川崎から出ている京急大師線という私鉄がある。
10分くらい乗って終点の島新田駅で降りて、
高架下をくぐってまっすぐ15分ぐらい歩くと、コンクリートの堤防が見えてくる。
階段を上ると、多摩川だ。
向こう岸に羽田空港があって、一定間隔で飛行機が飛び立って行く。
下流の中でも河口に近いところだが、地形が入り組んでいるせいで、海はまだ見えない。
周囲に葦がびっしり生えていて、川の水は濁った汽水の色である。
赤丸が撮影地点だ。すぐそばに大師橋というのがあり、周辺は潮干狩りスポットとして知られている。
多摩川は、山梨県・東京都・神奈川県を流れる全長138kmの一級河川で、
東京湾に注ぎ込む下流域においては東京都と神奈川県のさかいめとなっている。
昭和の時代には工場の排水や家庭洗剤による公害を経験したが、
平成の今、川辺にびっしり生えた葦の草原には、ゴミひとつ見当たらない。
まるで緑の毛並みのような、つやつやした草原だ。
ここにゴミを捨てる勇気のある人は、なかなかいないと思う。
日本では川は生きているものと考えられ、「母」と呼ばれていたそうだ。
公害という試練を経験してよみがえった多摩川が、人間たちの手で手厚く守られているということがよくわかる。
一度犯した過ちは、もう二度と繰り返さないことを、
人間たちは、母であるこの川に向かって
固く誓ったのだ。
アユ釣りをしている人がちらほらと見える。
川辺には青々とした葦と、季節の草花が咲いている。鳥の声も賑やかだ。
生態系のよみがえってきた多摩川を、河口付近から記事にしていこうと思う。





