怖いよー | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 昨年、田老一中の生徒に

 ウニ採り体験とむき身作業をしてもらいました

 

 今年もやるんだろうなと勝手に思って準備してましたら

 なんの音沙汰もなし・・・・

 

 中学校に電話して

 「今年はウニ採り体験はやりませんか?」

 「予定には入っておりません」

 「やりません?やりましょう?」

 こっちから押しかけ(笑)

 

 「では、少し検討させて下さい」

 順序が逆な気がしますけど、まあ、そんなことはどうでもいいのである(笑)

 

 漁業の町田老に生まれた子供が

 生きたウニもアワビも触ったことがないまま大人になるって

 あまりにも切ないではないか

 

 昔はほっといても勝手に体験していたものですが

 今はお膳立てしてあげないとなかなか・・・・

 

 

 実は自分には後悔してることがありして

 長男はウニ漁に(強引に)何度か連れていったんですけど

 次男が小学2年生の時に震災がありまして

 その後のゴタゴタで次男は一度も漁に連れて行った事がないんです

 

 

 漁業に就業するかどうかは別にして

 せっかく田老に生まれた子供らには生きたウニがどんなか

 採って、触って、食べて、匂いや味を体験してもらいたい

 ほんの僅かな時間だとしてもね

 

 成人して、東京の一流寿司店で寿司を食べて

 「あれ、中学生の時に田老で食べたウニの方がずっと美味いぞ」

 とか思って欲しい

 どこに行ったとしても、田老の海の凄さを再認識して欲しい

 

 

 先日、ウニの蓄養を取材に来た新聞記者の方に、撮影のために剥いたウニをそのまま食べてもらったら

 「甘っっ!なんですかこれ」

 「見ての通り、ウニです」(笑)

 「今まで食べたウニとは全然別物ですよ、えっ!こんな甘いんですね、いやー、衝撃です。すごいです」

 「生まれはどこですか?」

 「大阪です」

 「じゃ、活きたウニも見たことない?」

 「活きたウニ初めて見ました。初めて触りました」

 と、興奮冷めやらぬご様子で

 

 田老で生まれたのに、大阪生まれの人みたいに活きたウニを見たことも触ったことも食べたこともないなんて

 それではあまりにも悲しいじゃないですか

 それだけは何としても避けねばならぬのです

 

 

 その後、中学校の副校長先生から

 「ではウニ採り体験の方よろしくお願いします。詳細につきましてはは担任から連絡させます」

 という連絡が来ました

 「ありがとうございます」

 (なぜ私がお礼を言うのか良く解りませんが)

 

 

 先日、担任の先生が見えられました

 

 学校って年間の計画で動いているらしくて

 別の予定が入ってた時間に強引にウニ採り体験をねじ込んだようです

 (担当の先生からすれば、エラい迷惑な話だったでしょう。申し訳ございません)

 

 「この時間は自分の生きるべき世界を考えるために、社会人の方に質問する予定になってました。ウニ採りの間に質問させていただいてよろしいでしょうか」

 「生きるべき・・・ですか・・・・あの・・・はあ・・・私でよければ・・・・・」(汗)

 「お願いします」

 

 ウニ採りの間になぜ人生を語るのか、良く解りませんけど、こっちが無理を言ったので仕方ありません

 「あのー、私の人生、挫折の連続ですけど・・・・・ハハッ(汗)」

 「それも子供達の学びとなると思います」(キッパリ)

 はたして挫折が学びになるんだろうか・・・・・・

 

 まあ、自分でもこんなんでいいんだろうかという行き当たりばったりの人生が、子供らの参考になるとは、とても思えませんケド

 

 「通常は事前に質問内容をお渡しするんですが、今回は時間が無いのでその場で直接質問となると思いますが、よろしいですか」

 「はい、よろしいです(選択の余地なし)」(汗)

 

 でも、子供の質問って、全く予想外のが飛んでくるので怖いんだよなあ・・・・・・ 

 

 以前は

 「給料いくらですか?」

 ってのもあったし(笑)

 

 どう答えたらいいの?誰か教えて

 

 遠隔地で話すんなら恥もかき捨て

 ですけど

 田老の中学生となると、お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんまで、(おそらく)ほぼ顔見知り

 

 家に帰ってから

 「漁協のあのおじさんねえ、こんなこと言ってたよ」

 って言われるのもなかなかツライではないか

 

 ま、乗りかかった船

 やりきるしかないのである

 

 

 授業の目的は

 「クリテイカルに他者・自己を見つめ、学びの本質に迫る。」

 のだそうで

 

 クリテイカルに他者・自己を見つめるってどういうこと?(汗)

 他者、つまり私は、クリテイカルに見つめられるんでしょうねえ

 

 お笑いの

 「クリテイカルヒット」

 なら聞いたことあるけど、やっぱり意味は解らんし(笑)

 

 


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