昨日あたりから満月で、
大潮となり、多摩川の河口付近には、干潟が出現する時間帯があるはずだ。
調べたところによると、ピークは午前中の11時ごろだという。
何の準備もしていなかったが幸い仕事も休みだった昨日、一人で多摩川河口へ「潮干狩り」に出かけた。
10時少し前、多摩川土手の前回行ったのと同じ場所にたどり着くと、既に干潟が姿を現している。
みどりの雑草がびっしり生えた傾斜の急な土手を、
勇気を振り絞って下り、干潟に足を踏み入れた。
これが、陸と海がまじりあったところにある栄養ゆたかな土砂だ。
スコップで掘ってみると、砂と黄土色の土が微妙に入り混じっているのがよくわかる。
干潟の中に、このような水路がいくつもあり、
中には小さな貝が、もぐったり漂ったりして生活している。
水源を知りたくて辿って行ったら、地中から湧き出ているのだということがわかった。
水は川だけでなく、地中にも流れているのだ。
周囲にびっしり茂った葦が、もう穂を出している。この植物もまた、干潟を作り出すのに欠かせない存在である。
根元の土に、カニが巣を掘って住んでいた。
写真を撮るために棒でつついて引っ張り出そうとしたが、どうしても出てきてくれなかった。
調べたところによるとアシハラガニといって、葦の生えている周辺に穴を掘って生活する生き物だ。
雑食性だが主食は葦の葉と、根の分解過程の物質で、
有機物の分解を促す腐食連鎖の一員として、重要な役割を担っている、
干潟の役目の中心的存在だそうだ。
こちらはチゴガニ。干潟の土砂に穴を掘って住んでいる。
よく見渡すと、実にたくさんいる。あたり一面、小さなカニだらけだ。
ろくな準備もせずに来た潮干狩りだったが、30分くらい掘ってこれだけ収穫があった。
小さなこの貝たちを、水の浄化の実験のために持ち帰らせてもらおう。
2時間ほど、こうして干潟で過ごし、
午後になって帰る頃には、潮が戻り始めていた。
ほんの少しの間にどんどん水面が迫って来る。
遠くに見えるのはおそらくカワウの群れだ。魚でも取っているのだろうか。
干潟の自然の中でと触れ合っていると、地球の自然環境を作っているのは、
無数に存在する小さな生き物や微生物たちが、
無意識に行っている生命活動であることに気が付く。
そして人間たちは、実は何もしていないのではないかという考えが、
頭の中に浮かんでは消えていく。
地球上の生物で、人間だけが持っている「知性」を使って、これから何をすればいいのか、
それは自分たちで考えて、次の世代へ引き継いでいくことだと思う。







