それは静かに 人知れず | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 「死ぬ前に食べたいもの?」

 そう聞かれて思い浮かぶのは

 

 新鮮なイカの刺身、生ウニ、イクラ、新巻サケ、ママス、アユ、牛タン、シュウリ(イガイ)シラス(コウナゴ)、ツブ(クボ貝)

 

 若いときなら牛タン・ママス・イクラ・ウニ辺りだったかなあ

 

 年ですかね、鮮度抜群のシラス、磯場のツブ(小さいヤツ)かなあ~

 

 そこでハタと気がつきました

 ここ何年か、どっちも食ってねえ(汗)

 

 毎年春先にはシラス(コウナゴ:イカナゴ)

 がたくさん獲れて、鮮度抜群、指で持ってもピンと立ってるようなのに醤油をちょっとかけてガーッと飲み込む

 最高です

 ところが

 今年は全く姿を見ず

 そういえば去年も

 あれ?何年も食べてない・・・・

 

 

 息子が家に帰ってきたとき

 「何食いたい?」

 って聞いたら

 「ツブ」←磯場にいるクボ貝のこと

 「いないな」

 「昔は三王岩に行けばいっぱいいたよね」

 「昔はな。今は・・・・いねえなあ」(汗)

 

 絶滅っていうと衝撃的なニュースとなって駆け巡る

 かと思いきや

 気がつけばいない

 あれ、そういえばいなくなった

 ってことなのかも

 

 ツブ

 いないんですよ

 ほんと

 

 数年前にツブの殻が海底に大量に転がってるって漁業者から話をいただきまして

 水産技術センターに話をしたんですが

 結局の所、原因は解らず

 

 今はもう幻

ですね

 

 

 真崎の南側にある大規模増殖場の枠取り調査を何十年も続けてます

 海底に1m四方ぐらいの枠を置いて、その枠の中の生物を全て採って、どんな生き物がどれぐらいいたかを計測して、漁場全体にはその生物がどのぐらい生息しているかを推計するというようなことです

 主な目的はアワビの資源量の動向を推定することなんですが

 以前はものすごい量のツブ(クボ貝、コシダカガンガラ)がいて、計測後は土嚢袋が一杯になるぐらい

 

 それが何年か前からいません

 全くいません

 

 海の中に何が起きてるのか?

 

 以前、千葉から来た人が

 「シッタカ(千葉ではツブをそう呼ぶらしい)全然いなくて高級品ですよ」

 って言ってて

 「ツブが?なんぼでもいますよ」

 って笑ってたんですけどね

 

 

 ところで

 「死ぬ前に食べたいもの?」

 よく聞きますけど

 死にそうになってたら食えないですよね(笑)

 食べてもきっとおいしくない


 


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