家なき子とは | 税理士・川﨑由紀子 ~オフィシャルブログ~

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「家なき子」といわれて

少し前のテレビドラマ、又は

ずっと昔のアニメを連想した方、

今回はスルーしてください。

まったく関係ありません。

 

これ実は相続税に関するキーワード。

ある要件を満たす場合を指しています。

そして、このH30年度の税制改正で

結構大きな変更があった項目なのです。

 

「家なき子」

なんだか寂しげで損してる?

いえいえ、とってもお得な制度が使える

極めて恵まれた状況のことなのです。

土地を80%もディスカウントしてくれる

なんて滅多にあることじゃありません。

 

税法の世界は無情に見えて?

実はいろいろと気を使っているのです。

 

相続税の基礎知識は置いといて、

「小規模宅地等の特例」といって

土地の相続税額を大幅に減額できる

特例があります。

 

この中で、最もポピュラーなのが

居住用宅地等のケース。

税負担のために住まいを手放さなくて

よいよう評価額を8割引いて

計算できます。

もし、土地が5千万円だったら、

4千万円引いて1千万でカウントします。

 

もちろん、誰でも使える特例ではありません。

基本的には亡くなった人の配偶者、

同居親族が条件です。

先祖伝来の土地に、これまで通り一族が、

安心して住み続けるための配慮といった

ところでしょうか。

 

ところがこの制度、

実は同居親族でなくても

使える場合がありました。

 

もともとは同居だったけど、

たまたま地方に転勤で社宅住まいだった。

いずれ戻るつもりだったのに。

又は、実家に親が一人で住んでいたけど、

亡くなり、空き家になる。

どうせ自分も配偶者も持ち家が

あるわけじゃなし、それなら実家を相続して

戻って住もうかな。

(税金も安く済む!又はかからないかも!?)

 

こんな場合はOKだったのですね。

持ち家に住んでいない親族でもOK。

つまり「家なき子」OKなのです。

(多少語弊はありますが)

ま、なんとなくわからないでもありません。

 

ところが、世の中、頭の良い人?はいるものです。

要件を満たば使える制度、

なら要件に合うようにすればいいじゃない!

 

例えば、自分の住んでいる家を

同族会社の名義にして、あたかも

持ち家がない状態にしたり、

家を親に買ってもらって、

又は親に売って、

親名義の家に住んでいて

これまた持ち家がない状態にしたり、

とかとか。

 

「家なき子」の体裁を整える

節税対策がそれはもう…。

 

そこで、今回の改正です。

「家なき子」の要件がぐっと厳しく

なりました。

 

結論としては、普通に同居していた

親族ならOKだけど

作為的に装うケースはまずNO。

 

3年以内に3親等以内の親族又は

その者と特別の関係のある法人の

所有する家屋に居住したことがある者。

相続開始時に居住していた家屋を

過去に所有していた者。

こんな場合は適用できなくなります

 

そもそも親が住まいを持っていなければ

何の心配もないこと。

それでも相続が近い世代は

持ち家信仰?の世代。

 

多額の税額が絡むとなると

やはり悩ましい問題なのです。

 

さりとて、税金のためだけに

同居するのは諸般の事情が

許さない…。

それに見せかけの同居って

なにかと無理がある…。

 

余計な小細工はせず、

納税資金に頭を使いましょう!

と言いたいけれど、

それじゃ役に立たないやつ、

なのよね。

 

専門家の在り方を決めるのは

自分自身ではあります。

 

あるべき姿はだれにとっても

悩ましく、難しいものですね。

さて、「家なき子」はどこへ行く?