『表屋』

 最近何故かふいに浮かんだ『表屋』という文字。表屋といえば…、2016年の第3回あいちトリエンナーレで会場にもなった『岡崎表屋』がある。ということで、今回は当時急遽組んだ見物のお話。

 芸術作品の見物を軸としつつほぼノープランとしたが、やはり乗りたいものは名鉄の新車であり軸がブレてしまっていた。ということでブログ掲載に際し、メインとなるべき作品は写真を控えている。


サターニャ「…ま、いいわ。私の活躍を見なさい!」
ガヴリール「お前出てないだろ。」
 

2016年10月22日(土)午前10時 愛知県あま市/木田駅


 とあるサイトで、1975年に木田駅ホームから撮影された写真を見たことがある。当時は草むらが目立っていた周辺も、41年経過すれば住宅が多くなっている。当時から残る建物はどれぐらいだろうか?

1.木田10:03発→中京競馬場前10:39着 準急※名古屋から急行/吉良吉田行き 名鉄5060
 3週連続で準急に乗車。元々は線内で急行運転するものではなく、津島線内は普通となるものが実質的に準急として扱われていた。2008年末のダイヤ改正から、これまで快速急行とされた西尾線直通のものが二ツ杁と栄生に停車。津島線内の停車駅は変わらず準急となり、名古屋から急行に…。

 須ヶ口で本線から来る快速特急を先に通し、新車でない2200系だと確認。この体制となったのは2011年改正からであり、しかも平日の日中は全く異なるダイヤとなっている。名古屋で急行となってからは、系統として豊明にも停車するようになった。


 場外馬券販売のため、この日は中京競馬場前にも停車。加えて1つ手前の有松に停車すれば、新安城まで準急となる。西尾線内では南桜井に停車するか否かで、快速急行か準急ということもあった。現在は南桜井を通過するものが急行となる。


 発車時刻表を見ると、停車日は日中の本数がかなり多くなることがわかる。停車することのない平日を見れば、一目瞭然と言うことか。待避線のない相対式ホームながら、幅広のホームで優等感漂う中京競馬場前。


 普段はそれほど利用客がいるということもなく、改札機の多さなどもあわせて競馬場利用客に向けたものだろう。競馬場に行くならば、重賞もそうだが保存されるパノラマカー目当てだったり?


 リニューアル時点でまだ珍しかったLEDの発車案内に加え、エスカレーターやエレベーターを完備するという"豪華"仕様。同程度の急行通過駅としては、常滑駅工事期間中の榎戸があるか。壁面にある馬のタイルが競馬場への最寄りらしい。なお後にLED式発車案内は部分カラー式へ一新されている。


2.中京競馬場前10:49発→東岡崎11:08着 急行/豊川稲荷行き 名鉄6572
 新車を狙った今回。来たのは6500系後期型で、好みなクロスシートタイプ。ヘッドレストはかつてビニール状の素材で分けられており、好みな点の1つであった。モケット張りで統一されてからも、どことなく特急からの格下げ感が漂う。


 2021年以降はワンマン化とリニューアルが施され、6500系後期型からクロスシートは消滅している。

 豊明は吉良吉田発着の急行を除いて通過するが、折り返しホームを含む3面6線式なのに無人駅であることが信じられない。知立から東岡崎までは、特急と急行の停車駅が同じとなり優等列車らしい。ある意味、座席とつり合っている。


 東岡崎で降りよう。かつては名鉄産業が独自ブランドでコンビニ売店を営業しており、13年半前(2003年2月)の"初旅行"にて昼食を調達した店でもある。現在はファミリーマートと提携し、カタロニア語で駅を意味する"エスタシオ"が付く。なんか、…美しい。


 駅前からはバスが発着。2016年当時の形状としては頭端式といえるようなものであり、発車時はバックする形になっていた。以前は宇都宮、郡山への夜行路線も発着していたところ、福島への延伸と同時に乗り入れなくなったらしい(2019年乗車)。


 駅ビル『岡ビル百貨店』は1958年に開業し、2021年に閉業。2024年から解体が進められている。

 さて3年に1度の芸術祭となる第3回『あいちトリエンナーレ』は名古屋市だけでなく、岡崎市や豊橋市でも開催。会場の1つとして、3階は重力をテーマにした作品。2階はベトナムにて、カラフルな布を纏ったオートバイ集団の映像。


 岡崎市の中心部はJRの駅でなく、名鉄の駅周辺にある。愛知県内、特に三河地方には岡崎市や豊田市など"そこそこな都会"が点在しているようで…。都会と田舎の定義,境界線を改めて知りたいもの。


 少々道を誤り、乙川に沿って歩くこととなった。季節が変化するたび、木々の装いも変化していく。堤防道路は平日のみ駐車禁止となっている。これは配慮のひとつと言うのか、近くに西三河総合庁舎があるためか。


 対岸にも市街地らしさが見られる岡崎市。川の風景を見ると穏やかな気分にさせるのはなぜだろう…?


 車道を挟んで反対側は、ホテル群と岡崎公園。8月の原付走行ではさらに東にある道の駅をメインとしたため、パスしている。そのため、岡崎城とあわせてほぼ見学したことがない。


 照明の付いた立派な欄干を持つ、乙川にかかる殿橋。夜になれば、どのような姿を見せるのだろうか?そういえば、長らく花火らしい花火も見に行ったことがない。


 国道1号沿い、LEDビジョン式の広告看板がある。その奥が会場の1つたる『岡崎表屋』で、古びた建物の1階は事務所を構えていた。2階以上が『あいちトリエンナーレ』の会場となっており、戦後の内装をほぼそのままに展示作品として仕上げている。建物は2024年までに解体されていたらしい。


 ついでに、岡崎公園駐車場のトイレは壁があってないようなもの。二輪車は駐車料金が不要だったので、やはり原付で通った際に立ち寄るんだったのかと…。
(第3回あいちトリエンナーレ つづく)
 

 

 

JR四国3600系、完成! 

https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/assets/2025/12/10/2025%2012%2010%2001.pdf
 JR四国のハイブリッド気動車は量産先行車両が完成し、形式が3600系となった。詳細は上記のリンク(JR四国公式のPDFファイル)を見ていただこう。


 まずJR四国が車両形式に"クモハ"や"キハ"など付けない4桁番号を代々使用しており、今回も例外なく採用された。1000~2000番台は気動車となり、それに続く3000番台となる。

 意味ありげなのは"3600"という附番で、3000からいきなり飛ばされている。今後特急用ハイブリッド気動車を登場させるのか、あるいは一般型でも単行運転可能とするのだろうか?

 外装については概ね当初のとおりとなったものの、量産先行車両は特別な装飾が成されることとなった。


 車内はセミクロスシートとオールロングシートが連結される形となり、前者は点対称になるよう配置された"四国方式"となる。転換式クロスシートにはならず、座席などは東日本で見られるような形状。ところどころJR東海の315系電車にも似た造作ともなるが、日よけは省略されないようだ。

 奇しくもJR東海も一般用ハイブリッド気動車を投入することが決まっている。車両メーカーは異なる(四国:近畿車両,東海:日本車両)のだが、ハイブリッド方式次第では同一の可能性もあったりして…?

 そうなればJR東海HC35の先行編成も兼ねてしまっている。ただ最高速度は東海と異なり100km/hにとどまっており、完全な試験が可能かどうかは不透明。もっとも四国での営業運転となれば最高120km/hは一切不要だ。

 

 

 試験を経て、営業運転は2026年6月以降を予定している。量産車は2027年から登場し、合計で2両編成が35本の陣容となる予定。
(おわり)


MEIKO「皆さん初めまして、MEIKOでーす。今日は未来を目指したバスのお話ってなってますけど、2015年だから結構変わってるんですよね。あとはバスセンターもこれから新しくなるとか…、その次に入ったバスが何かって話ですか?では、時間を2015年4月14日に戻してみます。」

2015年4月14日(火)午後2時34分 名古屋駅広小路口


 名古屋駅広小路口から少々したところに入口はある。裏側とあって非常に目立たない階段を上がって向かう場所…。


 御存知、名鉄バスセンターである。3階からは一般路線バスと長距離高速バスが発着する。このギャップがある意味魅力と思う人もいるとかいないとか。この名鉄バスセンターは2026年3月中に閉鎖され、再開発を経て一新されることとなった。


 もちろん乗るのは一般路線。発車するのは基幹バス路線と津島行き路線、そして三重交通のバスである。今回、乗りたい車両に乗るという"基本"を実践。この間にも氷見行きや奈良行きといった高速バスが発車。

1.名鉄バスセンター15:00発 一般路線バス/岩塚経由津島行き 名鉄バス7909
 今回乗りたい車両こそ、昨年乗り損ねたエコハイブリッドである。この車両はディーゼルエンジンを発電に用いて、電車と同じようにモーターで動くというもの。2008年から導入の始まった当時は鳴り物入りであった。


 ついでに仕組みが似ているものとしたキハE200を応用し、HB-E210系が仙石線快速(仙石東北ライン)に入っている。また2025年にはHB-E220も登場した。

 立ち席が出ない程度の乗客を乗せて発車すると、確かに後部では機械類の音がよく響く。騒音で嫌悪感を抱かれるのも納得である。バスセンターを出て右折し、名駅通を少し進んだ名駅南五丁目で右折。豊成団地で1人降りて、1人乗車。


 黄金跨線橋を渡り、名古屋高速5号の高架下にあたる県道115号を津島方向へ進む。松陰高校前で2人乗車し1人が立つ。地下鉄岩塚で乗車した2人も立ち席。岩塚本通五丁目で1人下車し、1人乗車。


 ここから左にカーブし、庄内川にかかる万場大橋を渡る。右にカーブして下った先にある万場スバル前で1人乗車し、2人が下車。


 新川にかかる万場小橋を渡り、吉津一丁目で4人が下車。安松ルートと異なり、名古屋市域がまだ続く。


 名古屋高速5号の終点となる千音寺で3人下車。後部座席は機械類が多く、景色がよく見えない。千音寺荘で1人下車し、再び停車するも乗客なし。ここで東名阪自動車道が分かれていく。機械類から駆動音が絶えず響き、静粛性に欠けている。加えてこの車両、色々とグレードが高かったのだ。


 新家で1人下車し、対面通行となって福田川を渡ると名古屋市は終わり。道1つ外れるだけで田んぼばかりの風景になる。伊福で2人、下之森で3人下車。


 車内は紫外線等カットガラスが用いられ、カーテンが省略されたのは近年の路線バス車両と同じ。違いは他車との差別化を図ったであろう、背もたれの高い座席とE531系以降で見られる黒い吊革。座席もバケット形状があり、座りがそれなりにいい。


 そして忘れてならない、機械類スペースを活用したと思しき荷物置き場。壁面や座席ヘッドカバーからも"エコ・ハイブリッド"を主張しているのがわかる。正面にはかつて走行モードを知らせる液晶画面があったというが、すでに撤去されているようで見受けられない。

 鷹居で1人下車し、蟹江川を渡った先の交差点で大坪行きルートと分かれる。直進し、神尾は乗降なく通過。百町で1人下車。空いてきたので前方、右側の座席に移動。基幹路線は乗客が多いので、詰め込みを重要視される。結果、グレードの高さが仇となる形で基幹路線に不向きということが証明されてしまったのだ。


 日光川にかかる新おにえ橋を渡り、永宝団地で停車するも乗降なし。新唐臼で2人下車し、とうとう最後の客になってしまった。県道115号の起点である交差点を左折し、その次を右折すると唐臼住宅前。ここにきて2人乗車したため貸切状態にならず。

 しばらく進んで"直進した道"に戻る。愛宕住宅前を過ぎ、その先を工事のためにちゃんとした形で右折。その後少しだけセンターラインがない道路となる。

 津島市民病院前でも乗車。そして左折した県道68号こそ、安松ルートである。名鉄の線路をくぐると右折し、バス専用通路を通って終点の津島駅に到着。終始雨模様なこの日、津島駅まで乗車したのは他に4人。概ね1時間弱、630円の道のりであった。


 エコであることを推し、鳴り物入りで投入されたエコハイブリッド。正面は通常の三菱製バス車両と若干異なる顔つきをしている。個人的には日野製の一般路線車両より好みだと言えよう。車両ごとに異なる多彩なカラーバリエーションもまた、エコハイブリッドの魅力であった。


 この車両は紫系の装飾がなされ、天王川公園で毎年執り行われる藤まつりを連想させる。もしくは、グレープ風味の炭酸飲料。名鉄は日野製のハイブリッドバスも後に投入したものの、基本的に青系と緑系の2パターンしかなく魅力に欠ける。


 名鉄バスは当初、基幹路線をエコハイブリッドで統一しようとも考えていたらしい。エコハイブリッドそのものが特殊なものとあって、故障の際に手間を要したとか。結果として基幹路線からは早々に全て撤退。そしてエコハイブリッドはというと、最終的には車体価格が高かったことで導入が打ち切られている。

 最終的にエコハイブリッドは2009年の排出ガス規制に適合させず、生産を終了した。乗車10年後の2025年ともなれば、エコハイブリッドならずとも退役する車両が目立ってきている。

 

 名鉄バスはというと、2025年以降本格的に充電式電気バスや燃料電池バスを導入。現時点では少数にとどまっているものの、状況次第では多数導入も可能性あり。その際はぜひ、多彩なカラーリングを実現させてほしいものだ。


 名鉄の津島駅はある意味、本当の昭和レトロと言えようか。スーパーは閉鎖されたまま残っており、名鉄が主催する即売会でしか用いられない。隣のコンビニは、この手の店舗が軒並み『ファミリーマートエスタシオ』になる中最後まで『サンクス』のまま残った。(転換後も"エスタシオ"にあらず。)


 ホームもLEDの発車票とエレベーターこそあるものの、昭和の時代に高架化された当時の雰囲気を色濃く残す。ということでお遊びはここまで。


2.津島16:12発→木田16:21着 普通/須ヶ口行き 名鉄6911
 この編成もヘッドレストがモケット張となり、見た目だけならかつての国鉄特急をより連想させてくれる。形状も小さく窓側の肘掛もなく、回転できない固定座席ながらも肘掛の内側にモケットが張られるなど凝った座席。足元もバスより広い。こちらも気づけば4両編成から消失していた。
(おわり)