年輪 | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 木の年齢を推測するのに年輪を見ますよね

 成長のいい夏には幅が広く、成長の悪い冬には幅が狭くなるので

 模様のようになる

 この模様の数が木の年齢

 

 魚も木と同じように年輪みたいな模様で年齢を推定します

 「魚のどこにそんな模様があるの?」

 

 ですよね

 魚の頭の中に音を感じる器官がありまして

 そこに小さな骨が入っています

 ここに木の年齢のような模様があるんです

 

 1年に1本の模様が出るんですけど

 その1本の模様の中にも

 水温の上下でさらに細かい模様が出る

 

 水温を意図的に上下させることによって

 模様を作って

 標識にしようと考えた人がいるんですね

 誰か知らんけどよく考えたもんです

 

 サケがどこの川で生まれて

 どのような経路を辿って

 何年でどの川に戻って来たのか

 サケの生態を知るうえで非常に重要なデータなんですけど

 従来はサケに付ける標識って小さなヒレを切るぐらいしかありませんでした

 なにしろ5㎝ぐらいで放流するので

 このサケは○○川生まれです

 なんていう情報を入れられない

 

 サケは北太平洋を大回遊する魚なので

 標識がないことには回遊経路さえも調べられません

 

 ここ数年前から

 卵のうちに

 機械で意図的に水温を上下させて

 川ごとに模様を作って放流するようになりました

 魚が音を感じる器官にある骨が小石みたいな形をしてるので

 耳石とかいて「じせき」と呼びます

 これに水温で標識するので

 耳石標識

 

 田老川でもこの標識をしておりまして

 現在水温を上下させている最中

 卵の中に見える黒い小さな点はサケの眼です

 

 この標識によってサケの生態が明らかになり

 近年岩手県のサケ資源が減少している理由を解明して

 たくさんサケが帰ってくるようになることを期待しています

 


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