今回は2015年9月初旬のお話。前回(2012年3月)は深夜帯で景色を見なくて済むよう、通った経験のある東名高速経由のバスを選んでいる。
ひろ「そんな変わるかい?」
めぐ「結構ね…、道路の景色っていうか。まあ、色々。」
景色が気になってしまったこともあり、改めてバス乗車へ打って出る。着席位置の都合により撮影を見送ったため、高速道路の写真がないことをご容赦願いたい。
めぐ「いうけど、今回はちょっと特別なバスでね…。」
ひろ「何が特別なんだか。」
2015年9月4日(金)午前9時36分 名古屋市中村区・名古屋駅太閤通口
東名ハイウェイバスの話。超特急や直行便、その他長距離路線の座席は基本的に指定制。東名ハイウェイバスの座席は便によって様々であり、通常席は座席のタイプにかかわらず値段が同じ。事前に予約購入すると割引が適用される。
乗る予定の新東名スーパーライナー10号は、ビジネスシートを備えた3列シート車両。早売21は2400円だが予約時点で満席。3150円の早売3は、購入時点で5Bの1席しか残っていなかった。3770円の早売1は3席あり、6列目である。ついでに、ビジネスシートは600円の追加となっている。結果として、なぎさが進行方向右側となる6C席。さくらは中央の6B席、ももかは左側6A席となった。(実際は6列目に他の方が着席。2015年時点での平日割引価格。)
というわけで、JRの高速バスが発着する側にあたる銀時計に集合。
さく「ちゃんと持ってきた?」
めぐ「あるよ。」
もも「…まず忘れず持ってきただけいいんじゃない?」
なぎ「そういう…。」
もも「ありますっての。」
さく「それで…?」
なぎ「あるけど。」
さく「じゃあ、始めようか。」
これから乗る、JR東海バスのエアロキングが入ってきた。新東名スーパーライナー10号はビジネスシート付きの3列シート車両。日本国内製造の2階建てバス車両は三菱ふそう製エアロキングが最後であり、2010年ごろに生産中止となっている。車内へ食べ物を持ち込む人は多いようだ。
もも「で…。」
めぐ「いつものお茶2本と、昨日買ったパン2つしかない。」
2階席は天井が低く狭苦しい。中央席でも前方左右の景色を味わうことができそうだ。3列"デラックス"シートは見た目からして大きく、レッグレストやフットレストも備えた豪華仕様。背面は網袋(ハンガーが入っている)と読書灯、路線バスらしく降車ボタン。テーブルは側面にあり、中央席は肘掛内蔵のインアーム式。コンセントも1席ずつ付いている。
600円の追加で利用できるビジネスシートは前方の6席で、やはり横3列。その境目となる4列目は前後間隔が広く、当たり席の様相。5列目の窓側は柱に当たってしまう。ついでに言うと先月乗ったMAXとき322号の2階自由席は、左右合計で6列であった。
さく「…当たりだったり?」
もも「私はね?アンタらがどうか知らないけどさ。」
なぎ「トイレ遠いだろ。」
もも「…トイレぐらい途中で行くわよ。」
1.名古屋駅10:00発→東京駅日本橋口15:28着 直行新東名スーパーライナー10号・東京駅行き 744-10992
定刻となる午前10時。なぎさが6C、さくらは6Bへ。ももかは6A。めぐみは早売3の5Bに着席。ほぼ埋まったようだが、4C席に謎の空きが生じたまま発車。文字通り新東名高速を経由するバスであり、途中の遠州森町と足柄で休憩。乗り降りの扱いは、霞が関での降車だけ。まさしく直行だ。
太閤通に出ると、名鉄バスセンターまではいつもの一般路線バス(安松ルート)を見下ろす。そこからは岩塚ルートのバスと遭遇することもなく、山王駅まで名駅通を直進。
山王入口へ向かうところでいったん停止。何が起こったかはよくわからないものの、外から何か開け閉めするような音が聞こえてきた。結局、何事もなかったかのように再出発。今回は着席位置の都合により、景色の撮影をやめることとした。
山王から名古屋高速4号東海線に入り、長い長い高速道路走行が始まる。実は名古屋高速のルートは3号大高線を想定しており、思わぬ形で東海線を制した形になった。フットレストは靴を脱ぐタイプ。しばらくは都会の景色。
国道23号を上からまたいだ前後からは工業地帯の景色となる。途中、下に名鉄の東名古屋港駅があるものの見られない。そのまま東海市に入り、もうしばらくでジャンクションに至る。
1-1.名古屋駅10:00発→遠州森町PA休憩 直行新東名スーパーライナー10号・東京駅行き 744-10992
東海JCTから伊勢湾岸自動車道へ。フル規格の片側3車線とあって広々と…、しているはず。ここまで40分。最高速度が120km/hだとか言われようと、現在は100km/hが法定速度。さらに50km/h規制とあったのは、落下物があったからか。海からは離れたため、防音壁の途切れる個所では郊外らしく田畑の多い景色が見える。
新東名高速では新清水辺りで事故やらあったようで、渋滞4km10分とある。新東名高速は全線開通が間に合わなかったので、豊田JCTから東名高速へ。豊田東JCTから浜松いなさJCTまで開通した際には、新東名スーパーライナーもそのまま新東名高速を直進し続けるだろう。
東名高速は車線幅が狭くなった片側3車線。路面がなんとなくガタついており、最高速度は60km/hとある。景色も山めいてきた。新清水の渋滞は工事によるものであった。所要時間案内は見えず、わからない。
めぐ「…?」
もも「何かない?」
めぐ「あるけど…、とりあえず名鉄のからでいい?」
美合PAは上下線で規模が違う。下り線はここから3車線となっているが上り線の3車線区間はもう少し続く。本宿で名鉄と並走し、片側2車線となってしばらくすると音羽蒲郡。最高速度も100km/hに戻る。赤塚PAは美合と規模が逆転しており、相互の便宜を図った形に。
めぐ「…?」
もも「私じゃないけど、もう終わっちゃったって。」
めぐ「…あるけど。」
もも「…まあアンタのチョイスは置いときましょ。」
東名高速では渋滞もなかったため、思いのほか通過が早かった。豊川の次は三ヶ日JCT、東名静岡まで80分。新城PAは両方向とも小規模。その先が宇利トンネルとなり、抜けると静岡県。新東名高速は特に情報がないということなので、順調に流れているのだろう。
三ヶ日JCTからは新東名高速との連絡路に入る。最高速度は80km/h。東京都内までは264km。トンネルも2車線幅。この区間、実質的には三遠南信自動車道の一部ともいえる。
めぐ「…?」
もも「たらいまわし祭りとか、そんなんなっちゃったっぽい。」
めぐ「…終わっちゃって?」
もも「終わったらすることなくなっちゃう。」
浜松いなさJCTを左に進み、最高速度60km/hのランプウェイで回り込む。現状では本線の一部として機能させざるを得ないため、特に名古屋方向はボトルネックとなってしまっている。新東名高速の本線はフル規格で造られており、片側3車線中1車線が暫定的に突起などで塞がれている。新静岡まで55分。
新東名高速は直線状であるため、トンネルが多い。やはり3車線幅のフル規格で造られているものの、バス中央席からはいまひとつ伝わってこない。遠州森町まで18km。
浜松SAから9kmは完成3車線となり、浜松浜北を過ぎて天竜川を渡るまで続く。以後、暫定片側2車線を基本としつつ時折3車線となる状態が繰り返される。さあ、もうすぐ休憩の時間。おおよそ12時ぐらいとされたところ、15分ほど早まっているようだ。
宿場町の雰囲気をイメージした遠州森町PAで1回目の休憩。大型車両の駐車スペースは空きまくり。トイレはさすがの最新式。売店やフードコートも、持ち帰りに適したものは少ない様子。
さく「…パンしかないんだね?」
めぐ「…ないけど。」
(つづく)