木の年齢を推測するのに年輪を見ますよね
成長のいい夏には幅が広く、成長の悪い冬には幅が狭くなるので
模様のようになる
この模様の数が木の年齢
魚も木と同じように年輪みたいな模様で年齢を推定します
「魚のどこにそんな模様があるの?」
ですよね
魚の頭の中に音を感じる器官がありまして
そこに小さな骨が入っています
ここに木の年齢のような模様があるんです
1年に1本の模様が出るんですけど
その1本の模様の中にも
水温の上下でさらに細かい模様が出る
水温を意図的に上下させることによって
模様を作って
標識にしようと考えた人がいるんですね
誰か知らんけどよく考えたもんです
サケがどこの川で生まれて
どのような経路を辿って
何年でどの川に戻って来たのか
サケの生態を知るうえで非常に重要なデータなんですけど
従来はサケに付ける標識って小さなヒレを切るぐらいしかありませんでした
なにしろ5㎝ぐらいで放流するので
このサケは○○川生まれです
なんていう情報を入れられない
サケは北太平洋を大回遊する魚なので
標識がないことには回遊経路さえも調べられません
ここ数年前から
卵のうちに
機械で意図的に水温を上下させて
川ごとに模様を作って放流するようになりました
魚が音を感じる器官にある骨が小石みたいな形をしてるので
耳石とかいて「じせき」と呼びます
これに水温で標識するので
耳石標識
田老川でもこの標識をしておりまして
現在水温を上下させている最中
卵の中に見える黒い小さな点はサケの眼です
この標識によってサケの生態が明らかになり
近年岩手県のサケ資源が減少している理由を解明して
たくさんサケが帰ってくるようになることを期待しています