私は見たことありませんけど | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 漁業関係の機関誌みたいなものを読んでましたら

 

 某大学の客員教授が 

 「三陸の漁業者がキタムラサキウニをろくに駆除しないで(アワビの稚貝を)ウニだらけの所に放流していたが、一斉にウニが集まって食べていた。」

 というようなことを話したと書いてありました

 

 三陸というからには宮城県の北部か岩手県を指しているんでしょうけど

 私が知る限り

 ウニだらけの場所にアワビを放流するような漁業者はいませんけどね

 

 重茂、田老はダイバーが潜ってアワビの外敵を駆除してから

 適地に手作業でアワビ稚貝を放流していきます

 

 私は30年以上に渡ってウニ・アワビ漁に出てますけど、アワビ稚貝を放流した場所にウニが集まっているのを見たことがありません

 

 アワビ稚貝とキタムラサキウニを一緒の水槽で飼育しても

 死んでひっくり返ったアワビは食べますけど、元気なアワビを食べるのは見たことがない

 

 

 ウニが一斉に集まってアワビ稚貝をむさぼり食うなんて考えられませんけど

 

 

 その人が本当に見たって言うんなら

 ○県○市の○○漁業者が

 って言ってくれないと

 

 「三陸」でくくられるのは困ります

 三陸の全ての漁業者がアワビの稚貝放流をいいかげんにやってるかのように言われるのは聞き捨てなりませんね

 

 私が知っているアワビ増殖に携わる人間はね、昔からずっと、ほんと一生懸命にやってますよ

 稚貝をみすみす外敵に食べられるようなまねは絶対にしない

 そのことだけは強く言っておきたい

 

 命がけでアワビ増殖をやってきた人たちが誤解を受けるような発言は許せません

 

 

 

 そもそも「客員教授」って何なんですかね

 私みたいな者は「○○大学」と「教授」っていう言葉だけが頭に入って

 「客員」ってよく解らないまま

 なんとなく、まあ、教授って付くから偉い人なんだろう

 って思うがちなんですけど

 

 以前、超有名な大学の客員教授がとんでもないウソ(といったら失礼でしょうか。非常にレアなケースの成功例を事例に出して、あたかも全てのケースで解決すると多くの人が誤解を招くようなこと)を平然と言ってまして

 それを真に受けた漁業者が多額のお金をかけて試験して大失敗に終わったことがあります

 

 私は事前に忠告したんですけどね

 残念なことに、私が言うことを信じてくれませんでした

 「あんな有名な大学の先生がウソを言うはずねえべ」

 って 

 まあ、世間一般的にそうなりますよね

 かの○○大学の客員教授と宮古北高校卒の漁協職員じゃね

 「お前ごときが何を言う」ってなる(笑)

 

 そのことを研究されている方に

 「あの人、なんで平気であんなウソを言うんですかね。みんな誤解するでしょ」

 って聞いたら

 「十数年前にある地域で成功した論文を読まれるか聞かれるかして、それがどこでも通用すると思い込まれて話されてるんじゃないですかね。成功した場所と岩手の海じゃ全く条件が違うんですけどね。そのことはずっと昔に論破されてることなんですが、あの方、研究者じゃないから、解らないのかもしれませんね」

 「研究者じゃない人が教授になっちゃダメでしょ」

 「客員ですから」

 

 


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