東北新幹線から在来線を乗り継いで相馬駅に着くと、まずスサノオが祭られている八坂神社を探しました。
スマホの地図を頼りに探したのですが、近いと思っていたのに歩いても歩いても見当たらないのです。
一度駅に戻って出直しをすると、突然スマホの地図が逆向きを指しはじめました。
おかしいな、勘違いしていたのかなと思いながら歩いていくと、前方に小高い山があって、ふもとに赤い鳥居が見えます。
ここだと思って近づいたら熊野神社でした。
歩き疲れていたのでもうここでいいや、と鳥居をくぐったのですが、狭くて暗い上に傾斜が急な参道を歩くはめになりました。
息も絶え絶えで登っていくと、赤い拝殿が3つあるのが見えてきました。
頂上は、広場のような空間になっていました。拝殿が3つ並んでいるだけで、他に何もありません。
足元は苔がびっしりで、大きな木に囲まれています。長いこと人が入っていなさそうなさびれた場所ですが、
空気が、恐ろしいくらいに澄んでいるのです。
3つの拝殿それぞれに向かって手を合わせてから周囲を見ると、拝殿のすぐそばにある背が高くてまっすぐな木が目にとまりました。
後ろの石碑に何か書いてありますが、読めませんでした。
「ここでいい」と思い、持ってきた手績み(てうみ)の大麻糸と、手すきの和紙で作った「御幣」を木の枝に挟んだものを根元に置いて、帰ってきました。
あとで調べたのですが、熊野神社で祭られているのは熊野権現(くまのごんげん)と言って、熊野三山の祭神である神々です。
そのなかで主祭神である家津美御子(けつみみこ)・速玉(イザナギ)・牟須美(イザナミ)のみを指して熊野三所権現と言うそうです。
。。。それで、赤い拝殿が3つあったのだろうか、というのは推測なのですが、きっとそうだと思います。
主祭神の家津美御子(けつみみこ)は、樹木の神なのだそうです。拝殿よりも樹木が気になって、手づくりの御幣を背の高い木の根元に置く気になったのは、うなずけるところです。
樹木が、神様なのです。
それでこの空間には、余分なものがないのです。
そして家津美御子(けつみみこ)は、スサノオの別名なのだそうです。今回の帰省の目的・スサノオは、ここで出会ったのでした。




