インボイスのせいで値下げ? | 税理士・川﨑由紀子 ~オフィシャルブログ~

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インボイス制度が始まって2月ほど

現状、さほど大きな混乱は

聞こえてきません。

しかし小さなトラブルは数知れず。。

 

一般消費者にとっては

レシートに登録番号が

載るようになったくらい。

別にどうってことありません。

それより政治家の

増税、減税の掛け声の方が

気になりますよね。

 

このインボイス制度で

最も影響を受けるのは

これまで免税事業者であった

小規模事業者です。

(正確にはその取引先も。)

 

関係官庁が数年前から

広報活動を展開し、

私も含め、業界全体で

周知徹底を促した?ためか、

それなりの登録数となり

何とか順調に滑り出したように

見えたのですが、

やはりわかっていない人も

一定数いるようです。

(そもそも制度が複雑ですから、

わからないことを

責めてはいけません。)

 

敢えて免税事業者でいることを

選択している場合はそれでOKです。

ちょっとまだ様子見、もありです。

ちゃんと考えた上ですから。

 

ですが、取引先からの通知で

どうしてこうなるの?と

慌てて税理士に相談にくるケースが

最近頻発しています。

 

わが身に降りかかって

初めて事の重大性を認識する。

よくある話ではありますが。。

 

制度については知っています。

大まかなリクツも理解しています。

でもいざ自分が価格交渉に直面すると

なんでなんで?となるみたいですね。

 

免税事業者であれば、

仕入税額控除できない

消費税相当の値下げの依頼がくることは

想定内でした。

そして実際にそうなっています。

 

取引先の会社もちゃんと

言い回しには配慮して

お願いモードにはなっていますが、

まあ通告よね。。

 

なんでこちらが差額の消費税を

負担しなければならないのか?

実質値引き要請だよね!?

やっていることは変わらないのに!!

 

うん、うん、お気持ちよーくわかります。

確かにそう見えます。

というかその通りです。

でも消費税の仕組みからすると

これまで納税義務の免除で得していた

のはこちら側なのです。

相手は単に損しない、つまり現状維持を

図っているだけといえるのですが。

 

結果としては受け入れても釈然としない。

制度に対する不満は

まあそうですねえ、と

お応えするしかありません。

 

こちらもつらいところです。