第八回 秘蔵のプーアル茶を愉しむ会 ――「金達磨」10年の感動と青さ
2024年4月27日(土)、「第八回 秘蔵のプーアル茶を愉しむ会」が人形町『ティーハウス茶韻館』で開催され、ご常連のお客様始め今回が初めての方も含め予約で満席となった。おいで頂いたお客様に、心より感謝の気持ちを伝えることとする。小生今回もスタッフとして参加、雰囲気の違う二つの茶席をお客様と一緒に愉しむことが叶った。茶葉の提供・呈茶を担当された阿部克彦氏の見事な技量に、今回も敬服させられた。阿部さんの呈茶について何度も触れているが、それは「自在の茶」なのである。例えば私が茶席でお客様に呈茶をする時、お客様は4~5人位、呈茶は3~4回がせいぜいである。ところが阿部氏は、十人のお客様に一つのお茶を十煎近く繰り返し淹れ、それを四つのお茶で繰り返し淹れるのである。40回に及ぼうとする呈茶に乱れはない。私にはとても真似することはできないのである。
大切な一煎目、淹れ手と同じく客も茶淹れに集中している。そして抽出されガラスの茶海の茶湯の輝きと、漂い始めた茶の香りに安堵するのである。お茶により濃淡は違うが、良き茶に共通するのは茶湯の発する輝きであり、透明感である。今回一番時間が経過した茶葉は、1986年以前に作られた餅茶。その茶葉の持つ力は、私を茶葉の生まれ育った40年前の西双版纳の山にタイムスリップさせてくれたのである。夢心地の茶会から現実に戻るには時間が必要となる。今回も余韻の長い茶席となった。
二番目のお茶「金達磨 2013年製生茶・今雨軒」には特別な感動があった。まだ10年のお茶で茶葉も青みが残る。あと10年・20年後どんなお茶になっているのか楽しみなお茶であった。人には寿命があるが、お茶には無いように思えてならない。
阿部さん、茶韻館亭主松田さん、そしてスタッフのKさんお疲れ様でした。阿部さんとのプーアル茶の旅は続く。
2024年4月30日 俳茶居
茶 譜
皇上皇 普洱 1999年以前 雲南省 原料に貴重な芽を使用した美しい茶葉
金 逹 磨 2013年 生茶 雲南省 景邁山など優れた産地・製茶場を茶山に置
今雨軒 く・原材料を古茶樹に限り他からの混入が
皆無・優れた人材の確保、これらの条件を
保ち高い志を持って今雨軒が作っている最
高品質の普洱茶
餅 茶 1986年以前 生茶 西双版納 40年近い時を経て熟成が進んだ勐海茶廠
勐海茶廠 の生茶
スペシャルティー 徐耀良茶園の東方美人 2016年冬茶 (非売品)
茶菓子 干菓子・いちごのクラフティ・冷菓等