2011年9月19日(月)午後0時57分 大阪市天王寺区・鶴橋駅
 鶴橋で降りる。
涼子「わかってたみたい。それで次のに乗ったって。」
めぐみ「よかった…。」
涼子「まず3人に謝ること。いい?」



12.鶴橋13:04発→天王寺13:10着 普通1490/環状外回り モハ200※番号メモなし
 本来は予定にもあったこの電車に乗るつもりだった。
めぐみ「すいませんでした!!」
なぎさ「まあいいさ、元々これだったんだし。」
ももか「よくないわよ。」
あいか「許してあげて、旅にハプニングは付き物よ。」
ももか「まあ…、そのかわり今日の予定最後まで言いなさい。」
めぐみ「じゃあ…」

 天王寺から加茂、そして柘植まで関西線を乗り継ぎ、柘植から草津まで草津線、草津からは今までと同じように米原まで乗り140円旅行は終わる。しかし今回はこれで終わりではない。
ももか「…それで?」
めぐみ「…いいの?」
ももか「最後まで言いなさいって言ったわよ。」

 米原で尾張一宮までの乗車券を購入し乗車。一宮で名鉄に乗り換え、岡崎公園前へ。すぐ近くの中岡崎から八草まで愛知環状鉄道を利用し、さらにリニモで藤が丘に向かうのだ。
ももか「欲張りね…。そんなんだから時間間違えるのよ。」
めぐみ「でもせっかくだし。」
涼子「一昨日だって終わってからラーメンって。」
めぐみ「ラーメンじゃないって!」

 天王寺駅に到着。大阪まで普通列車に乗ったので、ここから快速列車で加茂まで一気に行くとしよう。



13.天王寺13:15発→加茂14:04着 大和路快速3392K/加茂行き モハ221-48
 9月も半ばを過ぎ、残暑の中にも秋めいた爽やかさを感じる。雲も夏の盛りに見られるような"大きい塊"はなく、ブラシで薄く伸ばしたような細かいもの。天高く肥ゆる秋、見上げた青空を見ると気持ちが落ち着くのはなぜだろう…。

 思いふけるうち、節電とあってなのか車内照明が消えた。
なぎさ「これで十分だよな…、外明るいし。」
ももか「別になくてもいいんじゃない?」
めぐみ「こっちの方がいいよ。ちょっと暗いのがいい感じで…。」


 久宝寺から王寺にかけて、大阪府と奈良県の境目をまたぐ。天王寺からものの15分程度で、山間部の景色になる。思えば、"大都市近郊区間ルール"を用いたがゆえにここまで2府2県。さらには三重県にも入り、ルートによっては兵庫県(尼崎)や和歌山県も経由してしまう。"プチ贅沢"と言ってしまえばそれまででしかない。


 王寺から先、奈良県内は各駅に停車していく。東海道本線という大動脈にあるために数多く通過している京都に対し、あまり経由しない奈良。都が移ってからはこうも扱いが違ってしまうのか。

 そして再び京都府に入り、木津では片町線(学研都市線)と奈良線が分かれる。このうち奈良線は全線が京都府内を通っているにもかかわらずそう名乗っている。実態としてはほぼ全列車が奈良駅に乗り入れているため、間違いとは必ずしも言い切れない。"関西本線"はここから単線になる。
涼子「…もう着くよ。」
ももか「…あれ?奈良は?」
涼子「とっくに通ってる。」

 天王寺から49分。電化区間が途切れるため、加茂で乗り換えなければならない。


14.加茂14:11発→柘植15:06着 普通242D/亀山行き キハ120 8
 単行気動車が2両編成を組んでおり、意外にも2両ともオールロングだ。これまでこの区間を乗車する際、少数ながらボックスシートのある300番台にあたることが多かった。しかしながら、実際はオールロングの0番台のほうが数は多い。
涼子「久しぶりだよここ…。」


 景色は一変し、乗客,本数とも少ない山間部の路線。建物はほとんど見られない。関西本線は加茂までは"大和路線"とつけられていたが、この区間は旧来の関西本線のまま。もちろん駅に自動改札などなく、ICカードは使えない。何度も言うが、こんな状況にあっても大阪近郊区間に入っている。


 かつて、関西本線は長編成を組む列車が行き交っていたであろう。ホームも昔の長いものがほぼ残っている。短編成の列車がすべてを占める現在、2~3両程度しか使われていない。使う部分のみがかさ上げされており、使わない部分はフェンスで仕切られて入ることができなくなっている。


 キハ120はJR初期に造られた単行ワンマン気動車で、亀山の車両はすべてステンレス車体。窓は固定されている。台車類は旧来のパーツを使用しているかわからないが、軽量車体と高出力エンジンの組み合わせでスピードアップが図られた。そのためか振動はよく伝わってくる。座席も硬めで座りもよろしいとは言えない。当初なかったトイレは後に設けられ、安心して乗車できる。
涼子「せっかく外気持ちよさそうなのに窓開かないなんてどう?」
なぎさ「私はボックスじゃないのがちょっとな…。」


 新堂は関西本線においても、少々特徴のある駅。元々2面3線式だったものを、中間の島式ホームのみを用いる形に改められている。
あいか「ここも通ったのね…。」


 天王寺から115分で柘植に到着。ここから亀山方向は大阪近郊区間から外れ、名古屋近郊と言っても過言ではなくなる。
あいか「静かなところね…。」
涼子「いいよね?」
めぐみ「気持ちいい…。」


 分岐駅とあって構内の広い柘植駅。ホームから見えるのは線路と、自然豊かな風景だけ。
なぎさ「私、やっぱり田舎好きなだな…。」
ももか「なぎ姉…。」

(つづく)