一方、義姉の表情、そして言動。
妙にカリカリしている。
もともと歯に衣着せぬ言い方をする人だけど、いつも以上。


どこに行ったのか」「何をしているのか」と気にして、母に何度も聞いたらしい。

最初から行き先も目的も伝えてるし、兄も付いて来てるのに。

何を勘ぐってるんだろう。



夕刻すぎ、私たちは諸手続きから帰ってきました。
母の家での夕食時、義姉もやってきました。


兄のことを指差し、


この人は役立ちましたか?」

と聞きます。


ええ、隣町までの抜け道を案内してくれて助かりましたよ。」


と旦那は無難に答えました。


それを口火に、どこで何をしてきたのか、その日のこと全てをざっと報告しました。
隠す必要は全くないので。


その流れで、旦那は、今後の手続きの説明を続けました。


あとは、お父さんの戸籍をさかのぼること。これはけい子(私の名)がやります。
書類が揃ったら、銀行口座の凍結を解除します。
全部の財産を確認できたら、準確定申告をします。


そして、遺産の現金はあまりないようなので、急がなくていいようですが、土地家屋などの相続について。
お母さん、お兄さん、けい子の当事者で話し合って決め、協議書にしください。


あっ、この家がお父さん名義で、お兄さんの家にも1/3、お父さんの名義が入っていますよね
。」


おかあさんに半分相続する権利があるんです!


突然、兄嫁が大きな声で叫びました



...びっくりしました。

まるで、私たち夫婦が何かたくらんでいるかのように。

なんでそんな風に思うの?


もともと長男夫婦のあなたたちがやるべき手続きをみんな私たちがやってるのよ。
うちにも自分の家もあるし、人の家をどうこうしようとする気はないわよ
。』

そんな台詞が喉元まで出かけました。



それは当事者同士の話ですからね。悪いようにならないんじゃないですか。」

旦那はまたしても無難に納め、そんな会話はその時どまりでした。


でも、ほんとーに不愉快になりそうでした。



翌日、私は電話で父の誕生までの戸籍をたどる宿題を持って、我が家に戻りました。

亡くなった父の主な遺産は、2軒の家と土地だけでした。


1軒が、故父と母が住んでいた家。
もう1軒が、兄夫婦の家。


父と母の家父名義
兄夫婦の家は、名義の1/3が父、1/3が兄、1/3が兄嫁となっていました。

私もこのことは以前より母から聞いて知っていました。


実は、わが家も購入の際に、実家の父母より300万円の資金援助を受けています。
父の預貯金からではなく、母の預貯金からなので、厳密には母からの援助でした。

母は「お兄ちゃんと同じようにするよ」と言ってくれました。
感謝、感謝、大感謝。
本当にたすかりました。


わが家はそれを母からの「生前贈与」として確定申告を行い、非課税の処理をしました。



兄が家を購入した時、父からの援助にはその「生前贈与」の制度を活用しなかったようです。
父からの援助分を父名義を1/3にすることで、節税しようとしたようでした。
相続でないから、相続税はかからない。
これは、以前にはよくあったことらしいです。


父の遺産、財産分与の対象は、基本的にこれらの家以外ない。



私の予測。
つまり、相続する母と私たち兄妹の話し合いの筋書き。


母は今住む実家を相続す
兄は今住む兄夫婦の父名義分を相続する
「私たち夫婦は、300万円の生前贈与を受けているので、今回の相続は放棄する


こんな感じかな。
まあ、住んでる人が相続するんでいいんじゃないの。

私はそんな気持ちでした。



旦那はもう少し冷静。

妻1/2、兄1/4、妹1/4の相続。特に兄妹は同じ、しこらないよう、ちゃんと価値の比較をして、極端な不公平がないようにした方がいいよ

私にそう言いました。



登記所でしらべたところ、2つの家の現在価値。


母の家 1200万円
兄夫婦の家 900万円(父名義が1/3だから300万円)

つまり、合計の資産が1200万円+300万円=1500万円



これを原則どおり相続する場合の相続分。
母 750万円(1/2)
兄 375万円(1/4)
私 375万円(1/4)


でも、私が今回相続放棄して、それぞれの家を相続した場合。
母 1200万円
兄  300万円


将来、母の資産も相続する場合、今回との合計。
兄 300万円(父から)+600万円(母から)
私 300万円(生前贈与)+600万円(母から)


うん、ぴったり。

全く問題ございません

さて、亡くなった父の事後処理、その日の最後。


社会保険事務所での年金の手続きへ行く時のこと。
隣町にあったので、私たちの車で行きました。

運転手の旦那の隣に兄が乗り、隣町までの道案内

うつ病の兄が復帰訓練をしている会社があるのも、社会保険事務所と同じ隣町。
毎日車通勤する兄には土地勘がありました。
これら一連の手続きに黙って付いてくるうつ病の兄。
いよいよの出番でした。


往復の案内については細かいことは言いませんが、なんとか行って帰ってきました。


それよりも、兄の汗のにおい

後から旦那に聞きましたが、助手席の兄の汗臭さには、かなーり気になったとのこと。
実は、後ろの席も同じでした。

兄の症状は、うつ病の典型のひとつ「風呂に入れない」。
それでこの暑い夏を過ごしていたからです。


旦那は私によく言います。

うつ病で、塞ぎこんで元気がないのも大変だけど、いずれ治る。そう思うしかない。
それより、社会との摩擦になるようなことは、少しずつでも改めていった方がいい
。」


この風呂に入らないことも、周囲に迷惑がかかる。
社会との摩擦のひとつですよね。


うつ病の人に何かを改めるように言うことは、どのサイトを見ても決して奨励はされてない。
でも、私は旦那の考えももっともだと思います。


そのころ兄は、もっと大きな社会との摩擦を起こしつつあったのでした。

それが詐欺被害

そしてこれらの社会との摩擦が、兄の家庭の崩壊を決定付けていったことは間違いなさそうです。

そのことはまた後日書きます。