ったものの、わかりやすい位置にあった。そして並ぶこともなく買えてしまった。
めぐ「あ、さすが。」
さく「すっごいおいしいんだけど。」

 東京駅の八重洲口、そして日本橋口は地下鉄銀座線の日本橋駅に近い。そしてシェイクは飲み歩きに適したもの。
もも「いいから歩きましょうっての。」

 バニラベースに、枝豆の粒が程よく残った"ずんだ"が入ったシェイク。風味、味とともに豆の食感が非常によく合っている。Sサイズに相当するほどの量しかないものの、非常に満足のいく1杯であったずんだシェイク。
さく「…終わった?」
めぐ「終わったし、飲みきってる。」

(2015年9月乗車分 おわり)


 やはり近距離路線用の4列席に乗り慣れてしまっているのか、逆に落ち着かなかった今回。とはいえ割引運賃をうまく使えば、青春18きっぷシーズンを外しても比較的低予算で計画が立てられると証明した。
めぐ「まあ、ここから実際?幅が広がったっていうか。」
ひろ「自慢げに言われてもな…、部外者。」

 新東名高速の愛知県内が開通し、つながったのは翌2016年3月。その後しばらく経て、新東名スーパーライナーもルートが移行。その話は後々…。
(鉄旅リターンズプラス第5弾 つづく)