寒さの中で咲く花をいろいろ見ていて、バラにも着目したくなりました。
自宅から歩いて30分ほどのところの空き地に、
名前もわからないバラが何種類か自生しています。
栽培していた園芸種のバラが捨てられて根付いたような感じで、
手入れされていなくても春や秋になるとなかなか美しいお花を見せてくれるので、
シーズンになると、時々行っては楽しんでいました。
寒いときに見に行くことはなかったのですが、
ふと思い立って、買い物帰りに覗いてみると、
ひとえのバラが、花をさかせていました。
この寒いのに、誰も見ていないのに、よくぞ咲いていてくれたものです。
赤いバラの方もぽつり、ぽつりと咲いています。
両方とも、オレンジ色の実をつけた冬の姿、
あたりは枯れ野原と灰色の木の幹に囲まれた、この季節ならではの風景です。
春や秋にバラが咲いているのは当たり前。
美しく咲き揃った姿を見にいそいそとバラ園などに出かけるのは楽しいことですが、冬のバラだって見逃せません。
オレンジ色の実と並んでぽつり、ぽつりと木枯らしに耐えて咲いている控えめな花に、
バックグラウンドの枯れ葉や冬空。
冷たい風に吹かれて花びらも痛んでいるけれど、この時期にしか見られない貴重な姿です。
わざわざ見にいくほどではないけれど、
ふと通りかかったときに
「そういえばここにバラがあったんだっけ」と思い出して覗きに行くと、
寒い中、一生懸命に咲いているのを見つけて
「寒いのに、誰も見ていないこの場所で、よく咲いていてくれた」と感動する。
春の盛りに華やかに咲いているときよりも、
冬バラの方が、だんぜん美しいと思えてしまいます。
不思議ですね。

