がんの自然治癒、がんの自然退縮、なんと心地よい響きの語句なのでしょう!
大阪癌研究会が公開した「癌と人」(2013年5月刊行)の中に、「がんの自然治癒」という文献があり読んでみました。
○ がんの自然治癒 著者:岩永剛 氏
ポイントを以下に抜粋しますが、誤解が生じると困りますので、上記のリンクから原本をお読みください。
・瘤が縮小し、症状などが緩和したものも含めて、「治癒:Cure」という言葉を使わずに、「退縮:Regression」という用語が用いられます。
・がんが自然退縮する頻度は、6万人~10万人に1人ぐらいの頻度でみられると言われています。
・がんの自然退縮の原因・理由
1.ホルモンの影響
2.感染症
3.アレルギー または 免疫反応
4.腫瘍病巣への血行障害
5.酸素と栄養の不足
6.急速な腫瘍増殖
7.発がん物質・腫瘍増殖因子の排除
8.アルコール摂取の中止、禁煙
9.通常は無効な治療法に対して感受性の増強
10.ハーブ、BRM(生物学的応答修飾物質)
11.発熱、温熱
12.腫瘍の生検・外科的侵襲
13.大量出血、低血圧
14.腫瘍以外の部位への放射線照射
15.表層より隆起した腫瘍の自然脱落
16.遺伝的要因、家族性発生
17.精神状態、心構え、精神療法
18.補完代替医療
・「がんは、たいした治療をしなくてもそのうちに治る。」と考えたくなりますが、そのようなことを、絶対に信じないでください。
・ただ言えることは、どんながんでも、治る可能性を秘めているということです。
・希望とやる気:がんになっても明るく、がんに敗けない気概で生活していると、免疫力が向上し、がん罹患後の生存率が高く、がんに対する力強い心構えが、がんに対しても効果があったこと
・注意しなければならないことは、このような方法で良好に経過した症例を提示し、その方法や、これらに関係する物品を販売するための宣伝広告に利用しているものが目につきます。
私の所感は、偶然に「急速な腫瘍増殖」「腫瘍病巣への血行障害」「酸素と栄養の不足」などの要因が重複することで、自然退縮があっても不思議ではないというものです。
ガイドライン治療+α、この個人でもできる、標準治療との相乗効果を生み出すようなプラスアルファが、きっと何かあるはずと信じ、これからも情報を探求して行きたいです。