アワビの採苗 | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 月曜日は今年最初のアワビの採卵

 で、今日は今年最初のアワビの採苗です

 

 「採」「採

 何が違うか

 っていいますと

 

 採はアワビに卵を産ませて受精させ

 卵を回収する作業です

 

 回収した卵を孵化させて

 この時点ではアワビは泳ぎ回っています→幼生と呼んでいます

 ある程度まで成長すると

 

 アワビは何か固いモノに付着したくなる

 

 付着したくなったタイミングを見計らって

 固いモノ

 珪藻板と呼ばれる透明なプラスチックの板が入った水槽に

 アワビの幼生を投入すると

 板に張り付いてアワビとしての生活をはじめるというわけですね

 この作業を「採苗」と呼んでいます

 

 ここ数年間、採卵から採苗にかけて苦戦が続いていたんですが

 担当部署の皆さんの努力によりまして

 今年は1千万粒の受精卵を確保!

 

 ふ化後の幼生の生育も順調で

 本日、約600万の幼生で採苗を実施することができました

 

 最終的には120万個のアワビ稚貝を放流する予定ですので

 現段階としては十分に余裕を持った状態

 

 アワビの稚貝はここから珪藻と呼ばれる微細な藻類を食べて成長しまして

 ある程度成長すると最初の珪藻板では狭くなるので

 別の珪藻板に分散させます

 

 この辺の時期を乗り越えれば

 あとはほとんど死なないんですけど

 

 今のところ、分散の時期に技術的な課題が残されています

 

 これから2ヶ月ほどが勝負ですね

 

 

 私は実験用の閉鎖循環水槽に

 余った幼生を投入

 閉鎖環境の中で幼生からアワビ稚貝まで育てられるかの試験を行います

 

 ま、これまで3年ほど継続して稚貝を生産できてはいるんですけど

 数がね、少ないので

 どれだけ数を残せるかです

 

 


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