2021年5月27日の記憶
誰のためのオリンピック・パラリンピック
竜安寺石庭(2018年5月)
人は忘れやすい。今日の鮮明な出来事も時間の経過の中で曖昧な記憶になってしまう。私は、今日を記録し未来への記憶とする。
新型コロナウイルス禍が、世界保健機構(WHO)よりパンデミック宣言(2020年3月11日)されて一年以上となる。現状は以下である。
感染者・死者(2021年5月26日 米ジョンズホプキンス大学調べ)
世界感染者計 1億6785万6780人 世界死者計 348万6104人
日本感染者計 72万6851人 日本死者計 1万2477人
世界の死者数(348万人)は、第二次世界大戦での日本人の死者数に匹敵する。しかしコロナ禍はこれで終わったわけではない。日本では第4波と言われている現在、それが鎮静化に向かっても、その次が無いなどと決して言えないのである。
今年になり、世界ではコロナワクチン接種の進んだ国と、そうでない国の乖離が進んでいる。イスラエル、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアなどのワクチン接種率の高い国と、日本やアジア諸国、開発途上国とのワクチン接種の進捗度の違いは、コロナ後の世界に大きく影響してくる。又、それとは別にワクチンに対し医学的警鐘を鳴らすグループもいる。理由は、今回開発されたワクチンの主流は、人の遺伝子に触れる作用を伴うものであり、アナフィラキシーショックや、梗塞を誘発する話だけではなく、接種ワクチンが未来の人類に異変を起こす要因を含んでいると言う学者達もいるからである。ワクチン接種を受ける受けないの判断に、個人の覚悟が伴うと理解すべきである。
朝日新聞の天声人語(2021年5月24日付)に、「地球は46億年前に誕生した。ウイルスが生まれたのは30億年前。人類はまだ20万年の歴史しかない。」とあった。人類より15,000倍の時間を生きているウイルスを侮ってはいけない。やがて人類が滅びても、ウイルスはしぶとく生き残っているに違いないからだ。
第4波の減速傾向時が現在の日本であるとすれば、緊急事態宣言が解除され、人流が復活したり、ワクチン接種の割合が大幅に増えず、効果が見込めなければ当然第5波はやってくる。しかも変異株を伴ってやってくると専門家は忠告を発している。
桂離宮茶室
2020東京オリ・パラ強硬の意味
そんな最中で行われようとしている人類の平和の祭典とは、いったい誰のためのものなのだろうか。現状の日本の危機を承知の上で進められている動きは、IOC、東京都、2020東京オリ・パラ組織委員会、JOC、日本国政府が協議し進められてきた。実行・中止を決定できる唯一の組織IOCは、五輪中止の選択枝を持っているとは思えない利権集団であることが分かった。日本の各組織もIOCに異議を唱える所はない。しかし世論の大半は中止を支持している。(東京新聞の世論調査、毎日新聞の調査はその一つだ。)オフィシャルスポンサーの朝日新聞は、5月26日の社説で中止すべきと明言した。盛り上がりようのない五輪開催は、どんな歴史的結果を生み出すのか。少なくとも都民ファーストでもなければ、世界のアスリートファーストでも決してない。そんな金権まみれの平和の祭典が開かれようとしている。 2021年5月27日を記録し記憶とする。 俳茶居
食卓の急須を見立て夏来たる 〈呑亀〉