FI セッティング
単純な数値の合わせ込みですが、
単純がゆえに複雑でもあるです。

いつもありがとうございます(^-^)
MCFWit の masa です。
FIセッティングは、キャブ車のジェッティングよりも複雑?
近頃では、
キャブ車であっても点火時期を専用のシステム等を使い、よりリニアに制御出来るようになって来ましたので一昔前に比べるとキャブのセッティングも複雑にはなってきました。
キャブ自体も構造こそ単純ですがセッティングとなると
いうほど単純なモノではありませんが…
基本的にはFIのセッティングもキャブのセッティングと同じ。
各回転数、各負荷の領域で効率よく燃焼出来るように燃焼室へ流れ込む燃料と空気量それぞれの比率の多からず少なからずを見定めて合わせ込みを行います。
キャブの場合はエンジンの負圧により吸い込まれる吸入空気に乗り燃料と空気が混ざった混合気が燃焼室に充填されるといった、
ある程度はそれなりに辻褄が合うような仕組み
(といってもそこの説明だけで一つ二つブログが書けるくらいの内容です。)
になっているのを、
FI車の場合は吸入される空気量とそれに合う燃料噴射量を電気信号を使いスロットル操作やエンジン回転数に対してリニアに制御すると
まあそんな感じでございます。
その燃料噴射量の多い少ないの判断は、
空燃比計を使って判断していきます。
これはキャブ車であっても同じモノを使用して空燃比測定を行います。

デジタル機器を使う事で感覚で仕上げるよりも、
数値化し目で見る事で作業効率は格段に上がりますし、お客様へ仕上がり具合や後の作業方向の打ち合わせにも使えますので、
ボクは空燃比計を使い曖昧さを出来るだけ解消しています。
さてそれでは、
軽く燃料調整の内容を説明してみようと思います。
車種用、各仕様ごとのセッティングキットやアプリ等の場合、ベースマップが用意されている事がありますのでソレを使うのが手っ取り早いです。
ベースマップがない場合は、1からのマップ製作になりますのでその分時間と料金は上乗せとなります。
とりあえずのベースマップが出来たら、
全体の空燃比をまずは中負荷で測定していきます。
ギア比的には3速 4速(6速仕様の場合)辺りでマージンを取りながら燃料マップを製作していきます。
この時のマージンは、5速 6速 の負荷をイメージした時に危険のない数値。
各ギアごとでマップ製作が出来る場合は
1速 から6速 まで製作しますので、
それはそれは時間の掛かる作業になりますが、
レース等で使用しない限りは
各ギアごとの細かい調整は…オーナーさま次第ですね…。
話が長くなりすぎますので、
今回は一つのギアでの話で進めていきましょう。
基本的には、
一時減速比(トランスミッションの)ギア比が
1:1に近いところでオーバードライブよりはローギアのところをメインにセッティングしていきます。
なぜ1:1? となるかもしれませんが、
ミッションのギア比はエンジンの回転数を減速して出力する様に設定されていますので、
減速比1以上(ローギア)などで数値を合わせて行くとエンジンへの負荷が小さいため実走行させた場合にはいろんな数値や設定にズレが生じますので、
1:1に限りなく近いギア比のところを使って空燃比測定を行うといった流れ。
例えば、
4 /6速で作ったマップを
2/6速で使うと負荷が小さいために空燃比は全体的にリッチになりますし、
6/6 速 で使うと負荷が大きくなるため空燃比は全体的にリーンとなります。
1つのマップで全てのギアを回す様なシステムの場合は、のこの辺りのバランスも考えて調整作業を進める必要があります。
少し脱線しましたが、
セッティングの内容としては、
2000回転付近から最高到達回転数まで。
ボクの場合はエンジンのコンディションを見ながらピークパワー発生回転数から1500回転先まで。
その間で、
スロットル開度0%~100%
各回転数での低負荷、中負荷、高負荷での空燃比を見て燃料の増減を調整していきます。
その後、点火時期を調整。
ただし適切な点火時期もエンジンの負荷条件によって変わりますので、ノッキングのリタードシステムがない場合には進め過ぎに気を付けたいところ。
燃料調整が決まっていても、
今一つパワー感がなかったり、パンチが弱いエンジンは理想の点火時期になっていない事もあります。
点火時期については、
燃焼室の形状やピストントップの形状、使用燃料、燃焼温度なども考慮する必要がありますので、
触る場合は、ある種の覚悟を決めてからがよろしいかとも思います。
あともう一つ。
ボクがはとても大切だと思っているアイドリング域からのスロットル開度0%から20%付近までの諸々の調整。
エンジン回転数で言えば750回転から2000回転付近まで。
この領域でスロットル操作とエンジンのツキが悪いと、発進時にエンストを誘発してしまったり、
場合によっては発進時の失火からのエンジンストールによるエラーコードを呼んでしまう事もありますので、
負荷が安定している走行域よりも、
負荷が不安定なゼロ発進域からの極低速域はかなり慎重に設定していたりします。
信号待ちから交差点進入でのエンストなんて、
とても危険ですからね。
アイドリングからスロットルを素早く大きめにスナップしてもレスポンス良く着いてくるようにするには、
それこそ点火時期や燃調、キャブであればニードルのサイズ形状など数パターンを試して吟味していく必要がありますし、
発進から極低速時のスロットル微開域から
スロットル開度全域までストレスなく使える様にするには、
そこそこお時間が掛かるのでございます。
というお話でございました。
といったところで👋