5月も中旬を過ぎると、成長したヒナたちの姿が、
巣の外側からもはっきり観察できるようになりました。
2羽いるのがわかりますね。
反対側にもう1羽いるのですが、
どうしても3羽揃ってお写真におさまってくれません。
背中の羽根もだいぶ育ってきて、ときどき広げようとします。
3羽だけでも窮屈そうで、もう少し育ったら収まりきらなくてはみ出してしまいます。
親鳥の入る余地はありません。近くの枝にとまっていることが多くて、
餌を持ってきたときも巣の端っこに何とかとまって、
あげたらさっと行ってしまうようになりました。
親鳥が、斜め下の枝にとまって監視しています。
アーチ形のクチバシにごつい額、あきらかにハシブトガラスです。
ヒナたちが羽根を広げ出しました。 いそいでスマホ録画を始めたのですが、
枝にとまっていた親鳥が突然、目の前にやってきて、
金網ごしに、激しく抗議の声を上げ始めました。
表向きは「カア、カア」と聞こえるだけですが、
「近づかないで下さい。
これから巣立ちする子供たちです。
今とても大事な時期です。
何かしたら許しませんよ!」
と言っているのが、わかるでしょうか。
くちばしでつつく動作をしながら、こちらの目をまっすぐ見る親ガラスに
負けまいとこちらも見つめましたが、一歩も引きません。
見つめあっていたのはほんの2,3秒なのに、
とても長くて、濃い時間のように感じました。
自分の中に眠っていた「野生」が起動した、と思いました。
自然界においては、生き物はすべて平等・対等、
そして精一杯です。
人間こそが万物の霊長、と思いあがってしまった自らを省みて、
地球上の生き物たちを敬う心を取り戻せば、
私たちも、自然そのものの生き方ができると思います。
今、樹上は彼らだけの世界。ヒナたちが巣立つまでは、
大自然の法則によって、この空間には
何者であっても絶対に入ることができないと決められている、
そんな気がしました。

