「国道248号について。前回まで岐阜市の走行済み区間を北一色1丁目と認識していましたが、神田町10丁目。岐阜駅前からすでに走行を済ませていました。さて2020年8月の原付シリーズは鵜沼から多治見、瀬戸を経て豊田市。香嵐渓の近くまでやってきました。いよいよ後半です。」


2020年8月15日(土)午後4時51分 愛知県豊田市・Jセルフ足助SS

 ここまで122.0kmを走行しており、目的もある程度果たしている今回。ここからそのまま帰ってもいいところ、どうするかと考えよう…。
めぐ「まだ早いのよね…。」
ひろ「夏は日が長いからって、あんまりだと。」
めぐ「いや、せっかくだし。行けるとこ。」



国道153号 足助大橋西(豊田市)→稲武町(豊田市)
 ならばと大勝負。さらに北上し、稲武町から国道257号を経て大きく回ることとしたい。まずは足助バイパスの勾配と、長短のトンネルだ。
ひろ「そんな涼しく…。」
めぐ「じゃなくって、…出ないんだけど。」

 しかしどうもスピードが出ない。何か異常でなければいいのだが、何せ給油直後である。この先も上り坂が続くので、重くなった分がきつくなったのだろうか?
ひろ「大事ならんうちに戻っても。」
めぐ「…いや、わかんないけど。まだ1年ちょっとだし。」

 

 本体に問題ないことを祈りつつ、このまま国道153号を突き進むこととした。
めぐ「ニワトリは近かったね。」
ひろ「ここから先は遠いんだ…。」

 相変わらずペースは上がらず、後続車両に気を遣いつつ時折進路も譲りつつ。
ひろ「幅狭いもんな。」
めぐ「抜かしてもらえないし。」

 下りに転じれば勢いのままスピードが出ている。やはり上り勾配でペースが落ちただけだったのだろうか?
ひろ「下ったら…。」
めぐ「勢いつけようよ。」

 国道はというと、小集落と共に信号がポツポツ見られる程度。明川郵便局の付近はやや大きな集落というより、小さな"村の中心"といった雰囲気らしい。1軒あったガソリンスタンドはフルサービス式。
めぐ「…止まると勢い止まっちゃうし。」
ひろ「だからって、こんなとこで動かんのは勘弁してな。」


 香嵐渓の手前で給油してから13.3km。伊勢神峠で改良されることもあってか、上下線が分離する箇所が出現している。見たところ以前に対面通行だった上り坂であり、ここから道の駅まで距離もあることから小休止したい…。
ひろ「…あれ、止めたくないんじゃなかったっけ?」
めぐ「それもあるけど、ここならちょっと止めてもいいかもだし。この…、なんていうか。」
ひろ「痕跡みたいな?」

 

 原付を再び動かすしかない。登坂車線のように使えた上下分離区間から対面通行へ戻り、最高速度は一気に30km/h。こちらは越戸駅付近と異なり、急なカーブと登り勾配が連続するためである。
ひろ「前はここで止めたんだっけ?」
めぐ「止めたよ。星きれいだったけど、うまく写らなかった。」
ひろ「あれはよかったな…、肉眼の特権みたいな。」

 上り切って少々すると伊勢神トンネルで最高速度40km/h。長さ1245mのトンネル内部は狭苦しいため、伊勢神改良という"3代目トンネル"が建設されるのだ。そして反対方向が渋滞しているため、涼しさをほぼ感じられない。
めぐ「これ、さっきから続いてるのよ。」
ひろ「山とかなら…、あんまほかの人とかな。」

 それでもトンネル内部の"中腹"から下りに転じれば早い。ただし上り坂もあるため容易に気を緩められないし、下り坂で速度が上がりすぎてもいけない。飯田までは67km、塩尻150kmとまだまだ遠い。
めぐ「今日は行かないよ?」
ひろ「行けんだろ、この時間から飯田なんか遠くて。」
めぐ「だから、今日は元々のプランBじゃないけど。」

 どんぐりの湯(道の駅に隣接)まで4.9kmを切ると下りが続き、視界が開けてくると稲武町の"まち"は近い。遠目に連なる山々が眺められ、まだまだ先々が遠く続いていると実感。そして1軒あったガソリンスタンドが"県内最後"とあり、フルサービス式である。
ひろ「…そうするとセルフは香嵐渓が最後だった。」
めぐ「作・戦・成・功…。」
ひろ「いやいや、まだまだ153なら全然だろ。」


 伊勢神の"改良口"から12.1km。どうにかして道の駅『どんぐりの里いなぶ』までたどり着くことができた。
めぐ「…こんな上り坂に弱いとは思わなかった。」
ひろ「やっぱり50ccじゃ…。」
めぐ「いや、まだ限界じゃない。」
ひろ「ここまで来て何求めてんだよ?」

 時計を見ればそろそろ午後6時。道の駅はそろそろ賑わいも収まっており、物産館もそろそろ店じまいの様相。内部は入口と出口を一方通行にしていた。ついでに隣接する『どんぐりの湯』は人数を制限し、連絡先等の記入などが求められるらしい。
めぐ「…トイレまだ入ってないんだけど。」


 とりあえずトイレに入っておこうと入り、手洗い場の石鹸液がピンク色をした液体だったと確認。この時期は汗を多くかくようで、体内に水分が残らないのだろう。

 ついでに観光案内所の休憩室にも入っておく。窓口は閉まっており、出入口に消毒液も置かれていない。ここから飯田まで60km、道の駅『信州平谷』まで28km。国道257号に目を向ければ中津川まで45km、道の駅『上矢作ラ・フォーレ福寿の里』まで18kmとある。
めぐ「次あるなら…、ここを早朝に出るぐらい?」
ひろ「後ろ気にならなきゃいいって…、そうも。」
めぐ「で…、今6時前ぐらい?」
ひろ「じゃあ、今日はここで引き返せば。」
めぐ「まだ行けるかなって…。」


 道の駅『どんぐりの里いなぶ』を出て、トンネルと橋を経た『稲武町』から国道257号へ進もう。
ひろ「…バカだろ。」
めぐ「バカにバカって…、まだこれからが本番だもん。」


国道257号 稲武町(豊田市)→一色(恵那市)
 するとすぐに稲武支所があり、稲武町の中心部らしい雰囲気。1軒あったガソリンスタンドはやはりフルサービス式であった。
ひろ「ここはどう…?」
めぐ「153じゃないからノーカウントで。」

 国道は対面通行となっており、稲武の"まち"を出ると建物は一気に少なくなった。以降はカーブが緩ければ勾配も緩く、国道らしい走りやすさを見せつける。
ひろ「…これ、上矢作まで行けるな。」
めぐ「ここからが本番だよ…。」

 トンネルには"メロディーロード"なる細工が施されており、50km/hで『どんぐりころころ』が聞こえるようになっている。ただ原付で感じとることはできなかった。交通量は少なく、このペースなら上矢作まで苦心せず進められそうだ。
めぐ「じゃあここ、奥多摩の入れて。」
ひろ「奥多摩って…、関係ないだろ今。」
めぐ「発車するアレがどんぐりころころ。」
ひろ「だから、よくわかんないんだって。」

 稲武支所付近以降は信号がなく、集落に出て矢作川を渡ればそのまま岐阜県恵那市へ。川沿いの国道は引き続き対面通行で走りやすいもの。夕方になって幾分か涼しくなり、まさに原付で走りたくなっている時間帯。
めぐ「これだからやめられないの。」
ひろ「またまた…、まああの暑い中よりはいいけど。」
めぐ「で、こういう山だし。川からだったかな…?」

 トンネルをさらにいくつか潜り、若干ながら涼しさが加わる。信号もないまま国道418号と交差するも、1ヶ所目は国道として途切れているバイパスだ。
めぐ「これもどうしようね?」
ひろ「…いいとこらでやめるってのも。」

 

 上矢作町本郷で国道418号と2ヶ所目の合流となり、やはり信号がなく正式名は不明。重複すると上り坂に転じており、ペースが落ちてしまった。あと4kmなのに原付が苦しい。
ひろ「ほら…、やっぱり。」
めぐ「これくらい、これからいくらでもあるって。」

(つづく)