肺転移再発のジレンマ | 大腸癌(直腸癌)とある患者の所感

大腸癌(直腸癌)とある患者の所感

「治療は患者との相互理解のもとに行っていくものである」という考え(アドヒアランス)に同意し、情報を集め分析しています。
「治療は医師の指示に従う」という考え(コンプライアンス)だけで、がん治療を乗り切れるとは到底思えないからです。


上手く伝えることができるかどうか微妙と思いながらも書いてみます。精神的なジレンマではなく、寧ろ論理的なジレンマに陥っていたのです。


私の治療経緯

・2014年05月 直腸癌切除
・2014年06月 Stage Ⅲb確定、術後補助化学療法開始 (XELOX療法)
・2014年12月 CT検査クリア (術後7ヵ月)
・2015年02月 術後補助化学療法完了 (休薬減量により7.5ヵ月間となる)
・2015年05月 CT検査右肺に3mmの影 (術補化療完了後3ヵ月、術後1年)
・2016年02月 CT検査右肺に7mmと4mmの影 (術補化療完了後1年、術後1年9ヵ月)
・2016年03月 CT検査右肺に8mmと6mmと2mmの影 (術補化療完了後1年1ヵ月、術後1年10ヵ月)
・2016年05月 大腸癌肺転移手術予定 (術補化療完了後1年3ヵ月、術後2年)

haiteni



昨年5月に初めて右肺に肺転移癌の疑いが生じてから今日まで経過観察が主な治療だったわけです。


できるだけ経過観察を引っ張って、肺転移癌が出揃ってから手術をするというのが、基本的な治療方針でした。


そもそも手術するには小さすぎること、転移の状況を見極めた上で効率の良い手術を行うべきという考えからです。


そういう観点から9月位を手術時期と考えていたのですが、3個目が発見されたこと、手術時には腫瘍部から2cmのマージンで切除する必要があること、そしてこのまま経過観察を続けた結果において手術適用外となってしまう恐れもあることも踏まえ、5月中旬に切除してしまうことにしました。


手術適用外という理由は、ある意味本末転倒でもあるわけで、ここがループポイントになってしまいました。


行き着くところは、新たな転移癌が現れるのか?どのように現れるのか?それともこれで打ち止めなのか?… もちろん、医師の答えは「分からない」というものです。ただいえることは「次々に現れるようでは手術する意味がない」ということです。


極端な話、5月中旬に予定している今回の手術においても、手術するかしないかの判断を求められました。手術の意志を明確に伝えたのですが、そこに至るまでの材料の判断に苦慮したわけです。


自分なりの癌の摂理のようなものを推察する必要がありました。これは長くなりそうなので、また別な機会に述べたいと思います。