地球にとって大切な場所のひとつに、干潟(ひがた)がある。
潮が引いたときにあらわれる遠浅の浜で、
波のおだやかな湾や河口などに川から流されてきた砂や泥が、
長い年月をかけてゆっくりと積もってできた場所だ。
もう少し専門的な言い方をすると、川が海へ注ぎ込むところに砂や泥が蓄積して形成される、
汽水性、砂泥性地帯のことを言う。
河口や川の両側や、河口や海から湾状に入り込んだ湖沼の岸に沿って形成され、渡り鳥の休息地となる。
干潟は、地球上でもっとも栄養豊富な場所だ。
陸上からは河川によって栄養塩や有機物が、海からは潮汐によってプランクトンが供給される。
つまり干潟には陸と海から定期的に栄養が届くのだ。
栄養塩は藻類や植物プランクトンの餌となり、有機物はバクテリアの餌になる。
そうやって増えた植物プランクトンやバクテリアを餌とするゴカイ類、二枚貝がたくさん住み着き、
それらを餌とする魚や鳥、そして人間たちも集まって来る。
このように、干潟は生き物の餌場として、重要な役割を果たしている。
干潟に住み着く大量のゴカイ類、二枚貝は、体内のえらで植物プランクトンをこし取って食べる。
これらの生物は濾過食者と言われ、水質の浄化という重要な役割を果たす。
私たちの食卓にも登場するアサリやシジミ、ハマグリなどがそれである。
この生き物たちが、地球上で海水をきれいに保つ仕組みを作っているのだ。
たくさんの生物たちが住んでいるのだから、地球は汚れる。
腐敗した生き物の死体や人間たちが出す生活水などは、
こうやって大自然がきれいにしてくれることになっている。
だから、少しぐらい汚したっていいのだ。
しかし、何事にも限度というのがある。干潟の浄化システムは、汚れがあまり大量になると追いつかなくなってしまう。
...次回に続きます。

