コンブは成熟すると種(遊走子)を出す器官ができます
ワカメの場合だとメカブですね
メカブなら一目瞭然で解りやすいんですが
コンブの場合は葉の上にできるので、一見、模様みたいです
田老ではこの器官を「おくれ」と呼びます
「おくれ」は知ってても、そこから種を出すとは知らない人もいて
田老のコンブに「おくれ」が出るのは9月の末ぐらい
なので、コンブの種を採って養殖コンブの種糸の生産を始めるのは早くても9月の末ぐらいから
早くてもというのも、海の状況によってコンブの成熟が遅れれば10月に入ることもよくあるので
北海道のコンブ養殖は2年かけて行うのがスタンダードなんですけど
コンブ生息域の南限である岩手県の場合、夏場の高水温に耐えられないので1年養殖なんです
その1年養殖を可能にするのが陸上施設でのコンブ種苗生産
種を採ったら滅菌した海水の中に入れて
コンブの適水温まで水温を下げ
栄養分を添加し
光を十分に当てて
天然のコンブが芽を出すよりも数ヶ月早く芽を出して養殖をスタートさせるわけです
そもそも北海道で2年かけてやるものを1年でやるわけですから、高品質のコンブを収穫するには1日でも早く養殖をスタートさせたい
でも、天然まかせだと神頼みしかありません
早く「おくれ」が出ますようにって(笑)
天然まかせじゃなく、むりやり成熟させて、早い時期に種糸を漁業者に渡せば高品質なコンブが収穫できるんじゃなかろか
っていうことで、強引に成熟させております
赤い(へんてこな)矢印のとこ色が違うでしょ?
この部分が「おくれ」です
これは今日の画像で、天然のコンブじゃあり得ません
養殖コンブの収穫は終わったばかりですが
来シーズンの作業はもう始まっているのだ(笑)