放流貝の謎 | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 漁獲したアワビのうちどのぐらい放流したアワビが入っているか

 示す数値を「混獲率」と呼んでいます

 

 漁獲したアワビのうち2割が放流したアワビなら

 混獲率20%

 

 これを毎回調べて、どのぐらいアワビ稚貝を放流した効果があるか検証するんです

 ざっくり言えば2億円のアワビ水揚げがあって、混獲率が20%なら放流アワビの水揚げは4千万円あるので

 3千万円の経費を掛けて稚貝放流しても1千万円の効果があるというようなことですね

 

 震災前から去年まで混獲率はだいたい20%ぐらいでした

 

 震災で種苗生産施設が流失してしまったため、平成23年~26年まで稚貝の放流が途絶え、再開したのは平成27年から 

 他の地域は混獲率が一旦下がって、その上昇し始めたらしいのに、田老はずっと変わらないのが不思議でした

 放流が途絶えたんだから、どこかの時点で混獲率が下がるはずなんですけど・・・・

 

 

 今年の混獲率はまだ出てませんが、調査した感じからすると、放流貝は去年より大分少ないです

 震災前に放流した稚貝が去年まで採れてたのか?

 そうだとすれば大分成長が遅いってことになります

 エサがないからでしょうか?

 

 でも、従来3~4年で9㎝(漁獲サイズ)になるって言われてましたから、8年とか9年で9㎝ってのはあまりにも遅すぎるし

 平成27年に放流した群がそろそろ9㎝になってもいい頃だと思うんですけど・・・・・

 

 水産技術センターでアワビの年齢を調査してくれているので、その結果が出れば、今漁獲してるアワビが何才ぐらいかが解ります

 4~5才なら来年以降水揚げ上がってくると思うんですが

 8才とか9才だったら、ちょっと深刻な事態です

 

 

 アワビは外敵に食べられたり、エサがなくて餓死したりで1年に3割ぐらい死ぬといわれてますが

 そんなに死なないだろうという説もありまして

 

 仮に1年に2割ぐらいアワビが死ぬとすれば

 

 1,000個のアワビを放流すると

 1,000個→800個→640個→512個→409個

 4年で漁獲できるとすれば1,000個のうち409個が海に残っているということになります

 

 それが9年だとすれば

 →327個→262個→209個→167個→134個

 たったの134個・・・・

 

 

 

 いよいよ本腰を入れて餌対策を実施せねばなりません

 

 

 


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