前回の続きです。
トンボやハチなどの昆虫たちは複眼で紫外線を感知し、人間とは別の世界を見ています。
花の蜜を吸うハチにとっては、蜜が出ている部分が目立って見える必要があります。
ハチの眼で見たナデシコは、こんな感じでしょうか。
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調べたところによると、複眼は昆虫などの節足動物が持つ眼の構造で、
たくさんのレンズを合わせて図形を認識することができる仕組みです。
集合する個眼の数は昆虫、なかでも飛翔するものが多いようで、イエバエ2000個、ホタルのオス2500個、トンボ2万個前後となっている。
複眼は、カメラ眼と並んで、動物の目としては高度に発達したものである。
トンボやハエなどが持つ高度な複眼は、人間の持つカメラ目とは桁違いの視野の広さを持っています。
夏に福島の汽水湖から連れてきて飼っているアシハラガニも複眼です。
カニの複眼は2000個のレンズを備えているそうですが、
眼そのものが小さいので、どんなに接写してもレンズを確認できるほど細かい写真はとれませんでした。
カニの場合は、眼が身体の上方向に飛び出しているので、ほぼ360度全方向を視野に納めていると言われています。
獲物を捉えたり天敵から逃げるために、必要な能力として持っているのでしょう。
また、複眼の特徴として時間分解機能が高いというのがあります。
1秒間に何回の明暗変化を見分けることができるかを「ちらつき融合頻度」と行って、ヘルツという単位で表すそうなのですが、
視力の弱いカタツムリでは4ヘルツ(1秒間に4回)、人間のカメラ眼では15ヘルツ~60ヘルツ、ハエの複眼では150ヘルツだということが、研究によりわかっています。
ハエには、蛍光灯の1秒100回の点滅も見えています。ハエたたきで追い回す人間の動作も、スローモーションの映画のようなものなのです。逃げられてあたりまえですね。
時間分解機能が高いということは、短い時間にたくさんの「今という瞬間」をとらえることができるということであると同時に、
時間の感覚が異なるということでもあります。短命なハエでも、本人の感覚ではきっと長く生きているのです。
時間の感覚を感じるセンサーは視力だけでないそうですが、大きな要因のひとつであることは間違いありません。
「時間などない。人間がつくり出した概念だ」と言われます。
感覚器の構造によって時間分解機能が異なっていることからすると、
「今という瞬間」の積み重ねを、人間は「時間」と言っているのではないかと思います。
空間だけではなく時間もまた、それぞれが固有の感覚を持ち、
同じ地球上で生きているのです、



