300回記念、2回完結のはずが思いのほか膨れ上がったので続きやります。構成は酷くなるばかり。
ユジン「失礼します…。」
じゅん先生「あ、また来たのね。続きでしょ、わかってるわよ。」
黒坂なぎさが転校して間もない頃の話…
176cmもの身長はコンプレックスでしかなかった転校生の黒坂なぎさ。
人と接することもできず周りには誰もいなくなるのだが、それはなぎさにとって慣れてしまっていたことであった…。
そんな中、めぐみは幼馴染である涼子の前で、なぎさの身を案じたのか泣き出してしまった。めぐみの扱いに長けている涼子にとっても、様子がいつもと違うことは明らかだった。そして、その一部始終はなぎさに聞こえていた。私が彼女を泣かせた…、なぎさはそう感じた。
なぎさは怒ってほしいとももかに連れられる。しかしそこにいたのはあのとき泣いていためぐみであった。なぎさは複雑な感情がこみあがり、とうとうこらえることができなくなった。
じゅん先生「どうしたの?」
涼子「先生…。」
じゅん先生「何があったの?話して…。」
涼子「私、昔から知ってるの。めぐみはいつも私に頼ってばっかりで、そのときも。いつもならはいはいってそれでいいんだけど…。でも黒坂さんが他の子と係わらなくなってるみたいで…」
じゅん先生「仲良くしてって言ったよね?」
涼子「たぶんだけど、本当はみんな仲良くしたかったと思うのよ。」
なぎさ「…!!」
涼子「めぐみもそうみたいだけど話しかけられなくて、たぶん悔しかったんじゃないかな?」
めぐみ「…うん。」
涼子「姫ちゃんは素直になれないのよ。口ではああでも同じだと…。」
まき「私も…、ただ黒坂さんと友達になりたかっただけなんです…。」
じゅん先生「それで…、今日まで黒坂さんが泣いてるの見たことある?」
めぐみ「初めて…。」
なぎさ「泣いちゃ…、いけ…、ない…?」
じゅん先生「どうしてよ?」
黒坂さんは迷惑をかけまいと泣かずにいたのだが、めぐみも、涼子も、じゅん先生も、彼女にはもう我慢して欲しくなかったのだ。
じゅん先生「別に泣いたっていいじゃない。あんまりだとこっちが気遣っちゃうのよ。」
なぎさ「で…、でも…」
涼子「あのね…、私あんまり泣かなくても平気なのいつもなら。でも今の黒坂さん見てると…、私でもちょっときちゃうの。私でだよ?めぐみなんか…」
じゅん先生「あの子だってそうじゃない?」
ももか「…バカみたい。」
この日、黒坂さんが泣き止むことはなかった。その次の日、黒坂さんは少しではあるが落ち着いた様子で登校してきた。
まき「あっ…、昨日までごめんなさい。これ…、昨日授業あんまり聞けなかったみたいで…、ノートコピーしたんです…。」
なぎさ「…私の、…ために?」
黒坂さんは少しのことで感動し、泣くようになっていた。
まき「ああっ…、ごめんなさい!」
なぎさ「いい…、私が…」
このままで大丈夫なのだろうか…。
そして、連休前日のこと…
涼子「黒坂さん…、明日だけど、めぐみと一緒に行ってくれる?」
なぎさ「いや…、私にはムリだ…」
涼子「どうしてよ?あの子が誘ってくれたようなもんじゃん。」
なぎさ「で…、でもどうせ迷惑かけて終わり…」
涼子「めぐみとなら大丈夫。逆にあの子の前でそんなこと言ってご覧よ、同じこと言うよ?」
迷惑かけて終わり…。それは全員が望まないことだ。
涼子「昔からあの子と一緒で、私に迷惑なんかかけっぱなしなのに…、離れてないでしょ?あなたはたった1回でしょ?」
なぎさ「1回だけど…」
涼子「いいじゃん。1回ぐらい誰にだってあることよ。それと…、あの子についていきたいって…、あんまりいなかったのよ。」
なぎさ「私で…、う…、うぐ…」
涼子「あ…、ごめんね。泣いていいのよ…。」
なぎさ「うっ…、っ…、うわああああああん!!」
黒坂さんはとにかく泣いた。今まで泣きたいのに泣けず、塞いでしまった分まで…
そして迎えた、2005年4月29日。
彼女は旅に出ることを決心し、集合場所に向かった。集合場所には姫路ももかの姿があった。
ももか「別に、アンタのためじゃないから…。」
そして発案者のめぐみが来た。
めぐみ「来てくれたんだ…。」
ももか「私は別に…、アンタだけじゃ不安だから来てあげただけよ…。」
なぎさ「あ…、ありがと…。」
ももか「何、また?」
なぎさ「いや…、もう平気だ。」
そんな彼女のために用意したのが、JR東海の名古屋地区が乗り放題の『青空フリーパス』。発案者のめぐみも使うのは初めてだった。2人は当然戸惑う。しかしめぐみはあくまで、名鉄のフリーとJRの18きっぷ、その2つの中間型として手慣れた様子。
そして…、なぎさは見たことも無い景色に感動するが、新たな感情を表した。また行きたい…。
それから幾度となく2人を旅に誘い、なぎさはめぐみと同じ大学に通うことに決めたのだった。ももかは大学こそ違うものの旅に誘われ続けている。
まきは結局参加することはなかったが、交流は続いている。そして忘れかけられたあの人は…
達彦「オレからもだけど、付き合ってください!」
なぎさ「それは…、ごめん。」
見事に沈んだが、これは彼女が塞いでいたときからその答えは変わっていない。そして彼は空気キャラとなった。
じゅん先生「と…、こんな感じよ。」
ユジン「先生…、1回先輩に会ってみたいです。」
むつみ「なんでアンタだけなのよ?」
ユジン「あ…」
むつみ「あ、じゃないわよ。さっきからってか、その話私も聞いた。」
じゅん先生「でもどうかな…、今度聞いてみるわね。」
このネタ、一応続きは考えているのですよ。しかしまだ公開できる状態には程遠いです。念のためですが今回までの3回、300回記念作品は完全フィクションであり、実在の人物及び団体とは一切関係ありません。
次回は指向を大きく変えて散歩ネタ風になります。
ユジン「失礼します…。」
じゅん先生「あ、また来たのね。続きでしょ、わかってるわよ。」
黒坂なぎさが転校して間もない頃の話…
176cmもの身長はコンプレックスでしかなかった転校生の黒坂なぎさ。
人と接することもできず周りには誰もいなくなるのだが、それはなぎさにとって慣れてしまっていたことであった…。
そんな中、めぐみは幼馴染である涼子の前で、なぎさの身を案じたのか泣き出してしまった。めぐみの扱いに長けている涼子にとっても、様子がいつもと違うことは明らかだった。そして、その一部始終はなぎさに聞こえていた。私が彼女を泣かせた…、なぎさはそう感じた。
なぎさは怒ってほしいとももかに連れられる。しかしそこにいたのはあのとき泣いていためぐみであった。なぎさは複雑な感情がこみあがり、とうとうこらえることができなくなった。
じゅん先生「どうしたの?」
涼子「先生…。」
じゅん先生「何があったの?話して…。」
涼子「私、昔から知ってるの。めぐみはいつも私に頼ってばっかりで、そのときも。いつもならはいはいってそれでいいんだけど…。でも黒坂さんが他の子と係わらなくなってるみたいで…」
じゅん先生「仲良くしてって言ったよね?」
涼子「たぶんだけど、本当はみんな仲良くしたかったと思うのよ。」
なぎさ「…!!」
涼子「めぐみもそうみたいだけど話しかけられなくて、たぶん悔しかったんじゃないかな?」
めぐみ「…うん。」
涼子「姫ちゃんは素直になれないのよ。口ではああでも同じだと…。」
まき「私も…、ただ黒坂さんと友達になりたかっただけなんです…。」
じゅん先生「それで…、今日まで黒坂さんが泣いてるの見たことある?」
めぐみ「初めて…。」
なぎさ「泣いちゃ…、いけ…、ない…?」
じゅん先生「どうしてよ?」
黒坂さんは迷惑をかけまいと泣かずにいたのだが、めぐみも、涼子も、じゅん先生も、彼女にはもう我慢して欲しくなかったのだ。
じゅん先生「別に泣いたっていいじゃない。あんまりだとこっちが気遣っちゃうのよ。」
なぎさ「で…、でも…」
涼子「あのね…、私あんまり泣かなくても平気なのいつもなら。でも今の黒坂さん見てると…、私でもちょっときちゃうの。私でだよ?めぐみなんか…」
じゅん先生「あの子だってそうじゃない?」
ももか「…バカみたい。」
この日、黒坂さんが泣き止むことはなかった。その次の日、黒坂さんは少しではあるが落ち着いた様子で登校してきた。
まき「あっ…、昨日までごめんなさい。これ…、昨日授業あんまり聞けなかったみたいで…、ノートコピーしたんです…。」
なぎさ「…私の、…ために?」
黒坂さんは少しのことで感動し、泣くようになっていた。
まき「ああっ…、ごめんなさい!」
なぎさ「いい…、私が…」
このままで大丈夫なのだろうか…。
そして、連休前日のこと…
涼子「黒坂さん…、明日だけど、めぐみと一緒に行ってくれる?」
なぎさ「いや…、私にはムリだ…」
涼子「どうしてよ?あの子が誘ってくれたようなもんじゃん。」
なぎさ「で…、でもどうせ迷惑かけて終わり…」
涼子「めぐみとなら大丈夫。逆にあの子の前でそんなこと言ってご覧よ、同じこと言うよ?」
迷惑かけて終わり…。それは全員が望まないことだ。
涼子「昔からあの子と一緒で、私に迷惑なんかかけっぱなしなのに…、離れてないでしょ?あなたはたった1回でしょ?」
なぎさ「1回だけど…」
涼子「いいじゃん。1回ぐらい誰にだってあることよ。それと…、あの子についていきたいって…、あんまりいなかったのよ。」
なぎさ「私で…、う…、うぐ…」
涼子「あ…、ごめんね。泣いていいのよ…。」
なぎさ「うっ…、っ…、うわああああああん!!」
黒坂さんはとにかく泣いた。今まで泣きたいのに泣けず、塞いでしまった分まで…
そして迎えた、2005年4月29日。
彼女は旅に出ることを決心し、集合場所に向かった。集合場所には姫路ももかの姿があった。
ももか「別に、アンタのためじゃないから…。」
そして発案者のめぐみが来た。
めぐみ「来てくれたんだ…。」
ももか「私は別に…、アンタだけじゃ不安だから来てあげただけよ…。」
なぎさ「あ…、ありがと…。」
ももか「何、また?」
なぎさ「いや…、もう平気だ。」
そんな彼女のために用意したのが、JR東海の名古屋地区が乗り放題の『青空フリーパス』。発案者のめぐみも使うのは初めてだった。2人は当然戸惑う。しかしめぐみはあくまで、名鉄のフリーとJRの18きっぷ、その2つの中間型として手慣れた様子。
そして…、なぎさは見たことも無い景色に感動するが、新たな感情を表した。また行きたい…。
それから幾度となく2人を旅に誘い、なぎさはめぐみと同じ大学に通うことに決めたのだった。ももかは大学こそ違うものの旅に誘われ続けている。
まきは結局参加することはなかったが、交流は続いている。そして忘れかけられたあの人は…
達彦「オレからもだけど、付き合ってください!」
なぎさ「それは…、ごめん。」
見事に沈んだが、これは彼女が塞いでいたときからその答えは変わっていない。そして彼は空気キャラとなった。
じゅん先生「と…、こんな感じよ。」
ユジン「先生…、1回先輩に会ってみたいです。」
むつみ「なんでアンタだけなのよ?」
ユジン「あ…」
むつみ「あ、じゃないわよ。さっきからってか、その話私も聞いた。」
じゅん先生「でもどうかな…、今度聞いてみるわね。」
このネタ、一応続きは考えているのですよ。しかしまだ公開できる状態には程遠いです。念のためですが今回までの3回、300回記念作品は完全フィクションであり、実在の人物及び団体とは一切関係ありません。
次回は指向を大きく変えて散歩ネタ風になります。