アワビの子 | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 アワビの種苗生産は

 卵をふ化させ

 泳ぎだした幼生を

 4日ほど専用の水槽で育てて

 珪藻板と呼ばれるプラスチックの板に付着させます

 

 このプラスチックの板もただの板ではなく

 一ヶ月ほど前から海水に入れて

 光と栄養をコントロールして

 アワビの餌となる珪藻を付着させ

 

 さらに幼生の付着率を上げるために、大きなアワビに一旦付着した珪藻を食べさせてから

 20tの水槽に隙間なくこの板を並べます

 その水槽も1つではなく4水槽使うので

 すごい労力になりるんです

 

 

 幼生を付着させたあとも、水温と光量を上手にコントロールしないと

 アワビのエサが足りなくなって餓死したり

 逆に餌の方が増えすぎてアワビが動けなくなって死んだりします

 

 アワビの種苗生産施設で光量をコントロールするのは遮光幕しかないので

 曇れば遮光幕を開け

 晴天になれば遮光幕を閉める

 室内が暑くなれば全ての窓を開け

 寒くなれば閉める

 もう休みも関係なく四六時中見てないとダメ

 規模も大きいので大変です

 

 実態を知らない人は

 「たまにエサをやっときゃいいんだろ」

 ぐらいに考えているかも知れませんが、それでできるならどこだって、誰だってやれますよね

 

 

 

 せっこぎ(怠け者)な私は

 もっとラクにできる方法はないんだろうか?

 といつも考えてまして

 

 太陽の光は光量も光周期も常にめまぐるしく変化しますし

 海の水は水温・塩分・栄養分が常にめまぐるしく変化します

 担当者はこれを常にコントロールしなければならないので、大変なんですね

 

 もし、光も水質も一定なら労力は大分抑えられるし、安定的に種苗生産できるよなあ

 

 で、真っ暗な室内に蛍光灯と水槽を入れ、滅菌した海水を満たして濾過器で水を濾過して循環させる

 タイマーで毎日同じ時間に蛍光灯を点け、同じ時間に消す

 エアコンで温度を常に一定に保つ

 ほったらかし飼育

 

 4月7日に幼生を入れて、何にもついてない珪藻板をドボン

 その後、ほったらかし

 で、ここまで成長しました

 左側の黒い部分が内蔵。アワビのキモの部分ですね

 

 

 ↑この幼生が、約一ヶ月でこうなりました↓

 アワビの周りにある小さな点々がアワビのエサになる植物です

 

 ずっと同じ海水を使ってるとさすがにカルシウム分とかが足りなくなってくるらしいですけど

 濾過器の中にはサンゴ砂が入ってるので、海水のカルシウムが不足するとサンゴ砂のカルシウムが海水に溶け出していくらしい

 

 まあ、難しいことは解らないので、結果オーライってことで(笑)

 

 この方法、初期は安定してるんですけど

 やはり海の力は偉大で、海水で飼育してる方が大きくなります

 

 そこで、両方の長所をいいとこどりの飼育方法をね試してやろうと思っております

 

 

 


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