次に家のパソコンで調べたのは、「出会い系 詐欺」のキーワード。


出て来ました。


サクラ詐欺」というらしい。


それは、こういう手口。


出会い系サイトは、基本的に、メールのやり取りをすることでお金がかかる。
メールのやり取りをさせるために、サイト業者が、サクラをやとう。
まずは、出会い系サイト登録者に、気を引くためのメールを打つ。
会いましょう」とか「お金をあげます」とか。
そして、会いそうなそぶりをしながらメールを重ねさせ、実際には会わずにドロンする。
サイト業者だけが通信料を儲ける。

これが「サクラ詐欺」。


兄が引っかかったのは、お金ほしさ
うつ病で、エッチの方を考える元気なんか、まるでない。笑


うつ病になると、判断力も鈍る。
だから、バカになったようにも見えるらしい。
でも、そういう病気。


だから、「ただで○千万円あげます」なんて、誰が考えても虫の良い話も、直ぐに信じてしまう。


そう思った。


でも今、「サクラ詐欺」は社会問題になりつつあるらしい。
つまり、健康な人でも、かなりの人が引っかかっているらしい。
それだけ、巧妙らしい。

ポイント(お金)はこっちで払っているから心配しないで」とか
会った時に現金で返すから」とか。

言葉巧みらしい。


兄の被害も、そこに書いてあった手口そのもの。


出会い系のサクラが「ストーカー被害にあっている。どうしたらいいでしょう。」と言った相談を持ちかける。
それを哀れに思い「警察に行けば」くらいのアドバイスをする。
すると相手は、「ありがとうございました。助かりました。お礼にお金をあげます。」
指定された待ち合わせ場所で待つ。
その間も、「今、どこどこにいるが、ここからどう行けばよいか」「おみやげは何がいいか」等々。
返事を打たせるようなメールがいくつも来る。
当然、待ち合わせ場所には誰も現れない
それまでにかかったサイト利用料高額の通信料だけ、出会い系サイトからしっかりと請求される


私はその事例をプリントして、明日実家で兄に会う旦那に持たせました。


出会い系サイトが「サクラ詐欺」ってことをわからせないと。

実家で兄の状況の確認。

日曜の午後でしたので、翌日子供たちは学校。
この日は一旦家に帰ることにしました。


母と兄本人、そして、兄嫁。

兄はほとんど無言でしたが、母や兄嫁から話を聞き、だいたいの状況が見えてきました。


改めて翌日、旦那だけがもう一度、ひとりで実家に行きます。
そして、うつ病の兄と共に心療内科に行き、兄の病状を確認してくれます。


私は、家に帰るとパソコンで調べ物を開始。


まずは、「解雇」について。


ネットで、うつ病が原因で解雇できるか、キーワード「うつ 解雇 労災」などで検索。
悪戦苦闘の末、おおよそ次の通りと理解しました。


<うつ病と労災>
業務が原因で「うつ病」になった場合で、労災が適用されるケースも増えている。
ただし、業務と発病の因果関係の証明が必要。
また、会社の負担も大きいため、退職への圧力ともなりうる。


<労災と解雇>
労災の場合、治療費と療養による休業(6割の有給)が認められる。
ただし、3年を超えた場合は、1,200日分の給与補償をすれば療養を打ち切れる。


<休業と解雇>
疾病(労災以外)等の理由で休業する場合、所定の休業期間中は疾病手当(6割)が支給される。
その期間が過ぎた場合で治る見込みがなければ、普通解雇の対象となる。
普通解雇の理由にはその他、成績不良等もある。
普通解雇の場合、30日前の解雇予告と手当が必要。
規定の退職金が支払われる。


<自己都合退職と会社都合退職>
懲戒でない限り、両方とも規定の退職金が支払われる。
違いは、失業保険の期間。
自己都合は、待機期間7日+給付制限3ヶ月+150日分の基本手当
会社都合は、待機期間7日+330日分の基本手当
懲戒以外の解雇は、会社都合の退職となる。



兄の場合。

うつ病発症後、通常の病気療養として休業していた。
通院と自宅療養にも係らず、その後も状態はあまり良くならなかった。


約1年半。

所定の休業期間(1年半)に近づいたため、出社の上、復帰訓練を開始。
ところが、日進月歩のIT技術についてゆけない。
そもそも、うつ病の影響で、やる気、覇気を出すことができない。
復帰のための2回の能力チェック。


会社の判定は、×


技能が足りない上、質問もしないので、やる気も感じられないとのこと。

「成績不良による普通解雇(会社都合)」

それが、会社が下した結論でした。


その状況に直面した兄のとるべき道は。


①うつ病を労災として争う
兄のうつ病は、恐らく、勤務環境の変化激務が原因。
だけど、詳しい勤務記録などもとっていないので、因果関係を証明ができるかどうかは、微妙。


②成績不良の判断は不当として争う
うつ病で実力を出せてないわけで、病気が治れば成績も向上すると主張する。
だけど、既に病気による休業期間を過ぎているので、いずれにしても解雇の対象となる。

もし、①で争おうとすると、気になるのが、「退職への圧力」。


「退職への圧力」って、どういうこと?


例えば、勤務時間中に使用のインターネットを見たとする。
こんな経験は、誰でも少なからずあると思う。
会社が本気で誰かを解雇しようとするなら、その人のWEB閲覧履歴を調べる。
そして、私用でサイトを見ていたなら、それで充分、免職の理由にできる。


つまり、そういうこと。


とてもリスクが伴う。




兄の場合。


普通解雇で会社都合。
可能な範囲での配慮がなされているから、労災で争うのは止めよう


それが、私たちの考えた結論でした。

父の四十九日後、兄について義姉と話す機会。


義姉は、兄のうつ病そのものについても、次のような内容で一気に続けました。



最初に自宅の近所の病院に行ったが、カウンセリングと投薬だけで、良くならない。
そして、義姉の実家そばの病院を変えてみたが、そこでも進展なし。
そこで、会社とも相談し、職業訓練も行う少し離れた心療内科に変更した。
そこでは、自分(義姉)の悩みも聞いてくれた。
ある日、医師より「離婚は考えたことがないんですか?」と聞かれ、目が覚める思いがした。
実母も「いつでも帰って来い」と言ってくれ、離婚を決意した。



義姉は、節々に大声で繰り返し言います。

この人は、うつではない。

この人がやる気を出さない限りダメなんだ。

この人が変わらない限りダメなんだ。」



それを聞いた旦那の第一声。

やる気が出ないのは、うつ病だからですよ。病気は直ります。
 第一、離婚を勧めるお医者さんなんて、どうかと思いますけどね。
 うつ病かどうかも含めて、お医者さんの真意は確認する必要がありますね。
 離婚届にハンコを押してハイ終わり、っていう訳にはいかないから、良く考えないと
。」


珍しく少しキツメに、諭すようにそう言いました。


義姉は、少しおとなしくなりました。

お医者さんがそう言ったというより、もちろん私の言いたいことを汲んでくれたかもしれないけど。

 とにかく、もう私のやれることはない。

 もう私はご免こうむりたい。」


言葉は悪いけど、義姉は「ケツをまくってる」というのが、率直な印象。


病気の人間を見捨てると、自分が悪者になる。

そこで、
「(兄は)病気じゃない
と言いたい。

そして、
がんばらない本人が悪い
それを見切る私の何が悪い
という論理。


大体把握できました。


いずれにしても、事態を打開しなくてはいけない。
旦那は、ゆっくり、みんなに向かって言いました。


これは、正美さん(義姉の名)が一人で抱えきれる問題ではない。
 みんなで少しずつ苦労するしかない
。」


そして、それぞれに向かって言いました。


まずへ。

お義母さん、お兄さんをしばらく預かって下さい。」
母は、黙ってうなずく。


そして、に向かって。
明日、僕は会社を休んで、お兄さんの心療内科に一緒に行ってみる

 そして、お兄さんの病状を確認して、今後のことをみんなで考えましょう。」


そして、義姉へ。
正美さん、お兄さんは病気です。

 そのことがスッカリ抜け落ちてます。

 少しお兄さんと離れてみましょう。

 そして、冷静になってもう一度考えましょう。」


私は正直、びっくりしました。
普通だったら、あまり深入りしたくないような義理の兄夫婦の問題。
それに積極的に関わっていこうとするなんて。
しかも、明日から行動を開始する。


本当に困った時。

困った家族の問題。
だから、助かる



ひとり、義姉だけは。

私はもうゴメンこうむります!」

鬼のような形相でそう言って、出てってしまいました。



遠い親戚より、近くの他人と言います。


兄に一番近いはずの兄嫁が、面倒はゴメンとばかりに、他人になろうとしている。

家も近くないし血もつながっていない、戸籍ばかりの親戚、つまり私の旦那が、ひと肌脱ごうとしている。


これって、その人のひととなり、人間性の問題なんじゃないかな。