午前2時 | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 昨日、今年最初のワカメの採苗が行われました

 若い職員は、一昨日の土曜日に潜水でメカブを採って

 昨日の日曜日、午前2時起きで遊走子の確認作業

 「なかなかヘビーっすね」

 って笑ってました

 田老町漁協のワカメ養殖は地場産のメカブしか使わないので

 全ての漁業者が自分でワカメの採苗を行います

 

 もし、失敗しても他からワカメの種苗を購入できないので

 遊走子が確実に運動していることを確認するのは非常に重要な作業

 真崎ワカメの第一歩がここにある

 

 ワカメの遊走子は

 メカブの成熟具合

 水温

 メカブの乾燥具合

 照度

 等々で放出のタイミングや運動時間が様々変わってきますので、どれだけ採苗に立ち会ってきたかが後々ものをいいます

 

 遊走子が動いてないとか

 問題が発生したときにどう対処するか

 過去の経験がものをいう

 

 漁業者は生活が懸かってますからね

 生活が懸かっている問題を問われたときに

 一人で対応できるだけの力をつけなければなりません

 

 なので、日曜日の午前2時は気の毒ですが

 私は口出しをせずに確認作業をやってもらいました

 経験は必ず力になるので

 

 

 

 

 私が午前2時に漁港へ行くと

 見慣れない車がいました

 (密漁じゃないだろうな・・・・)

 

 漁業者も

 「あの車、昨日の夕方からいる。自殺とかじゃねえべな」

 

 などと話をしてましたら

 「おはようございまーす!」

 って元気な女性が登場

 (こんな時間に女の人が??????)

 よく見ると、○○大学の先生じゃありませんか

 「なにしてんすか?いつ来たんですか?なんで?」

 

 「あ、ワカメの種付けをするって漁業者の方から聞いたんで、そこは必ず抑えとかなきゃって思って飛んできました。行くってメールしようと思って忘れてました」(笑)

 「もしかして、あの車で、昨日から?」

 「はい」

 昨日東京から来て、車中泊で午前2時から取材

 すげー

 地元の私が午前2時でしんどいなんて言ってられません

 

 


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