身延線の旅、後編をどうぞ。
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旅好きな女子高生市川めぐみは、友人の姫路ももかを”旅”に誘った。しかし、めぐみはももかに行先を告げなかった上1月2日という日にちから、ももかは見事に騙される結果となり、2人は山梨県は甲府へと向かったのであった。
午前中に中央本線で塩尻を経て甲府に到着。次は主目的の身延線である。

2005年1月2日(日)午後1時51分 山梨県・甲府駅
5.甲府13:57発→富士17:06着 普通3734M・富士行き 115系
結局甲府での2時間何もすることなく、身延線の列車に乗り込むことにした。
来たのは115系。これで3時間乗りっぱなしというのは少し苦しい。
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ももか「だから少し苦しいのはアナタの考えであって、私はそんなアナタに連れまわされてるの。」
めぐみ「そうだったね、ごめんごめん。」
ももか「ごめんでいいよ今回は。あと甲府でのあれ、似合ってないから。」
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(甲府駅でのシーン)「甲府に来ちゃった♪」
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めぐみ「やっぱり。」
駅間の距離が短いためか、あまり速くない。身延線は線形も悪く、それもあってあまり速くないようだ。
そして途中で眠くなってしまう。
めぐみ「なんか眠くなってきちゃったね。」
ももか「私は寝させてもらうわよ。」
めぐみ「そう?じゃ寝てていいよ。」
ももか「寝てていいよって…」
めぐみ「寝なさいよ。」
ももか「寝なさいよ?」
その後も眠気に襲われつつ、身延まで来た。身延で停車時間があったので、外に出てみた。
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めぐみ「身延にやってまいりました。」
ももか「やってまいりましたって誰に向かって言ってんのよ。」
めぐみ「いや、ロケってこんな感じなのかなって…」
ももか「こんな感じって何さ?」
めぐみ「まあそんなことどうでもいいんだけどね。」
ももか「どうでもいいって…」
めぐみ「乗りっぱなしじゃあれだから、ちょっと外に出てみたけどどう?」
ももか「どうって…、気分転換にはいいんじゃない?」
めぐみ「そうだよね、そう思うよね。」
乗った列車は3番線に入ったが、特急ふじかわは1番線に入る。1番線には特急列車を待つべくそれなりの人が並んでいた。
めぐみ「結構乗るもんだね。」
ももか「やっぱり正月の2日だからね。」
めぐみ「それに比べりゃ私らなんかはローカルに。」
ももか「そうだよね、こんなところ自ら進んで乗ろうとも思わないもん。」
めぐみ「今日最初名古屋市内で終わると思ったでしょ?福袋欲しかったんでしょ?」
ももか「な…、何を…」
めぐみ「そうだったんだ。やっぱり…」
ももか「私は…、一緒がよかっただけで…。」
特急を先に通し、列車は身延を発車した。
列車はまたゆっくりと走り、そろそろ車窓から富士山が見えてくる。
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めぐみ「そろそろ見えてくるんじゃないかな…。」
ももか「富士山?」
めぐみ「そうだよ。あっ!見えてきた見えてきた!」
ももか「どれ?あ!見えた見えた!富士山だ!」
富士山の景色とともに、夕暮れの中を列車は進む。終点まであと少しだ。
めぐみ「富士山どうだった?」
ももか「どうだったって…、美しい景色にかわりは無いんだからどうのこうの言うもんじゃないんじゃない?」
めぐみ「正月早々から縁起がいいでしょ?」
ももか「そうよね、いいよね。」
こうして甲府から3時間9分、身延線を完乗した。

6.富士17:09発→静岡17:44着 普通5151M・静岡行き 211系5000番台
あとは東海道線で帰るだけだ。3分乗り換えの先にいたのは211系3両。短時間なら結構快適なロングシート車だ。
めぐみ「なんとか乗り換えれたね。」
ももか「乗り換えれたっていうか、ローカルムードのあとに3分で乗り換えろってそれはないよね。」
めぐみ「そうそう。同じホームだったらまだいいの。階段使うっていうもんだからね…。」
ももか「疲れちゃうよ。」
身延線はあまり速くないためか、かなり速く感じる。由比付近では東名高速、国道1号と併走するが、過去にこの区間を通ったのはいずれも日中であり、日没後に乗るのは初めてだ。
めぐみ「暗くなっちゃった。」
ももか「海見えないね。見えるものっていったら、横の道路を走る車のライト。」
めぐみ「そうね。でも暗い中車のライトが流れる光景。それっていいと思わない?」
ももか「流れ星みたいでいい感じって言いたいわけね。」
めぐみ「流れ星じゃないよ。でもなんかいいかなって。」
夕闇の中を流れるように…
静岡に着き、隣で列車が発車するところであったが、これには乗らず1本後の豊橋行きに乗る。浜松から先は基本的に名古屋地区の車両なので、少し期待してしまう。
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(過去の前例)
2003年4月:名古屋→浜松 313系
2003年4月:浜松→大垣 313系
2004年3月:浜松→金山 313系
2004年8月:豊橋→浜松 211系
2004年8月:浜松→名古屋 313系
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めぐみ「次何が来るんだろうね。」
ももか「え、何?」
めぐみ「次に乗るのは何だろうなって。興味深いと思わない?…よね。」
ももか「私そんなのどうでもいいの。」

7.静岡17:55発→豊橋19:43着 普通5959M・豊橋行き 113系
そして来たのは113系の6両編成(静岡地区の車両)。
めぐみ「あれ…?」
ももか「私知らないから。」
時間も時間なので、発車前には混雑していた。静岡止まりの列車の接続を待って発車。
藤枝あたりでは静岡発車時点での混雑ほどではなくなり、島田を過ぎると完全に空いてきた。1月のこの時間ともなれば外の景色を楽しむことは考えない方がいいのだろう。すると…
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ももか「寝させてよ~。」
めぐみ「寝ればいいじゃない。」
ももか「そう?アナタ寝なくていいの?」
めぐみ「私はいいの。ほら、寝なさいよ。」








ももちゃんはまた寝てしまった。
そうこうしているうちに浜松に到着。時間も時間なのでまた混雑する。
めぐみ「また乗ってきたね。」
ももか「そりゃそうだよ。帰るんだもん。」
めぐみ「それはそうと、この車両でこの区間は実は初めてなんだ。」
ももか「それさっき言わなかった?」
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(静岡駅でのシーン)「次に乗るのは何だろうなって。興味深いと思わない?」
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めぐみ「ああ、あれね。何が来るかなって思って来たのがこの車両だったわけ。」
ももか「そうだったよね。」
さて、静岡から1時間48分で列車は豊橋に到着した。静岡地区に乗ったときのいつものよく言えない不快感はあまり感じなかった。
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(過去の前例)
2003年4月:浜松→静岡 311系・ほとんど立ち席
2003年4月:熱海→浜松 113系だったはず
2004年3月:熱海→浜松 たぶん113系・最初座れず
2004年8月:浜松→熱海 211系
2004年8月:熱海→浜松 113系・静岡で増結車両に移った
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このように、この区間は2時間を越えるような乗車時間になることが多い。
ももか「だからそれはアナタのことで私には関係ないでしょ?」
めぐみ「そういえばそうね。」

8.豊橋19:56発→名古屋20:43着 特別快速5135F・大垣行き 313系0番台
余裕の13分接続で乗り換えた、この日唯一の快速列車。やはり313系の快速とだけあって速い。特にすることも無いので、ももちゃんはさっさと寝てしまった。
47分で名古屋に到着。今回の旅はここでおしまい。
めぐみ「行ってみてどうだった?」
ももか「まあ…ね、一緒に行けただけで私は…」
めぐみ「じゃあまた誘ってあげるね。
ももか「え…、いや…」
めぐみ「イヤなの?」
ももか「べ、別にアナタのためについてきたわけじゃ…」
めぐみ「ところで最初どこ行きたかったんだっけ。デパートだよね?」
ももか「あ…!!」
終わり
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いかがでしたか?ベータ版ではwordに打ち込んだ文書をコピペする方式をとっていましたが、少々問題があるようなので今回はテキスト文書をコピペし書式をその都度変えるする方式としました。
ちなみに管理人は基本的に旅程のみ計画を立てる派です。このため現地ではノープラン状態となり、無駄な時間になってしまうことがよくありました。
「小説」と「旅行記」の融合を、今後もよろしくお願い致します。
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この物語は、『管理人のノンフィクションの旅行記』を基にしたフィクションです。登場するキャラクターは架空のものです。