前回の続きです。
多摩川上流は、石灰質の山々を削り取って流れている。
石灰岩は、地球上に住む生物にとって、重要な岩石である。
石灰岩は、サンゴ・ウミユリ・貝類・円石藻・石灰藻などの生物の殻(主成分は炭酸カルシウム)が堆積してできたものだ。
調べたところによると、
サンゴなど殻を持った生物は、骨格(殻)を作るためにたくさんの二酸化炭素を消費し、
サンゴ礁という巨大な固まりを海中に作り上げる。
このサンゴ礁が、長い時間をかけて固まったものが、石灰岩だ。
サンゴ礁の中にあっては水に溶けやすく、大気中に放出されやすい二酸化炭素も、
固い岩石になってしまえば、そう簡単に大気中に戻ってこれなくなる。
石灰岩は、二酸化炭素を閉じ込めてくれる岩石である。
原始の地球は二酸化炭素が非常に多く、生物が住める状況ではなかったのが、
長い時間をかけてサンゴから石灰岩が作られ、二酸化炭素を閉じ込めてくれたおかげで、
地球の大気中の二酸化炭素の濃度が減って、現在のように生物が住める状況となったのだ。
二酸化炭素の割合は、現在の大気中における約0.04%であるのに対し、原始大気中では約97%だったと言われている。
石灰岩が形成されることによって、大気中の二酸化炭素濃度が如何に大きく低下したのかわかる。
石灰岩は、地球上の二酸化炭素の90%を固定している。
地球上の石灰岩がすべて熱分解したと仮定する場合、気温が300度上昇するそうだ。
多摩川には、石灰石がいたるところに転がっている。
上流で拾ってきたものだ。手前の青っぽく見える石が、石灰質のものだ。
中流あたりでも、この種類のものはいくらでも見つけられる。
多摩川上流が神々しく感じられる。両岸の山々は、石灰質の固まりなのだ。
この場所が、人を惹きつけるのがわかるような気がする。
生命のしくみとは、本当によくできているものだ。
生命を終えた海中生物が、岩に姿を変えて地球を温暖化から守っている。
そのおかげで、わたしたちは地球上で生きることができているのである。


