めぐ「皆さんご無沙汰でした。平成最後の夏休み旅行もようやく最終回。福岡ドームのチケットを入手したのが6月のこと、そこからじっくり準備を重ねていきました。そして当日じっくり進めていき、いよいよ最終盤。時間を2018年8月29日に戻しまして…、最後まで見逃さないでどうぞ。」


2018年8月29日(水)午後5時56分 兵庫県姫路市・姫路駅を出発

88.姫路17:56発→米原20:26着 新快速3514M/米原行き クモハ224-101
 223系から続く転換式クロスシートに、天井吊り下げ型の液晶画面式案内装置を設けた最新式車両。この100番台は"四角い面構え"が丸くなったほか、外の行先表示がカラーLEDとなっている。ただ、ちょうど時間が時間…。
めぐ「…トイレいい?」
もも「行きゃいいじゃないの。」


 トイレから戻ったところで、車内は混雑して集中できない。山陽本線と東海道本線の起終点、神戸(A63)の1番ホームはあまり使われない様子。実際に使われるのは、平日の朝だけらしい。
ユン「これも立派ですよね…。」
なぎ「使わないならもったいないってことあるか…?」


 岡山以来であろう大都会、神戸三宮。日も暮れて、建物の装飾がきらめきを増す頃だ。
もも「今日って何曜日よ?」
なぎ「これだけ長く出てりゃわかんなくもなるわな。」


 大阪(A47)では特急列車用の9番ホームに入り、特に普通との分離を図っている平日午後7時前。隣の特急こうのとり18号が大きく遅れているようで、まだ着かないようだ。自動放送用の端末は車掌持ちらしく、大阪からの車内放送は車掌による肉声となる。
なぎ「これはな…。」
めぐ「まだできないね、最終決戦。」


 平日夕方、特に"第2首都"となれば混雑も激しい時間帯。車中での食事は遠慮すべき頃合いで、岡山から姫新線を経て引っ張ってきた"最終決戦"もまた先送り。京都(A31)の0番ホームにいた117系は、姫路で見た団体列車と別編成だろう。
もも「…寝るよ?」

 草津(A24)でようやく車内が落ち着いてきた。ここからは補助席もロックが解除されるも、その補助席囲り。新車ながら見たところ、すでに"使い込まれた感"を覚えている印象だ。
さく「やるの?」
めぐ「じゃあ、ちょっと出してからね。」

 野洲(A21)で最終決戦スタート!
なぎ「よくまあここまで…。」



(現)えびめし(おそうざい六根) 610円
 改めて、岡山名物の『えびめし』を確かめたい。何度もそそられる黒いソースは、その正体といい味といいよくわからない。食べたくなったので、最終決戦に加えただけ。具材は海老6尾に錦糸卵で、さすがのレベルだ。
もも「結局何かわかんないし。」
ユン「…結構好きですよ、この味。」


(現)備前焼みるく饅頭(小倉産業) 130円
 饅頭生地に小麦粉を使用したタイプ。白餡に偽りなくミルクを使用している。
なぎ「備前焼どこ行った?」
めぐ「一瞬でなくなっちゃった。」


(現)白桃きびだんご(廣榮堂) 410円
 かわいらしいパッケージの小箱を開けると、袋に小分けされたのが10個入り。桃の色をした小さな団子は柔らかく、甘さも強く押さない系統。
もも「最後の最後でやってくれたわね…。」
めぐ「これがね…。」

 午後8時17分、フィニッシュ!
めぐ「はい、終わり。」
なぎ「…最後に細かいのがずるい。」


 岡山で仕入れて、津山線と姫新線を経て夕刻まで持ち越し。野洲でようやく始められた"最終決戦"を、なんとか彦根(A13)までに全て終えることができた。
もも「で…、さ?アンタ何してたのよ?」
さく「豚まんもらっちゃった。」


 米原に着くと、JR東海の新快速は隣に入ってくる。そのまま先頭へ乗り込もう。


89.米原20:35発→名古屋21:41着 新快速2372F/豊橋行き クモハ311-8
 隣にいたのは、そろそろ処遇が気になってくる311系。JR東海の東海道本線では最大でも8両編成となるため、階段を介する乗り換えの場合は後方編成を推奨としていた。
ユン「確かに階段からは遠いですね。」
もも「ま、ここなんか何度も通ってるし。わかってるでしょ。」


 車内のLED案内装置に駅番号が入っている。今回は宇多津からJR四国の6000系に乗っているので、オマージュとして成立した。
さく「そういや乗ったね。」
めぐ「…狙ってないけど?」

 ここから景色を見ることもない夜9時前の東海道本線、もう名古屋まで一直線に帰るだけ…。


 8月25日に名古屋を出発。新大阪までは在来線、そこから新幹線へ乗り換え博多。博多南へ往復してからは、唐人町を最寄とする福岡ドームで野球観戦。福岡空港から路線バスに乗って、銭湯の休憩室で夜を明かした。


 冒頭の自宅最寄り駅~金山~名古屋と、バスや徒歩を除いた移動距離は771.0km。新幹線については実キロで計算しており、やや短くなったものの一気に稼いだ形だろう。(以下、在来線は営業キロで計算。)


 2日目は博多から鹿児島本線、山陽本線で東へ。代行バス区間を挟んで広島の後、可部線で"再開業"したあき亀山を往復。その後は新幹線で福山までつなぎ、岡山からは瀬戸大橋で高松泊。移動距離は宇多津経由で計算し、557.8kmとなる。


 四国へ渡って迎えた朝。高松を出て土讃線、土佐くろしお鉄道で宿毛を往復。高知では『ごめん・なはり線』も往復し、高松に戻ったら少しだけ高松琴平電気鉄道。特急列車主体とあって、移動距離は703.9kmと伸ばした。


 4日目は徳島へ南下し高徳線と牟岐線、阿佐海岸鉄道で甲浦。徳島からは徳島線で阿波池田の後、前夜とほぼ同一ルートで高松。この日はホテルへ早めに入ったこともあり、移動距離も402.4kmに収まっている。


 そして迎えた最終日。高松からは宇多津を経て瀬戸大橋を渡り、茶屋町から宇野へ往復して岡山。津山線と姫新線を回ってから山陽本線へ戻り、そのまま東海道本線で名古屋に帰還。移動距離530.9km…。


 姫路から3時間45分。5日間合計2966.0kmの移動を経て名古屋に到着した。
めぐ「延長入りまーす…。」



90.名古屋21:45発→金山21:50着 普通366F/岡崎行き クモハ313-3
 大移動を終えた後ながら、独断と思い付きで延長戦へ突入。2018年現在名古屋駅では工事を行う関係で、普通への"緩急接続"も階段を介さなくてはならない。こちらのLED案内装置は駅番号が入っていない。
もも「わざわざこんなもんのために?」
めぐ「ちょっとだけ、気になっちゃったし。」


 名古屋から5分の"延長"をもって、今度こそ5日間の西日本旅行は終わりを迎える。
なぎ「最後の…、いらんだろ。」
さく「これからいつでも見れるかもしれないし。」
ユン「そうですよ、わざわざこんな時じゃなくたって…。」

 名古屋市中区、金山総合駅。旅行班と加わった方は、この大旅行で何を…?
めぐ「岡山から一緒になったけど、どうだった?」
ユン「先輩らしく…、先輩らしくなく?」
もも「本当、ごめんね?こんな体たらくばっかり続けちゃって。」
なぎ「こっちこそごめんな。」


 ではここで解散、お疲れ様。
もも「奈良は2人で行こうかしらね…。」
ユン「でしたら…、こちらも4人の引率を。」
さく「いいから、終わるよ?」



2.金山21:58発→木田22:27着 普通/佐屋行き 5851
 この時間にして、珍しい太田川始発の津島線。かつて優等列車を中心に繁栄していた2ドア車両も、今となってはすっかり"窓際族"。寝ない程度にじっくり座って、自宅の最寄でピタリ賞。また明日から、新しい日々がはじまるのだ。
(おわり)

 


めぐ「…はい、ということで。旅行中も色々あって、帰った後も色々ありまして。さらには2019年も物事がたくさんございまして…、2020年はこれまたアレがアレして。完成したのは2020年9月になってしまいました。ということで鉄旅リターンズプラス『西日本だって愛してほしい!』は今回で終了いたします。ありがとうございました。」